　【明慧日本2012年8月5日】先月7日の午後7時、56歳の武漢市法輪功修煉者・劉運朝さんは、冤罪が晴れないまま死亡した。明慧ネットの報道によると、劉さんは亡くなる前に両目がほぼ失明し、会話も出来なくなり、身体の多くの箇所に殴られた傷跡があった。劉さんは範家台刑務所に約3年間拘禁され、8人の警官から暴力・残虐な拷問を受け続けたため命の危険に晒され、また毒薬を投与された疑いもあるという。劉さんの兄・劉漢朝さんは悲しみの中で葬儀を行い、そして涙を滲ませながら取材を受け、国際社会に対し、迫害の元凶に厳罰が下されるよう呼びかけている。

劉運朝さん

　かつて胃癌を患い、街の乱暴者だった劉さんは生まれ変わった　

　身長180cmの劉さんは、子供の頃はよく喧嘩し、大人になっても性格は乱暴で、周囲にとって怖い存在だったという。劉さんは幸い法輪大法と出会ったため、生まれ変わり、常に他人のことを優先して考えるようになり、人生の意義を悟った。

　兄の漢朝さんの記憶によると、劉さんは1996年に法輪大法と出会い、修煉してから胃癌が回復し、人柄も明るくなり、曲がっていた腰はまっすぐになった。　

　修煉してから劉さんは、「真・善・忍」の基準で厳しく自分に要求し、商売をする時にはルールを守るようになった。この事を話した家族は心から感心した。

　決して転向せず、8人の警官から暴力を受けた　

　2009年4月、劉さんは黄石市下陸区裁判所から懲役7年を言い渡された。上訴したが裁判は行われず、懲役3年に減刑された後、范家台刑務所に送られた。　

　区長の肖天波は「転向しなければ酷い目に遭うぞ」と劉さんを脅した。その後、劉さんは拷問により半身不随になり、排泄さえ自力で出来なくなった。劉さんは生命の危険に晒されたため、刑務所病院へ送られ、緊急措置が取られた。しかし河岸区610弁公室主任・胡紹斌は「あいつをそこで死なせろ」と言い放ったという。

　2010年9月7日、刑務所は責任から逃れるため、兄の漢朝さんに劉さんを引き取らせた。漢朝さんは憤慨した表情で語ってくれた、「あの日、病院から帰って来ました。弟はずっと病院にいましたが、医者は完全に彼らの（610弁公室）言いなりで、脳卒中とか脳水腫だとかと言いました。弟の体には至る所に傷があり、帰って来た時には吐血し、血便が出ました。歯も緩んで、前歯はすべてなくなっていました。弟は意識がはっきりした時に、刑務所でかつて8人の警官に殴られたことを話しました。しかし警官の名前を知らず、すべて上から派遣されてきた人で、沙洋労働教養所の時だったそうです」　

　「身長180cm健康な弟は骨と皮ばかりに痩せこけて、傷だらけになりました。なぜ刑務所はこのように暴行を加えたのですか？　弟は『刑務所は自分に法輪功に反対するように強制した』と話してくれました。弟は法輪功修煉者で、法輪功に反対するはずがありません。刑務所は彼を転向させようとしていました」

　薬物を投与され、2年間意識不明に　

　劉さんの遺体には通常では見られない皮膚の損傷があった。足・手・背中の皮膚はすべて紫色に変色し、水ぶくれができていた。実情を知る他の法輪功修煉者の話によると、毒薬を投与された疑いがあるという。　　

　兄の漢朝さんは、「弟は2010年に出所した時、薬を投与された可能性が高いです。体は傷だらけで、帰ってきた後に意識不明になりました。背中にはスタンガンで電撃された傷があり、臀部の骨はすべて損傷していました。弟は2年間ずっと寝たきりで、私達が世話をしました。本人はほとんど意識不明になり、亡くなる直前には薬物による反応が出ていました。しかし何の薬かは分かりません」

　明慧ネットの報道によると、多くの法輪功修煉者は范家台刑務所で毒薬を投与されたことがある。数年来、范家台刑務所は6人の法輪功修煉者を迫害し死亡させた。　

一家は離散し肉親を失い、親族は涙をしながら取材を受けた　

　数年間迫害を受け続けた劉さんの医療費は、親戚中から集めたお金で支払われた。9月7日から14日までの1週間の医療費だけで、すでに1万元を超えた。劉さんがこれほどの状態になったにもかかわらず、地元の関連部門は絶え間なく嫌がらせに来て、転向を認める書面に署名をするよう強要した。　

　中共（中国共産党）の迫害により、幸せだった家庭は無残にも離散させられた。兄・漢朝さんの話によると、地元の共産党書記は2人（劉さん夫婦）を離婚させた。

　劉さんは迫害され死亡した。劉さんの家族と友人は悲しみや義憤を感じ、徹底的に加害者の責任者を追及する意思を固めている。兄の漢朝さんは涙を滲ませながら「人がすでに死んだのです。他の望みはもうありません。国際人権組織が中共を厳重に処罰することを望んでいます。私の願望はこれだけです」と、心境を語った。