文／孔慶翔　　

　【明慧日本2021年4月28日】（前文に続く）

　四、古代の壁画

　ヨーロッパではすでに350個以上の古代洞窟が発見されています。そこにある壁画は芸術的には非常に優れた水準にあり、その半数近くがフランスにあります。また、アルプス山脈中南部の長い谷間には、数万点にも及ぶ人間による絵画が存在しています。

　フランスのラ・マルシェ洞窟では、ローブとブーツを身につけた人物の絵が155点発見されました。人々はゆったりとしたトップスを着て、帽子をかぶり、首飾りもつけています。これらの絵画は方解石、マンガン亜鉛鉱、マンガン鉱を含む希少なマンガン酸化鉱物由来の顔料で描かれていました。しかし、これらの鉱物はこの地域には存在しないため、顔料がどのように準備され、どのように運ばれてきたのかはまだ分かっていません。発掘が進むにつれ、オリジナル作品の多くはある程度のダメージを受けました。また、ウランの放射性崩壊測定により、洞窟の壁画は少なくとも4万年前に描かれたものであることが判明されました。

　先史時代の壁画の遺跡は世界各地に存在しています。アフリカ南部諸国の岩絵データベースには、少なくとも1万4000個の先史時代の壁画が記録されています。控えめに見積もっても、南部アフリカには5万以上の遺跡があり、200万以上の人物絵画があると言われており、南アフリカのウカランバ・ドラケンスバーグ公園、南アフリカのザム・ハートランド、タンザニアのコンドアの岩絵遺跡群、マラウイのデッザ県中部のチョンゴニの岩絵地域、モザンビークのマニッカ州、ナミビアのトゥウェイフルフォンテーン、ジンバブエのマトボ国立公園、そしてザンビア北部州の州都であるカサマなどがあります。

ヨーロッパにおける岩絵洞窟の分布図

フランスにある洞窟壁画、その一

フランスにある洞窟壁画、その二

アルプス山脈で発見された岩絵

南アフリカの洞窟壁画

　五、古代の原子力発電所

　1972年6月2日、フランスの核燃料再処理工場で、ガボン共和国のオクロ近郊のウラン鉱山で採掘された200kgのウランはすでに精製されたものだと判明しました。核爆弾が作られているのではないかと恐れたフランスの原子力委員会は調査を行いました。最終的には、世界中の研究者や科学者が詳細な調査を行った結果、ガボンのウラン鉱山の近くで20億年前の大型原子炉が6基発見され、少なくとも50万年ほど稼働していたとの結論に至りました。

　この古代の原子炉は、地表水や地下水を利用して核分裂後の中性子を順次調整し、反射させていて、現代の原子炉とは比較にならないほど高度な技術を駆使していました。ノーベル賞を受賞した米国原子力委員会の元委員長、グレン・シーボーグ博士は、ウランが「燃え続ける」ためには、すべての条件が完全に揃っていなければならないと指摘しました。核反応に使用される水は非常に純粋でなければならず、100万分の数％ほどの汚染物質があっても、原子炉を停止させる「毒物」反応を引き起こす可能性があります。このような純粋な水は、世界のどこにも自然には存在していません。そこで、50万年ほど稼働していたガボンのオクロ原子炉が、どのようにしてこのような純粋な水を作り出したのかがもう一つの未解決の謎となりました。また、古代の原子炉の構造設計の合理性も、専門家たちにとって信じられないものでした。科学者の中には、この原子炉の普通を遥かに超える先進さは、20億年前に高度な知的生命体が存在していたことを示唆していると考える者もいます。

ガボン天然原子炉の局部

世界各地の科学者たちが原子炉の跡地を調査している様子

　六、人体は小さな宇宙である

　2020年9月16日、学術雑誌「フロンティアインフィジックス」に、「神経細胞ネットワークと宇宙ウェブの定量的比較」という論文が掲載されました。これは天文学者と神経科学者が手を組み、人間の脳神経細胞ネットワークと宇宙の星系ネットワークを定量的に分析した後の研究論文です。

　研究結果では、人間の脳と宇宙は非常によく似ていることが分かりました。例えば、脳の水分量も、宇宙のダークエネルギーも、それぞれの約75％を占めています。さらに、スペクトル分析、ネットワーク構造のゆらぎの分布、ネットワークノードの情報量など、さまざまな方面での比較の結果、両者はほとんど同じであることも分かりました。下の図は、左側が脳神経細胞の構造であり、右側が宇宙論的大規模構造をスーパーコンピュータでシミュレーションしたものです。

人間の脳神経構造と、宇宙論的大規模構造のシミュレーションの比較

　（画像出典：マーク・ミラー氏、ブランダイス大学、脳神経細胞とその結合の様子（左）：ヴァーゴコンソーシアムのプロジェクト、スーパーコンピューターによる宇宙論的大規模構造のシミュレーション（R））

　（続く）