　【明慧日本2023年4月21日】（明慧記者・王英）米司法省は4月17日、中国共産党（以下、中共）当局の指示により米国内の法輪功学習者（以下、学習者）や反体制派を脅迫した罪に問われていた、中共工作員2人を逮捕したと発表した。

4月17日、米国司法省のデービッド・ニューマン主席司法次官補代理は、中共工作員2人を逮捕したと発表（米国司法省）

　起訴状によると、ニューヨーク州ブロンクスに住む中共工作員・盧建旺（61）と、ニューヨーク州マンハッタンに住む工作員・陳金平（59）は、福州市公安局の代理としてニューヨークで中共の「秘密警察署」を運営していたという。

　この「秘密警察署」は2022年2月に設立され、学習者や世界各地の反体制派に対する「国境をまたぐ抑圧」を実行することを目的としている。

　ニューヨーク東部地区の連邦検察官であるブレオン・ピース氏は17日に行った記者会見で、「被告の盧建旺と陳金平は、今朝ニューヨークの自宅で逮捕された。被告らは、中国（中共）政府警察の代わりに、マンハッタンのチャイナタウンで福州華僑警察署の支部を設置することを共謀した罪に問われている」と述べた。

　ピース検事は、「中共政権の指示による被告の行動は、米国の主権に対する公然な侵害である。FBIの捜査と逮捕により、被告の責任を追及するほか、私たちが国家主権に対する脅威を容認できないことを、中共の公安部も知ることになるはずだ」と述べた。

17日、出廷した後に連邦裁判所から出てきた中共工作員・盧建旺（右2）（新唐人テレビ）

　起訴状によると、指示を受けた中共の工作員が、米国の新聞に法輪功を中傷する記事を掲載し、個人情報を集め、法輪功の活動を標的に妨害するようお金を払って人を雇ったという。起訴状はまた、中共工作員による法輪功へのネット上の攻撃についても詳述している。

　起訴状によると、2人は少なくとも2015年から、ワシントンD.C.で中共に抗議する学習者に嫌がらせをしたり、中共政権にとって魅力のある人物を探したりして、中共政府に協力してきた。

2015年の習近平の訪米後、中共公安部から扁額を授与された盧建旺（右）（起訴状のスクリーンショット)

　盧建旺はFBIの尋問を受けた時、2015年に習近平が米国を訪問した際、ある同郷協会の会長とそれぞれ15人をワシントンD.C.に派遣し、学習者の平和請願活動に嫌がらせをはたらき、旗で学習者の横断幕をかぶせたことを認めた。妨害事件のあと、盧建旺は中共公安部から扁額を授与された。ビザの資料によると、受賞式で盧建旺に「栄誉証書」を贈った中国側の関係者は、当時の公安部の副部長であったことが判明した。

　法輪大法情報センターの執行主任レヴィ・ブロード氏は、「米国で学習者を迫害する中共官員に対して法的措置が取られることは意義深く、鼓舞させられることです」と述べた。

　同氏は「中共官員によるこれらの疑惑の行為は、氷山の一角に過ぎません。23年間、米国の学習者は、中共による殺しの脅迫、人身攻撃、家宅侵入、ネット上での嫌がらせを受けていました。また、学習者は大学のキャンパスで嫌がらせを受け、会社の経営や生活に支障をきたし、中国にいる親族が脅迫されるなどの様々な被害を受けてきました。これらはすべて中共の指示のもとで行われたものです」と述べた。

　起訴状はさらに、中国公安部の「国境をまたぐ抑圧」に関与する盧建旺のスケジュールを記録している。これらの行動は、ニューヨークとワシントンD.C.の学習者を特に標的としたもので、法輪功迫害を担当する610弁公室の前責任者からの指示で行われた。

　中共当局は、盧建旺と陳金平およびもう一人の共謀者に対し、中共公安部が指名手配している米国に在住の中国人を探すよう命じた。また、盧建旺は「新聞に法輪功を中傷する記事を掲載する」ことを指示され、陳金平は中共当局と協力して学習者を監視していた。彼らの後ろにいる公安部ナンバー3の高官は、傅政華あるいは黄明（当時610弁公室の責任者）である可能性が高い。

　起訴状には、「米国務省の2021年国際宗教自由報告書によると、『中共は法輪功を排除するために、法律を凌駕し、党が運営する治安組織を維持し、嫌がらせや監禁などの方法を用いている』」と書かれている。

　「中共による学習者や他の被害者に対する国境をまたぐ抑圧は、長期的な問題です。学習者を攻撃し、監視した者に対して、米国政府がさらなる行動を起こすことを期待しています」と、ブロード氏は述べた。