　【明慧日本2022年5月3日】法輪功学習者（以下、学習者）による1万人規模の陳情から23周年を迎えた4月25日、香港の学習者は記念する横断幕を掲げ、「4.25」平和陳情は歴史的意義があり、これは大きな出来事だと述べた。学習者は平和的かつ理性的な反迫害の道徳的勇気を示している。

横断幕を掲げる香港の学習者たち

　2020年までは毎年、香港の学習者は「4.25」のパレードや集会を開催していた。今年は、政府の「集会人数制限」により公共の場での集まりは最大4人までと制限され、学習者は2～4人で一つのグループになり記念活動を行った。彼らが掲げた横断幕には「学習者4.25の1万人平和陳情23周年を記念する」、「真・善・忍を堅持し、道徳の石碑を建てる」と書かれている。

　横断幕を持つ周さんは、1999年4月、広東省深圳市で天津市公安局が学習者を不当逮捕したと聞き、自分も北京に陳情に行こうとしたが、4月25日に1万人の学習者が陳情し、天津の学習者が解放されたと知った。当時の共産党総書記・江沢民が法輪功を迫害し始めた後、周さんは同年11月に北京の天安門広場で「法輪大法は正法である」という横断幕を掲げ、その場で公安に逮捕され、翌日、香港に強制送還されたという。

　「4.25」平和陳情の背景

　「4.25」平和陳情は、1999年4月11日、当時の中国共産党（以下、中共）政法委書記・羅幹の義弟で、中共科学院の学者である何祚庥が、天津教育学院の雑誌『青少年博覧』に法輪功を誹謗中傷する記事を書いたことが発端である。天津の一部の学習者は、翌日から数日続けて、天津教育学院に行き、不正確な報道内容の訂正を求めた。4月23日と24日、天津市公安は突然機動隊を動員し、学習者45人を殴打し、逮捕した。学習者が天津市公安局に釈放を求めたところ、「問題を解決するためには、北京に行けば解決できる」と告げられた。

　4月25日、1万人の学習者が自発的に中南海の国務院陳情所に行き、天津で逮捕された学習者の釈放を当局に要求した。彼らは警官の指示に従って歩道に並び、煉功をする学習者、本を読む学習者がいて、その場面は静かで穏やかであった。当時、中共国務院の朱鎔基首相が中南海から出てきて学習者と対話し、そして学習者の代表を陳情所に招き、事情を確認した。朱鎔基首相は学習者の要求に応じ、逮捕された学習者はすぐに解放した。陳情に来た学習者はその日の夜に立ち去り、自発的に掃除を行い、すべてのゴミを持ち帰った。

　しかし、当時の中共総書記・江沢民は、学習者が「中南海を包囲攻撃した」と決め付け、法輪功への残酷な迫害を開始し、今もなお迫害は続いている。

　学習者「『4.25』は道徳的勇気を示し、人々を目覚めさせる」

　周さんは、一部の香港人は中共のプロパガンダの虚言を誤って信じているという。彼女は、「学習者は政府に反対しているのではなく、政府に自分の意見を反映するだけであり、政府が学習者の要求を受け入れると、学習者はすぐに立ち去りました」、「不当な扱いを受けた人が発言するのは許されるべきで、これは正当な行為ですが、しかし、中共の支配下での発言は許されないのです」

　周さんは、「4.25」の陳情から、共産党、共青団、少年先鋒隊からの脱退、三退の大ブームまで、学習者は常に平和的かつ理性的に迫害に反対し、人々の良知を呼び覚ましたという。「法輪功は、真、善、忍の理念を提唱しています。真とは、真実を話し、真実のことを行い、真人になることであり、善とは、善を持って衆生に接し、忍とは、殴られても殴り返さず、罵られてもやり返さないことです」、「法輪功は、無数の人々の体を健康にし、家庭を円満にし、道徳を向上させ、人生を幸福にしています。いかなる国や民族にとっても、百利あって一害なしなのです」と話した。

　横断幕を持つもう一人の学習者・呉さんは、「一国二制度」の香港で、中国本土で迫害されている学習者に声援を送って欲しいと願い、中共による法輪功への迫害に人々の関心を呼び起こしたいと考えている。呉さんは、「今、社会は激動していますが、もし、みんなが真・善・忍に従って行動できれば、世界はどれほど良くなるでしょう！　人々に法輪功を知ってもらい、法輪功の著書『轉法輪』を読み、この混乱な時代に浄土を見出すことを心から願っています」と話した。

　周さんによると、「4.25」の陳情は1989年の民主化運動以来、中国で最大の集団陳情であり、最終的には政府が国民の要求に応じて平和的に解決し、国際社会に注目されたという。