　【明慧日本2019年12月16日】大連市荘河市の法輪功学習者・鄭徳財さん（84）は、法曹機関に懲役1年6カ月の不当な判決を宣告され、刑務所で酷く迫害された。2019年8月に解放された時には、すでに歩けなくなっており、11月21日に他界した。その際、まだ中国共産党の「十一大」の期間中で、村の幹部と光明山派出所の警官らはまたも鄭さんの自宅に行き、嫌がらせをして家財を押収した。

　鄭さんは2000年に法輪功の無実を伝えるため上京し、陳情した。そのために警官らに殴打され、両耳が聞こえなくなった。息子の鄭永義さんも残忍に迫害されて、精神異常になってしまった（帰宅後は徐々によくなった）。

　2010年2月15日、鄭さんは再び身柄を拘束され、同年7月、秘密裏に懲役3年6カ月の不当な判決を宣告され、大連刑務所に拘禁された。迫害された鄭さんは心臓病、血圧が200mmHgに上がり、大連春柳センター病院に送られたが、ベッドにいた時すらも手枷と足かせを掛けられていた。

　2017年6月23日午前11時ごろ、荘河市光明山鎮派出所の警官ら3人は鄭さん宅に行き、家宅捜索しようとした。鄭さんは「何を捜索しますか？　法輪功学習者は世界で1億人います。私たちは皆法輪功の創始者の教えに従い、良い人になることを目指しています。何を捜索するつもりですか？」と聞いた。警官はドアに貼り付けた対聯（ついれん・門の両脇などに対句を記したものを言う）を剥がすことを要求したが、鄭さんに拒否された。鄭さんが着ていたシャツに「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」の文字があり、警官に写真を撮られた。鄭さんは警官に「この九つの文字は私に、皆さんに、全世界の人に、とても重要です」と伝えた。警官らはまた部屋の中を捜索し、法輪功創始者の写真を探し出した。鄭さんは手元に確保し、「動かないでください。この写真はとても大事です。10年前、派出所の孫学枕がうちに3回来てこの写真を奪いました。私は、悪いことをしたら、悪い報いが来ますよと伝えたが信じず、しばらくした後、孫は突然、死んでしまいました。ですからこのようなことをやめてほしいのです」と忠告した。すると、警官は鄭さんが言ったことを受け入れ帰って行った。

　2017年9月4日、鄭さんは荘河光明山鎮で法輪功の無実を伝えていた時、中国共産党による法輪功への誹謗中傷を信じる人に通報され、不当に連行された。夜7時、鄭さんは留置場に移送され、翌日、警官ら2、3人は鄭さんの家財を押収した。同月15日、鄭さんに逮捕状が発付され、家族はサインをするように要求されたが断った。鄭さんは37日間拘禁されてから健康状態が悪化し、一時出所する形で家に帰らされた。

　2018年3月9日、検察庁の関係者は鄭さんの自宅を訪問した。14日、地元裁判所は家族に電話をかけ、鄭さんに裁判所に行くようにと伝えた。27日、荘河光明山派出所の警官・朱文文はパトカーで、鄭さんの自宅前までやって来て、鄭さんに裁判所へ行き、「法輪功をもう学ばない」という保証書にサインをするよう強要した。そして、「サインしなければ、懲役刑にするぞ」と言い放った。翌日の朝８時、警官・朱文文はまた鄭さんの娘宅に行き、娘と婿を裁判所に連行し、その場で開廷しようとしたが、成功しなかった。鄭さんを座らせ尋問したが、鄭さんは耳が聞こえないため、警官・朱文文は鄭さんの代わりに罪を認めた。それから鄭さんを連れて病院と留置場に行き、身体検査をした。朱文文は「鄭は数日間、拘束される必要がある」と言い、さらに「弁護士を雇ってもいいが、居住は監視される」と言った。

　2018年4月12日午前、荘河市裁判所は鄭さんに対して開廷した。家族が雇った弁護士は鄭さんに無罪弁護をしたが、当日に裁判の結果は宣告されなかった。同年6月11日、家族に荘河留置場へ服を持ってくるようにと知らされた時、初めて鄭さんが荘河市裁判所から懲役1年6カ月の判決を宣告されたことを知った。鄭さんは6月12日に南関嶺新監刑務所に送られたが、身体検査の結果が不合格のため、受け入れを拒否され、荘河留置場に戻された。

　6月14日、80代の鄭さんは南関嶺刑務所に送られた。鄭さんは高血圧、心拍数が速い、咳に血がにじむなどの症状が現れてきた。家族は刑務所に強く抗議して、やっと車椅子に乗っている鄭さんと面会できた。

　2018年8月6日、鄭さんは大連刑務所に移送された。9月13日、家族は面会に行ったが、「転向しない限り、面会はできない」と言われた。

　2019年8月19日、鄭さんは解放されて家に戻った。残酷に迫害された結果、健康状態は悪く、ほぼ歩けなくなっていた。さらに食事を摂ることすらも困難で、拒食症になった。中国共産党の「十一大」の期間中、村の幹部と光明山派出所の警官らは、鄭さん宅の法輪功創始者の写真を押収した。その後、鄭さんは11月21日に他界した。