——拘置所での三十数日間

文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年4月20日】私の地域のある同修は、警察に長い間監視されていました。それによって、周りの多くの同修が迫害され、私も看守所（日本でいう拘置所）に連行され、釈放されるまで30日以上過ごしました。

　拘置所に入ったばかりの頃、私は非常に状態が悪く、考えが乱れ、正念を発するときも自分の正念が弱々しく力がないと感じました。法を暗唱しようとしても何を暗唱すればよいか思い出せませんでした。幸いなことに、その時はすでに夜でしたので、拘置所の規則で夜休む間に、全員が交代で当番をすることになっていました。私はその当番の時間を利用して『転法輪』を暗唱しました。

　『転法輪』は半分弱ほど暗記できる状態でした。その夜、私は第六講を暗唱しました。暗唱した後、頭がすっきりしてきて徐々に正念を持つようになってきました。その日から私は法を暗唱し、正念を発し、この迫害について、いくつかの問題を考えてみました。その間、師父の加護と啓示を明確に感じることが度々ありました。

　ここでは、拘置所での反省と悟りを書き出し、同修の皆さんと交流したいと思います。

　一、内に向かって探し、得られた反省と教訓

　1、修煉には自分自身と向き合う勇気が必要であり、自分を欺いてはならない

　拘置所の初日の夜、私は法を暗唱した後、自分自身の不足を細かく探し始めました。この期間、色欲の念が時々浮かんでいましたが、真剣に取り除こうとはしませんでした。後になって、それが旧勢力の按排を根本的に否定していないことだと気づき、この点については後ほど交流します。

　さらに、私は普段、少し偏食気味で、朝寝坊が好きで、進んで煉功をしようとしません。仕事でWeChatを使わなければならないので、仕事の合間にもよく閲覧したり、疲れた時には映画を見たりしていました。技術フォーラムで技術を学ぶ際に難しい問題に合うと、新唐人の番組を見ることで気分転換を図り、「党文化に惑わされないように、正常な社会の人々がこれらのことをどう見ているのかを見てみよう」と自分に言い訳していた、等々があります。要するに、このように修煉という点ではあまりにものんびりしすぎていたのです。

　修煉者として、自分自身の怠惰から生じた業力、特に色欲心から生じた業力について自分で向き合うべきではないでしょうか。師父にご負担いただくわけにはいきません。常人から見れば拘置所での生活は苦しいものですが、私は苦しみとは感じませんでした。自分が負担すべきものは自分で負担し、負担すべきでないものは正念を発して否定します。

　さらに考えてみると、実際には普段からいくつかの問題が間違っていると気づいていたものの、毎回それをやり過ごしていました。率直に言えば、それらの問題と向き合いたくなかったのです。例えば、天地行フォーラムで技術を学ぶ際、明らかに退屈で心が静かにできない状態でしたが、内に向かって探すべきであり、このような落ち着かない浮ついた感情は取り除くべき人心であるはずです。しかし私はそれを回避し、代わりに動画を見ることでその浮ついた感情を和らげました。これは実際に問題から逃げている行為です。

　また、同修の技術的な問題を解決するのを手伝うとき、いつもこんな考えが浮かびます。「同修の技術的な問題を解決した後、彼らは小冊子を印刷し、人々へ救いに出かける。そうなると、彼が救う人々の中には、私の分け前も含まれる」。しかし、このような考えはいつも一瞬で消え去り、私は決してそれを捉える勇気もありませんでした。なぜなら、この考えがあまりにも悪いと感じているからです。

　今、自分自身が非常に愚かだったと感じています。自分自身をごまかしても師父や神々をごまかすことはできません。自分をごまかして何になるのでしょうか？　人心は人心であり、それと向き合う勇気が必要です。「真・善・忍」が基準であり、どんな理由や言い訳を言う必要もなく、この基準に合わないものはすべてダメで、この基準で測るべきなのです。それなのになぜ自分をごまかし、逃げるのでしょうか？

　2. 邪悪な迫害を否定するとは何か

　事例1

　以前述べたように、迫害が始まる少し前から色欲の考えが浮かんでいましたが、それを真剣に取り除こうとはしませんでした。警察が家に押し入った際、「これは自分の人心が鬼を呼び寄せた結果だ」と思い、自分が間違ったことを認め、内に向かって探すべきだと考えました。私が間違ったことで、邪悪な旧勢力に迫害の口実を与えることになりました。私は、邪悪な迫害を打ち破るだけの正念がないと感じているので、堂々とこの邪悪な迫害を否定することができず、ただひたすら「すべて師父に決定権がある」と絶えず念じていました。しかし、この「すべて師父に決定権がある」という考えは、自分ではどうすることもできなくなり、仕方なく『師父、どうぞお任せします』という無力さから生じたものでした。

