文／中国の大法弟子　　

　【明慧日本2023年4月27日】この機会を借りて、私がどのように多くの人の前で、海がひっくり返ったような15分間の中をどのように修煉したのか、体験談を同修達と分かち合いたいと思います。法に則っていない所があれば、同修達の慈悲なる是正をお願いします。

　あれは2005年のある日、私たちの地区で、幾つかの連絡事項を協調するために、日程を決めて交流することになりました。当時多くの同修が来て、知っている人も知らない人もいて、部屋は満員でした。その中には、身体に病業の妨害が重い同修がいて、長い間どのように修煉したら良いか、どうすれば良いか分からない状態でした。私は最後に到着したので、部屋に座る場所がなく、心の中で「わあ、こんなにたくさんの人がいる」と思いましたが、入り口のそばにある小さなベットの隅に座りました。ちょうど病業の仮相がある同修の正面になりました。

　私が座ってからまもなく、同修が「始めましょう、まずは正念を発します(以下、発正念)」と言うので、皆は足を組んで発正念の準備をしている時、その同修が顔を上げて私に（私たちはとても近い距離にいた）「この正念はどのように発するのですか、何を言えばいいのですか？」と聞いてきました。彼女はとても焦っている様子だったので、私は小さな声で彼女に「意念の中の自分の……」と言った瞬間、驚くような大きな声で叱責されました。「話をしてはいけません」。その声で何人かの同修は驚き、私も例外ではなく、一気に組んでいた足が落ちて、驚きのあまり呆気にとられました。この時、全ての同修が、彼と私の方を向きました。部屋全体が突然、非常に緊張した状態に一変しました。私はどうしたらいいか分からず、頭が真っ白になり、顔は白くなったり赤くなったりして、部屋にいる同修を見まわしました。何も言わず、うつむいて、足を組んで続けて発正念をしました。

　15分間の発正念の中で、私は未曾有の衝撃を受けたようでした。頭がぼーっとして、耳まで赤くなり、全ての細胞が震え、まるで潮水が思考に流れて頭に充満したようで、面目なく、死ぬほど恥ずかしく、どう形容するのか分からないほど、とてもバツが悪く、不自由で、穴があったら入りたいような気持ちになり、こんなにも多くの同修の前で面子を潰され、辱しめが頂点に達しました。目に涙を浮かべて、どのようにここにいればいいのか、このとき強烈な思考が浮かびました。「早く家に帰ろう。早くここから離れよう。最初から来るべきではなかった。早く帰ろう」。その時また一つの思考が言いました。「行く？　どこに行くの？　もともと遅く来た上、発生念の時、同修と話しをして、私が帰ったら同修達はどう思いますか。私は帰ってはいけません」。このように帰ることも、帰らないことも思い通りにならず、最後に歯を食いしばって、腹をくくりました。

　私は、師父の一節の法を思い出しました。「『街を歩いていて不意に誰かに蹴られた時、まわりに知っている人がいなければ我慢できる』と言う人がいます。それではまだ不十分だ、とわたしは言いたいのです。あなたが最も面子メンツを失いたくない人の前で、誰かがあなたに平手打ちを食らわして、恥をかかすようなことが将来起きるかも知れません。果してあなたはそれにどう対処しますか。果して耐えられるかどうか。一応は耐えられたとしても、内心では落ちつかないようでしたら、それでも駄目です」[1]

　ここまで考えて、私は師父にお伺いしました。「師父、私はこの顔を見せたくありません。まさに名利の情ではありませんか！　私はいりません。全て師父の言われることに従います」。この一念が出た瞬間、まるで別の人に生まれ変わったかのように、私の大脳に何の思考も無くなり、とても落ち着きました。（実際、数年うまく修煉が出来ていないので、今思うと、そのとき最後の一念で正念を選択したのです。その瞬間、師父は私の全ての人心、各種の観念、大脳からの良くない物質を全て取り除いて下さったのです）

　このとき、発正念も終わりました。しかし誰一人喋る人はいませんでした。同修達は皆私を見ていましたが、このとき私の心は穏やかになっていました。私は両手を合掌して、ゆっくり胸の前に持って行き、満面の笑みで、誠意をもって同修達に言いました。「皆さん申し訳ありませんでした。皆さんのことを考えていなかったため、私が間違っていました。皆さん許してください」。言い終わらないうちに、先ほどの同修が「これはあなたのせいではありません。私があなたに言わせたのです」と言いました。別な同修も「そうですよ、あなたの間違いではありません。あなたは何に謝っているのですか？」と言い、また他の同修が「彼も無意識にしたことです」と言いました。皆の意見が出る中、私は急いで「分かりました。皆さん、ここまでにしましょう。私はもう大丈夫です。今から私たちは、法を学びましょう（以下、学法）」と言いました。このようにして一段落しました。

　その日交流会が終えてから、同修達はそれぞれ帰宅し、残り5～6人になったとき、その男性同修が私の前に来て、「今日はごめんなさい、少し失態しました。気にしないでください」と言いました。私は「大丈夫です。私はあなたに感謝しています」と答えました。こうにして私達は家へ帰りました。

　帰り道、私はずっと今日起きたことを一つ一つ考えていました。十字路まできたとき、突然、頭上から澄んだ声が聞こえてきました。「封塵を払い除けて、良し悪しを見る」[2]。私は声のする方向に向かって「ああ！　師父、これは師父の法ではないですか。師父！」と言いました。私は素早く十字路まで行って、心臓が飛び出しそうなくらい感動し、涙が溢れました。心の中で絶えず「師父ありがとうございます、師父ありがとうございます、師父ありがとうございます」と、言い続けて家に帰りました。長い時間経ってから落ち着きました。

　その夜、夢を見ました。夢の中で、私は砂浜を歩いていて、砂の粒は大きく、白く、銀色に光っていました。突然、目の前に大きな山のようなものが現れ、表面は一層の赤い皮で覆われており、近づいてよく見てみると、なんと大量の落花生でした。私が身をかがめて息を吹きかけたら、それらの皮は一瞬で消え、白くなり、大きくて太くて、炒めたピーナッツになりました。ひとつかみ掴んで口に押し込んで、夢から覚めてもまだ口の中で咀嚼しているようでした。そのとき悟ったのは、私は昇華した、師父が私を励まして下さったのです！

　私が深く感じたのは、学法の重要さです。もし私に学法の基礎がなければ、師父のご加持がなければ、私の性格では、この関を乗り越えられなかったでしょう。ですから、どんな突然な状況に遭遇しても、あなたが法の中にいて、師父を信じ法を信じれば、苦をなめることが出来、耐えることが出来ます。人を選択するか、神を選択するか、必ず使命に恥ないようにするべきです。

　注：
　[1] 李洪志師父の著作：『轉法輪』
　[2] 李洪志師父の詩：『洪吟二』「下塵」

　（責任編集：李明）