　【明慧日本2021年3月29日】河北省邢台市ラジオ放送局の元編集長・陳星伯さん（69歳男性）は2019年11月24日、法輪功を学んでいるとの理由で、邢台市公安局信都区分局の国内安全保衛部門（法輪功迫害の実行機関。以下、国保）の警官に連行された。そして、2020年9月10日、邢台市襄都区裁判所は陳さんに懲役3年の実刑判決を宣告した。

　陳さんは判決に不服を申し立てて控訴したが、2020年12月7日、邢台市中級裁判所に却下され、原判決維持の結果となった。陳さんに対する2回の不当な開廷はともに秘密裏に行われた。

　2021年1月5日、陳さんは河北省冀東分局第四刑務所（河北省唐山刑務所）に収容されたが、その後、消息不明である。

　判決書を下された陳さんは勤務先に公職を解かれ、党籍を除名された。さらに年金など、すべての福利厚生の待遇手当を停止されてしまった。

　それから、2021年1月26日午後、勤め先の上司は数人を連れて、陳さんの妻・孫蘭平のところへ行き、陳さんが留置場に拘禁されている15カ月間、支給された年金8万元を全額、社会保障部門に返納するようにと要求した。孫さんはその要求を拒否したが、「2カ月以内に返さなければ、お前たちの家を競売し、お前の年金も支給停止してやる」と脅迫された。夫のために弁護士を雇ったりするなど、借金した孫さんは夫のことも心配して、毎日涙を流し、健康状態がますます悪くなった。

　定年退職前、陳さんは河北省邢台市ラジオ放送局の編集長で、特集部の副主任を兼ねていた。陳さんは仕事に対して真面目に成し遂げ、数年連続で、「河北省の児童向けの優秀従事者」の称号を得ており、長年にわたり、編集した十数の番組が全国優秀ラジオ番組コンクールで、1位、2位、3位の賞を獲得した。1990年と1994年には、邢台市政府から2度にわたって昇給を受けた。また、市政府は「邢台市に貢献をした傑出の専門家・技術者」という称号を与えられた（政府からの手当を受ける）。陳さんは、新聞やラジオで紹介されただけでなく、「現代作家事典」「世界優秀人材事典」「世界の名人録」など、十数冊の大辞典にも収録されている。

　ポジティブで楽観的な陳さんは、妻から見れば良き夫であり、子供から見れば良き父親である。ある日、陳さんは多くの書類、証明証、100元束が入ったハンドバッグを拾ったが、持ち主の連絡先が分からなかった。それで、陳さんは雨の中で4時間近くもカバンの持ち主を待っていた。カバンの持ち主は非常に感激し、報酬を支払おうとしたが、陳さんに断られた。陳さんは微笑みながら、「今度、持ち物を無くさないように気をつけてください」と言い、名前も言わずに家に帰ったという。　

　法輪功を学ぶ前、長期的に仕事が忙しく、残業ばかりしていた陳さんは疲労が蓄積されて、三尖弁閉鎖不全と右心室の逆流が起こり、心臓肥大、心雑音レベル5を伴う右心不全が発生した。陳さんは常に胸部の不快感を感じ、動悸、全身の浮腫みなどの症状があった。陳さんは妻に「眠ってしまったら、二度と起きられないかもしれない」と、何度も言っていた。陳さんはいくつかの病院で入院して治療を受けたが、一向に治らず、「薬漬け」になって気性も荒くなった。

　しかし、法輪功を学んだ後の陳さんは「真・善・忍」の基準で自分を律し、自分よりも他人を優先するようになった。そして、しばらくして、陳さんの病気が完治し、薬を飲まなくても元気で、謙虚で心が広く、優しい性格に変わった。2005年、勤め先が住宅を配分することで、陳さんは大きい住宅を他の人に譲った。陳さんは「その人が私より、その住宅が必要だから、譲ったのです」と話した。法輪功を学んで、心身ともに健康になり、家庭にも社会にも有益であると、陳さんの身で十分に体現した。

　しかし、中国共産党当局が良い人にも迫害を加える。邢台市公安局信都区分局の国保の大隊長と副大隊長は、自分たちのいわゆる「功績」のため、陳さんを連行することを企んだ。2019年11月24日朝7時過ぎ、陳さんは買い物に出かけたとき、待ち伏せていた国保の警官に連行され、邢台市鋼鉄北路派出所に送られ、尋問を受けた。

　それと同時に、警官十数人が陳さんの家を家宅捜索した。当日の夜、陳さんは邢台市第一留置場に送られた。そして、警官は陳さんを陥れるため、遠く離れている南方にある都市へ行き、陳さんの姉と家族を脅迫して、陳さんに罪を被せるため、いわゆる「証拠」を集めようとした。

　家族が団らんするお正月に、陳さんの妻は借金を背負い、夫が刑務所で臓器狩りの被害に遭うのではないかと心配し、警官と勤め先から嫌がらせを受け、健康状態が悪化した。

　中国の『憲法』、『社会保険法』、『労働法』に基づき、年金は本質的に定年退職者の合法な財産で、受け取るべきで、受刑者の年金を差し引くことは違憲・違法である。