　【明慧日本2023年12月7日】（明慧記者・文穎）オーストリア最大の新聞である『クローネン・ツァイトゥング』（『クローネ』として知られている）は10月27日、「数十億ドルビジネスとしての生体臓器摘出」と題するオンライン・レポートを掲載し、中国共産党（以下、中共）が法輪功学習者（以下、学習者）の臓器を生きたまま摘出している犯罪行為を暴いた。同紙はまた、人権弁護士デービッド・マタス氏の言葉を引用して、オーストリアに対し、「中国（中共）の共犯者にならないで」と呼びかけた。『クローネ』はオーストリアで最も発行部数の多い日刊紙で、170万人以上の読者を持つ。

オーストリアの新聞『クローネン・ツァイトゥング』が、「数十億ドルビジネスとしての生体臓器摘出」と題するオンライン・レポートを発表した（ウェブサイトのスクリーンショット）

　記事はまず、中国政府が公表している臓器移植のデータと、独立した調査によってまとめられた調査結果との間に大きな食い違いがあることを指摘し、カナダの人権弁護士デービッド・マタス氏の言葉を引用した。「初期の調査では、移植件数が（中共政府が発表した）年間1万件ではなく、6万件であることが分かった。その後、その数字はもはや6万ではなく、10万に上った」

　そして記事は、強制臓器摘出に反対する医師団（DAFOH）の2023年特別報告を次のように引用し、移植臓器の出所に関する中共の声明に疑問を投げかけた。中国政府は、「すべての臓器は寄付によるものだ」と主張している。関係部署に臓器提供率の低さと移植件数の多さの不一致について説明を求めると、事故によって得られた臓器もあると聞かされるだろう。マタス氏は「臓器移植は計画できるが、事故は計画できないものだ」と反論した。

　記事はまた、中国政権の「臓器は処刑された囚人のものだ」という別の主張についても疑問を呈し、マタス氏の見解を引用した。「中国の囚人にはB型肝炎が多く、臓器提供を妨げている。また、中国に対する世界的な死刑廃止の圧力も、死刑判決を下すことをより困難にしている」

　記事は、中共が学習者を臓器供給源とみなしていることを明確に指摘している。「マタス氏が言ったように、法輪功学習者は数で言えば最大の被害者グループである。1999年には、1億人もの人々がこの修煉団体に属していた。学習者のほとんどは非常に健康で、全国各地に分布している。法輪功（学習者の臓器）は『金鉱石』であり、新たな『収入源』である。臓器移植は中国で数十億ドル規模のビジネスになっている」

　経済的利益だけでなく、記事は中共が学習者を迫害する政治的な理由についても分析した。「迫害には、政治的な動機もあった。この組織は非常に人気があるが、共産主義組織ではない」

　そして、記事はマタス氏の言葉を引用し、オーストリアに対して中共の共犯者にならないよう呼びかけ、「オーストリア人が中国（中共）の共犯者になりたくないのであれば、自国民が臓器移植のために中国に行くことを禁止しなければならない」と述べた。

　最後に記事は、法案を成立させることの重要性も指摘した。2015年、オーストリアはEUの臓器売買禁止条約に署名した。マタス氏によると、「この協定は各国に臓器売買の共謀を犯罪とする法律の制定を義務づけている。しかし、この協定はオーストリア議会で承認されていない。オーストリアがこの法律を可決すれば、国民は合法的に中国に臓器移植を受けに行くことができなくなる」。マタス氏によれば、このような法律を制定している国は現在20カ国あるが、「世界には193カ国があるので、道のりはまだ長い」という。