　後になって気づいたのは、「大法弟子に人心がある」という口実で大法弟子が牢屋に入れられるように仕組んだのは誰なのでしょうか？　師父がおっしゃったようにそれは旧勢力が仕組んだことなのです！　確かに私たちには人心がありますが、牢屋で法を学べない状況で、向上できるのでしょうか？　それはあり得ません。なぜなら、修煉者の向上はすべて法に基づいているからです。ただ苦しみに耐えることで修煉するのは、小道の修煉法になってしまうのではないですか？　師父は私たちに警察の迫害を通じて修煉を向上させるような道を按排したことはありません。このような方法は旧勢力が行ったものです。師父には私たちを歩ませる別の道があります。

　さらに、大法弟子を牢屋に送ることで、関係する公検法司（公安、検察、法律、司法の職員）が罪を犯し、大法が迫害されるという恐ろしい状況を作り出しました。これは、大法弟子の家族や友人などが大法の良さを知ることに悪い影響を与え、衆生の救い済度を妨げる重大なことではないでしょうか。

　これは旧勢力の考え方であり、個人の修煉を非常に重視し、師父の法を正すことや衆生を済度することよりも重んじています。しかし、私はこの点を否定していませんでした。その時、もっと自信を持って師父に「必ずここを突破して抜け出し、絶対に迫害を受けない、家に戻ってしっかりと法を学び、内に向かって探せば、同じように法に照らして正すことができます」とお願いすべきでした。

　実際のところ、私はずっと「あの日、警察は私を拘留場の中に送るつもりはなかったのですが、いろいろな原因が重なり合い、結局自分自身で自分を送り込んでしまったのです。その中で特に重要な原因の一つは、私自身が邪悪の手配を認めてしまったことです」と感じていました。私は「邪悪が私を迫害することを絶対に許さない」という明確な願望を持っていませんでした。それはまるで、邪悪が同修を殴っている時に、同修が「お母さん、お母さん」と叫んでいるようなもので、師父が助けたいと思っても助けられない状況と同じでした。

　事例2

　ある日、一緒に拘束されている常人と保釈金について話しました。その人は「誰も保釈金を取り戻す勇気はなく、もし要求すれば、警察がその人を再び連行し、再度保釈金を作る理由を見つけるだけだ」と言いました。私と同修はこの機会に、邪悪な党の法律はただの紙切れ同然だという話をしました。しばらく話した後、同修Aさんが「保釈金は返してもらわない方がいい、『明慧ネット』で警察が保釈金返還を口実に同修を拘束した事例が報告されていると言いました。私はそれについて「それでは邪悪を認めたことになる」と反論しましたが、Aさんは「迫害されないためには保釈金は諦めるべきだ」と主張しました。

　また、Aさんは私たちが拘置所に送られたとき、健康診断とPCR検査の費用は自分たちで払わなければならなかったとも言いました。私は、警察が払うと言っていたと答えました。Aさんは「警察の言葉を信じるのですか？」と言いました。私は「なぜ信じないのですか？　彼らは私を迫害したので、私が補償を望まないのはいいとして、私に金を払えというのですか？　私は一銭も出しません」と言いました。Aさんは聞く耳を持ちませんでした。そのような状況で、私たちは深い交流をすることができませんでした。

　私はまた、同修Bさんのことを思い出しました。彼は法輪功を学んでいるがゆえに村から年金を差し押さえられました。しかし、Bさんはそれを取り戻そうとしませんでした。彼にとって、それは徳を積むことの代償と考えたからです。では、自分の生活はどうするのでしょうか？　Bさんの言葉によれば、「師父が私たちを飢えさせるはずがない」ということでした。

　私の考えでは、BさんやAさんの行動は、邪悪を認めてしまっていることになります。それは、さまざまな理由、あるいは大部分は恐怖心のためです。お金を取り戻しに行くことで逆に迫害されることを恐れ、遠く離れて避けています。しかし、私たちはこのような道を未来に残してよいのでしょうか？

　別の観点から見て、もし常人がこのような理由で私たちの財産を差し押さえたら、それは大法弟子への迫害ではないでしょうか？　それは大きな罪を犯したことになるでしょう。衆生を済度するという視点からも、このような行為は許されるべきではありません。相手がお金を返してくれるかどうかは相手の問題であり、私たちが要求したからといって必ずしも取り戻せるわけではありません。しかし、私たちの考えの中でそれを認めたり黙認したりすることは、私たち自身の修煉の道を正しく歩んでいないことを意味します。このような変異した理念を正せていないのであれば、師父の法を正すことを手伝う法徒として、あるべき姿ではありません。

　（続く）