文／中国の大法弟子

　【明慧日本2016年11月7日】昨年の11月に年配の同修から電話があり、私の家に来て言うには、大法修煉者の黄さん（元教師）という人がいて、黄さんが言うには、長年商売をしてきた店長も、大法修煉者で大法の恩恵に感謝しており、商売も順調でたくさん儲け、億もの資金を黄さんに預けたというのです。それは、とりわけ生活が苦しい大法弟子を手助けしたい、かつてあのような迫害を受けた同修を助けたいという思いからだと言います。黄さんが言うには、皆さんのお金を自分の所へ預ければ、4分の利息を貰うことが出来るし、お金はいくら預けてもよく、元金は必要に応じて返すというのです。

　黄さんはかつて私の住んでいる市の教師でした。今は定年退職しており、見た目の印象はとても善良で、誠実で、着る物はとても粗末でした。また年配の同修が傍で遊説（ゆうぜい）していたので、私は心が動き、あちこちからお金を寄せ集めて20万元（およそ240万円）を黄さんのところへ預けました。

　今年8月のはじめ、年配の同修から電話があり、黄さんの家に行くように言われました。ある事を相談したいと言います。電話を受けてから私は少し不吉な予感がしましたが行ってみました。年配の同修が言うには、黄さんが失踪し、家人や友達が探しても見つからず、9月になっても依然として見つからないと言います。被害者はすでに警察に届け出て、公安局も立件して調査することになりました。

　この件に関して、私たちのやり方が法に符合していなかったために、経済上の損失をもたらしたのではないかと思い、法に照らしてみました。内に向けて探し、一体どのような心がこの損害を引き起こしたのでしょうか？

　まず財を求め、お金を多く儲け、子供を留学させようとか、自分の努力により子の未来を変えられると思い、この有為の心をさらに強めました。子の運命は既に定められているのに、自分の何らかの努力によって変えることが出来るでしょうか？　師父は既に私たちに教えておられます。成績がずっと良かった2人の子供は、今年、2人とも学校に合格しませんでした。私は依然として悟らず、子供の努力が足りなかったからだと思いました。

　たくさんのお金を稼ごうと思い、世間の安逸な生活を貪ろうとしていました。富貴を享受し、少しでも良い生活を送ろうとして、「人より上」の日々を過ごしたいと思い、片方の手で「神」を離したくなく、もう一方の手はまだ「人」の利益を求める心を放下しようとせずに引きずっていました。

　以前にもある同修がこのような話を持ち掛けてきましたが、当時、私は断りました。それは間違っており、法に符合していないと思いました。しかし、逆に今回は4分の利息を受け取ろうとしたのです。それは金持ちになり、成金になりたいと追求しているのではないでしょうか。どんなに汚れた考えなのでしょう！　なぜ私はまだこんなにも強く引きずっているのでしょうか？　深く掘り下げてみると、やはり財を求めて、享楽を貪ろうとする心を放下できていなかったのです。

　次に、法から学ぶのではなく人を見て学び、大法の要求に照らして間違いかどうかを図っておらず、やはり常人の基準で是非を比較して分析していました。

　以前の私はこの事を拒絶していましたが、なぜ今回、年配の同修が少し言ったぐらいで心が動いたのでしょうか？　なぜなら年配の同修は私の心の中で比較的精進している大法弟子で、三つのことを積極的にしているように見え、敬服していたからです。それは大法をもって量っておらず、人間の情で面子を重んじて警戒を緩めてしまいました。明らかに大法に符合していないところが多くあるのに、資金を投げ入れてしまったのです。

　しかし、私の職場でもこの前、共同出資して株主になれば配当があり、今回よりもマージンが高かったのですが、私はしませんでした。それは本来常人の職場でしたが、今は大法を学んでいる者がしていると聞き、それなら信じられると思って、自分に言い訳をしてごまかすこともできます。たとえ大法を学んだことがあったとしても、師父の要求に従って自分を厳格に修めていなければ、大法弟子とはいえません。まして詐欺師はこんなにも多く、旧勢力は虎視眈々と、常に学習者の執着心をうかがっています。

　実際、私たちの全ては皆師父から賜ったものです。私はその20万元という大法の資源を守れなかったことを非常に後悔しています。もし私が一度でも大法のためにそのお金を使って大法のことを実証していたらどんなに良かったでしょうか。あちこちからお金を寄せ集めたのは、常人の幸福な生活を追求し、子供らにとってさらに良い前途のためにお金を儲けたかったからです。

　師父は「金銭に執着するならば、財を求めて偽って修め、教を壊し、法を壊し、一生を空しく過ごして、佛を修めてはいないのです」[1]と説かれました。自分もこの法を長い間暗唱していましたが、いざという時に法を持って比較できませんでした。そればかりでなく、間違ったことをして大法に泥を塗り、挽回できない損失を引き起こしました。

　その後、私たちは幾人か知っている被害者と連絡して、とても多くの同修がこの中に関わっていたことを知りました。資金は巨大であり、皆孤立した人たちで、お互いに誰かも知らず参与していたのです。私たちは小規模に互いに交流するようになり、状況が分かり、心を落ち着かせて学法しました。また心から切磋琢磨して内に向かって各自の執着を探し、旧勢力の妨害と迫害を否定し、発正念で妨害を取り除きました。

　何度か交流を重ねて、大法弟子の中の動揺を抑えることができ、皆冷静になりました。心を落ち着かせて学法し、内に向かって各自が自分の執着を探すようにし、法を用いて自分を正しました。

　年配の同修も基本を取り戻しました。自責や不満、憤怒する気持ちが淡白になりました。また、真面目に自分の原因を探し、大法に対して責任ある態度になり、物事の経緯を真剣に正しく明らかにし、再び見失うことをせず、このようにして人や事の全てが上手くいくようになりました。

　実際物事は本の中に書いてあり、私たちがその中から見いだせるよう、心を落ち着かせて大法に同化し、一切の全てが良い方向に発展できるよう希望します。師父は「法は一切の執着を打破することができ、一切の邪悪を打破することができ、一切の虚言を排除することができ、法は正念を固めることができるのです」[2]と説かれました。私たちは皆法をもって師とすることができ、真剣に内に向けて探し、自分を正し、物事は最小限の損失に抑え、邪悪による要素と迫害の口実を掴まれないようにすることが肝心です。

　ずっとここまで、真に内に向けて探して来ましたが、まるで心と骨をえぐられるようでした。もし本当に現実の利益を前にして私たちが皆人心を放下し、執着を取り除き、大法に圓容することができれば、それこそ本当の修煉者なのです。

　注：
　[1] 李洪志師父の著作：『精進要旨』「修める者の忌」
　[2] 李洪志師父の著作：『精進要旨二』「妨害を排除せよ」