文／中国の大法弟子・静蓮

　【明慧日本2023年9月2日】明慧ネットの「5.13世界法輪大法デー応募原稿」の時期がやって来た時に書いた、個人的な体験を皆さんと共有したいと思います。

　1994年の夏休み、私は法輪大法と出会いました。『法輪功』は私が初めて読んだ法輪大法の書籍です。当時、私は高校生で、とても単純な心でしたが「もし、私が法輪大法の『真・善・忍』の基準に従って、周りの人や物事に接することができれば」と強く願っていました。

　あっという間に29年が過ぎ、私は中年になりました。師父の慈悲のご加護のもと、私は多くのことを経験し、成長してきました。その過程で、様々な人生の味を嘗めました。ここで、2008年に私が幼稚園の先生になったとき、幼稚園の子どもたちとのエピソードを紹介したいと思います。

　私がいた幼稚園は全寮制で、子どもたちは月曜日の朝に入園し、金曜日の午後に親たちが迎えにきて、帰宅するのです。保護者の中には、仕事が忙しくて子どもの面倒を見ることができず商売をしている親がいれば、仕事の都合で平日に子どもの面倒を見ることができない一人親家庭もいて、また、子どもに自立する能力を鍛えさせようという親もいました。

　この幼稚園に来た当初、私は年中組に配属されました。初めて4、5歳児と一緒にいると、子どもたちがかわいそうに思えました。こんな幼いのに一週間も親と離れるからです。私は「この子たちの面倒をよく見なければならない」と思いました。

　しかし、子どもたちとしばらく過ごしてみると、やんちゃで遊び好きで、言うことをきかないのがこの年頃の子どもたちの特徴で、男の子のほうが顕著であることに気づきました。先生たちはしばしば怒鳴ったり、罰を与えたり、教壇を教鞭棒で叩いたり、脅したりすることで、子どもたちは暫くは大人しくなりますが、いつの間にかいつも通りに戻ってしまいます。1日の終わりには、先生たちは喉が痛くなり、心も疲れてしまいました。

　幼稚園の先生にとって、最大の悩みは子どもたちの昼寝でした。広い部屋にたくさんの子どもがいて、寝ている子と寝ていない子が互いに邪魔し合っていました。当直の先生はサーチライトのようにあちらこちらを見渡し、こちら側の子どもたちを落ち着かせたところで、向こう側からまた笑い声が聞こえ、とても管理しきれず、怒りたいような笑いたいような気持ちになるしかなかったのです。

　大多数の先生は、子どもたちに早く昼寝してもらい、昼に少しでも静かに過ごせる時間を増やしたいので、昼食が終わってすぐ昼寝の準備をさせ、トイレに行くように子どもたちを促すことにしました。私と一緒に昼寝の当番をする先生は、毎日お昼に帰宅しなければならないので、30人分の昼寝を私1人で世話をしなくてはなりませんでした。本当に不安でした。

　子どもたちがお昼ご飯を食べてから昼寝をする間に、少し時間が必要だと気づきました。「何かいい解決策はないだろうか？」と思ったとき、明慧ネットの「童話集」が頭に浮かびました。「そうだ、その童話集の物語を読んであげよう」と思いつきました。

　それ以来、私は毎日、子供たちがベッドに入った後に短い物語を話してあげました。子供たちは静かに耳を傾け、私が話し終わると、寝てしまいました。

　「童話集」に収められている話はどれも、子どもたちが真・善・忍をもって周囲の人や物事に接するような話なのです。子どもたちはその物語の恩恵を大いに受けました。ある日、園児が「先生、どうして先生のお話はこんなにたくさんあって、こんなにいいお話ばかりなの！」と大声で聞きました。私は、子供たちに物語の由来と大法のことを話し「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」という心からの九文字を教え、忘れないようにと言いました。

　私の話が終わるとすぐに、ある子供が「先生、とてもきれいだわ！」と叫びました。私は、これらの生命が大法を聞いたことへの喜びと感謝であることを知っており、涙がこぼれそうになって「みんなも、真・善・忍に従う良い子だ！」と褒めました。

　ある日、子どもたちが夕食を終え、教室で自由活動をしているとき、私がピアノを弾くと、みんな集まってきました。子どもたちがピアノを弾くのを見たがるので、少し遠くに立っている子たちは手でピアノを触りながら見ていました。子どもたちに詰め寄られて、うまく弾けなかったので、私は「もういいや、授業中に弾こう」と思いました。そして、ピアノの蓋を閉めたとたん「あっ」という悲鳴が聞こえました。ピアノのそばに立って、右手で左手をぎゅっと握りしめ、涙を流している穎ちゃんの顔が見えました。

　私は、ピアノの蓋を閉めるときに穎ちゃんの手を挟んでしまったことに気づきました。慌てて穎ちゃんの手を見て、触りながら「本当にごめんね、痛い？」と聞きました。穎ちゃんは「ピアノの鍵盤を触ってはいけなかったのに私が触ったから、先生のせいじゃないわ。我慢できる」と答えました。私はとても感動しました。穎ちゃんはすでに、真・善・忍に従って他人との接し方がわかったのだと思いました。

　私は子どもたちに「あなたたちは皆、真・善・忍に従う良い子だから、今後、何か辛いことや悲しいことに遭ったら、心の中で『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』と唱えることを忘れないでね。そうすれば、必ず耐えられるよ」と言いました。その時、穎ちゃんは左手を上げて「先生、私の手を見て。もう赤くないよ、痛くもないの」と言いました。子どもたちは皆、微笑みました。　

　子どもたちは本当に単純で可愛くて、勉強熱心でした。明慧の物語を聞いてからは、食べ物や果物に好き嫌いがなくなり、食べ物も果物も大切にするべきだとわかるようになりました。遊ぶときはおもちゃの取り合いもせず、譲り合うことができました。さらに、助けを必要としている子を見ると、手伝ってあげることができました。授業中はみんな先生の話をよく聞くようになりました。というのは、子どもたちがみんな、褒められる良い子になりたいからです。

　明慧の童話集を聞きながら、日々成長していく子どもたちを見ていると、彼らの明るい未来が見えてくるようで、私はそれを教案集のメモに書き留めました。金曜日の午後、定例の幼稚園の先生たちとミーティングをするとき、園長が私のメモの感想文を読みあげました。園長は「真・善・忍の力は素晴らしいです。教師にも子どもたちにも幸せをもたらします！　みんなもこのようにやってみてください！」と話しました。　

　法輪大法が迫害されている中、園長がこのように話したことに感動しました。「法輪大法は私の心の中で暖かく、明るく輝いています。法輪大法は、私に真・善・忍を学ばせ、善良な人間になることを教えてくれました」という歌の歌詞にピッタリ合います。