　【明慧日本2020年8月10日】ある日、子供の絆創膏を買いに自転車で町の保健所に行きました。保健所は役場と同じ通りで隣接しており、役場の中には派出所があります。

　絆創膏を買って保健所から出ると、私の自転車の周りに沢山の人だかりができていて、警官もいるのが見えました。私が真っ直ぐ自転車のところに行くと、１人の警官が「あなたの自転車ですか」と聞いてきました。「はい、そうです」と答えながら自転車を押して行こうとしたら、警官は「自転車にまだステッカーを貼っていませんね。10元の罰金です」と言いました。

　当時、自転車に番号を振ったステッカーを貼らないといけない決まりがありました。私は慌てて絆創膏を買いに家から出てきたため、余分なお金を持っていませんでした。子供が家で絆創膏を待っており、早く帰りたかった私は周りを見まわし、知り合いがいればお金を貸してもらおうと思いました。

　この時、20代の若い警官が「10元は立て替えます。先に家に帰ってください」と言いながら上着から10元を出して渡してくれました。

　周りの野次馬はとても驚いていました。私はこの警官は誰だったか一生懸命思い出そうとしましたが、見覚えがありませんでした。野次馬の１人が「なぜ彼女の分を立て替えて、私の分は立て替えてくれないのですか」と聞きました。警官がいるせいか野次馬も増えてきて、中には果物を買いに来た人がいれば、野菜を買いに来た人もいて、誰もがこの若い警官に注目していました。

　この警官は大声で「彼女にお金を貸したのは、彼女が法輪功修煉者だからです。彼女は真・善・忍を修めており、私は彼女を信用しているのです。彼女は必ず返してくれると保証します」と答えました。

　私は警官にお礼を言うと、彼は「早く家に帰ってください。私はあなたの家に行ったことがあります。あなたのことを覚えているのです。法輪功修煉者たちに私は好印象を持っています。あなたたちの評判は、とてもよいですよ」と言いました。

　私は師父の言葉を思い出しました。「大法弟子自身さえ正しく行っていれば、周囲の環境を変え、人間を変えることができます。あなたは多く話す必要はありません。」[1]

　この警官は大法がどんなものかを理解し、二度と私の家に来ることはありませんでした。

　家に戻ると、すぐに子供に絆創膏を貼り、義父に警官がお金を貸してくれたことを伝えました。義父は「出かける前にまず庭を掃除して。それに夕食を作る時間だ」と言いました。

　しかし私は迷わず「戻ってから夕食を作るから」と言いました。これは大法弟子の評判に関わることでした。大法弟子としての行動の良し悪しが、大法の評判に影響を与えると思いました。私は子供を部屋に残し、10元を持って自転車で町に向かいました。

　遠くから私が自転車に乗ってきたのを見た人が「あの法輪功修煉者が戻って来たよ。本当にお金を返しに来たんだ」と叫んでいました。彼らは私がお金を返しに来るとは信じておらず、私が来るかどうか確かめようと待っていたのです。

　あの警官は皆に振り向き「ほら、ご覧の通り。法輪功修煉者にお金を貸す理由が分かったでしょう。法輪功修煉者は皆、道徳が高く、良い人です。絶対に返してくれると確信があったのです」と言いました。

　警官の話が終わるとすぐ何人かが「法輪功の人はテレビで宣伝されたような人ではない、それはでたらめだ」と言い、また「この町には、こうした良いことが沢山あります。以前は、穀物に土が混ぜられていました。そして書記が上の人を連れて各家を回って穀物を集めに来ていたものです。その後、法輪大法を修煉する人が多くなりました。すると、穀物に土を混ぜたりしなくなっただけでなく、集められる前に自発的に納めるようになったのです。私は法輪功を信用します」と言いました。

　私は10元を警官に返し、お礼を言いました。集まっていた野次馬に「私の師父は私たちに真・善・忍に基づいて自分を律するように教えています。私の師父は、李洪志先生です」と言いました。

　私は、この町に越して来て十年以上が経ちます。警官が私の家に来て「法輪功をまだ続けているのか」と言った時、私は自分自身の体験を話しました。私は彼らが立ち去る前に「今後、危機に直面した時のために『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』を覚えておいてください。家族や親戚にも伝えてください。私たち大法を修煉している者は、あなたとあなたの親族が無事であることを願っています」と言いました。

　警察らは真剣に話を聞き、とても感動していました。彼らの笑顔で、その心の中に善が溶け込んでいるのが分かりました。

　注：
　[1] 李洪志師父の著作：『二〇〇五年サンフランシスコ法会での説法』