　【明慧日本2025年5月21日】多くの皇帝が法術や佛教を好み、積極的に寺院を建てる皇帝も少なくありません。彼らは本心から修煉に興味があるからです。しかし、皇帝になるにあたって彼らに使命があり、それを果たせば自然と圓満成就できるのです。それは、「修行せずとも既に道にいる」ということです。それでも彼らは修煉に興味があり、特に唐の6代目皇帝・玄宗はそうでした。

　道士・羅思遠は多くの法術に精通しており、特に「姿隠しの術」が得意でした。玄宗は「姿隠しの術」に興味を持ち、羅思遠に学びました。羅思遠は玄宗に教えましたが、肝心なところを教えていません。玄宗は羅思遠と一緒に法術を施し、姿を隠すと、誰も彼の居場所を見えませんが、一人で練習すると、帯を元の場所に残したり、頭巾の端が見えたりして、宮内の人々はいつも玄宗の居場所を知っていました。

　玄宗は羅思遠に贈り物をして懇願したり、死で脅かしたりしても、羅思遠は肝心な法術を教えませんでした。玄宗は怒って、羅思遠を布で包み、油を作る搾油機（さくゆき）の下に置き、圧死して埋めました。しかし10日も経たないうちに、四川から帰ってきた宮中の使用人が道で羅思遠に会いました。羅思遠はロバに乗って、使用人に「今回、皇帝のいたずらは少し残酷すぎましたね」と笑って言いました。

　以上の逸話は『開天伝信記』に記載されてあり、確固たる事実なので、決して噂や伝説ではありません。『開天伝信記』とは、「唐の開元、天寶時期に起きたことを忠実に記録した」の意味です。

　実は、修道には高い心性が要求され、玄宗の心性は基準に達していなかったため、羅思遠は法術を伝えてはいけません。さもないと、彼自身も天罰を受けるからです。

　2013年の神韻公演の演目『月宮で戯れる玄宗』に、道士が杖を大きな橋に化し、道士と玄宗は橋を渡って月宮へ入った内容がありました。『新唐書』によると、その道士はつまり羅思遠です。