　【明慧日本2021年10月31日】河北省張家口市沽源県の法輪功学習者・孫樹蘭さん（女性）は、法輪功迫害の実態が書いている紙幣20枚をある学習者に渡したとの理由で、家宅捜索された。2021年10月14日午前、張北県裁判所の７、8人が孫さんの家に行って、孫さんに対して不当な裁判を開廷した。

　法廷で孫さんは「政府は14種類の邪教を認定しましたが、法輪功は含まれていません。『国務院新聞出版総署第50号通達』により、法輪功書籍の出版禁止令を廃止しました。ですから、法輪功を学ぶこと、法輪功の書籍を所持することは違法ではありません」と話し「私はどの法律の実施を破壊しましたか」と聞いた。その場にいる女性裁判官は「そうですね、あなたは確かに法律の実施を破壊していないですね」と認めた。

　弁護士は「当事者は三つの供述の中で、犯罪をしたとは一つも認めていません。三つの供述に当事者のサインもありません。家宅捜索のとき、押収したものを『証拠』としては使えないですね」と述べた。

　公訴人は「孫樹蘭は、ある人に法輪功迫害の実態が書かれた紙幣20枚を渡した。その人の家から押収した法輪功の資料、対句を書いた掛け物、年画は、孫樹蘭からもらったものだ。孫樹蘭の夫は孫樹蘭が重くて古いプリンターを倉庫に運ぶのを見た」と公訴書を読み上げた。

　数日後、20枚の紙幣をもらったと言った学習者に確認したところ、自分の家から押収されたものが孫さんからもらったとは話したことはなかったという。孫さんの夫もその古い機械の話をしたことはなかった。

　この根も葉もないいわゆる「証言」を聞いて、家のベッドに横たわっている孫さんは情緒不安定になり、体が震え出し、呼吸困難になった。

　それで、司法関係者に対して、弁護士は「証言」の信憑性を質疑した。孫さんの義母が「孫樹蘭は法輪功を学ばなければ、すでにこの世にいません。この状態になったのはあなたたちからの脅迫を受けたからです」と言い、義姉は「孫樹蘭は以前、車にぶつけられて3日間起き上がれなかったのですが、相手からは1元も賠償請求をしませんでした。こんな良い人を迫害するのですか？」と言った。その場にいた一部の人が孫さんを直ちに釈放をするようにと要求した。しかし、裁判官は家族に裁判を最後まで受けるように協力を求めたが、家族は拒否した。

　そして、孫さんの息子の嫁が「責任を取ってください」と言ったため、裁判所の人員が救急車を呼んだ。医者がその場で孫さんの血圧を測ったら240mm Hgで、とても危険な状態だと言った。それで、その場にいた司法関係者らは責任を負うことを恐れて、部屋から出て行った。

　孫さんは家族に背負われて救急車に乗った。医者は裁判所の人員に付いて行くようにと言ったが、誰も行かなかった。

　孫さんは県の病院で、血圧が240mm Hgで、心臓にも問題があると診断され、医者から治療する必要があると言われた。しかし、裁判所の人員が誰もいないため、孫さんは帰宅するしかなかった。帰宅した後、孫さんは顔の歪みの症状が現れ、言葉もはっきりと喋れなくなった。

　その後、孫さんのことを相談するため、家族は裁判所の担当者に何度も電話をかけたが、出なかったので、直接会いに行くつもりである。

　事件の経緯

　2019年9月、ある学習者は家族とともに新疆へ旅行に行ったが、列車で所持しているものを検査され、法輪功の真実が書いてある紙幣20枚を見つけられた。その学習者が脅迫されて、孫さんからもらったと告げた。そのため、警官は孫さんの家を家宅捜索し、法輪功書籍、古い『明慧週刊』、古くて壊れたプリンターを押収した。孫さんは身体検査で不合格だったため「保釈」された。地元の警官は、孫さんがあまり学がなく、機械は使えず、体も弱くて機械を運ぶ力がないとわかっていた。

　2021年1月13日、沽源県国内安全保衛部門（法輪功迫害の実行機関）の警官は張北裁判所に手続きをするようと孫さんに通知した。その後、警官は孫さんの家に行き、孫さんの血圧を測ったが270mm Hgだったので、去って行った。　

　2021年1月14日、裁判所の2人が孫さんの家に行き、張北検察庁からの起訴状を孫さんに渡した。孫さんは家宅捜索されてから、警官に従わず、一度もサインしたことはなかったが、家族は圧力の下、孫さんの代わりに「保釈」の延長の通知にサインをした。

　孫さんの健康状態の問題で、家族は張北裁判所に『審理の欠席申請書』を出したが、裁判所側が開廷しなければならないと、同意しなかった。それで、家で裁判することになったのだという。

　（注：法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照）