　【明慧日本2025年5月22日】中共が法輪功学習者（以下、学習者）を迫害するすべての事件は、立件、起訴、裁判に至るまで、全てが違法であり、故意の冤罪である。なぜなら、学習者の行為は、いかなる法律にも違反していないからである。信仰の自由と言論の自由は、憲法が国民に与えた権利である。学習者が法輪功を修煉し、世間に迫害の真相を伝えることは、すべて市民として正当な行動である。それにもかかわらず、こうした合法的な行為を犯罪の証拠とし、いかなる犯罪事実も存在しないのに、合法的な市民を根拠のない罪名で裁判にかけ、さらには法の名の下に有罪を宣告するとは、これは法の悲劇であり、我が国の悲劇であり、世紀を越えた冤罪である。

　一、憲法は神聖にして侵すべからず

　中国憲法第35条：「中華人民共和国の国民は、言論、出版、集会、結社、デモ活動の自由を有する」

　中国憲法第36条：「中華人民共和国の国民は、宗教信仰の自由を有する。いかなる国家機関、社会団体および個人も、国民に宗教を信仰すること、または信仰しないように強制してはならず、宗教を信仰する者としない者を差別してはならない」

　憲法は国家の根本的な法律であり、国家の意志を最も高く体現するものであり、神聖にして侵すべからざるものである。憲法が国民に与えた信仰、言論、出版、結社などの権利もまた、神聖にして侵すべからざるものである。

　中国の『立法法』第87条は次のように規定している。「憲法は最高の法的効力を有し、すべての法律、行政法規および地方条例は、憲法に反してはならない」と規定している。

　二、各種法令や規定において、邪教と法輪功は一切関係がない

　公通字〔2000〕39号について

　中国では多くの人が「国家はすでに法輪功を邪教と認定している」と誤解している。しかし実際には、国家は法輪功を邪教と認定したことは一度もない。

　「邪教」という言葉を最初に持ち出したのは、1999年10月26日に江沢民がフランスのフィガロ紙の記者のインタビューに応じた際のことである。翌日には人民日報が評論記事を掲載し、江沢民による中傷の言葉を繰り返し引用した。だが、個人の発言やメディアの報道は法律ではない。中華人民共和国憲法第80条と第81条は、国家主席の職権について定めている。国家主席が職権の範囲内で行う活動は国家を代表するが、職権の範囲外での行動は国家を代表せず、あくまで個人の行動である。江沢民には法輪功を邪教と認定する権限はなく、それは彼の個人的な行為に過ぎず、国家の立場を代表するものではない。

　その後まもなく、2000年4月9日、中共中央弁公庁・国務院弁公庁・公安部は共同で「公安部による邪教組織の認定と取締りに関する通知」（公通字〔2000〕39号）を発布した。通知に記載された「現在認定されている邪教組織の一覧」には、14種類の邪教が明示されているが、その中に法輪功は含まれていない。公安部が発布したこの通知は、江沢民およびメディアによる法輪功への中傷を明確に否定しており、法輪功は邪教ではなく、中国国内で合法であること、よって法輪功への迫害には法的根拠がないことを示している。

　さらに注目すべきは、法輪功への迫害開始から15年後の2014年6月2日、『法制晩報』が再びこの公安部の通知を公に再確認し、再度、認定された14種の邪教を明言したことである。これは法輪功が邪教ではないことを再び明確にしたものに他ならない。

　新聞出版総署第50号令

　2011年3月1日、中国のニュース出版総署署長・柳斌傑は「新聞出版総署令第50号」を発布し、『新聞出版総署による第5次規範性文書の廃止決定』を公布した。その中の第99項・第100項において、以下の1999年に発布された2つの文書の廃止が明示された。（1）法輪功関連出版物に関する処理意見の再確認に関する通知。（2）法輪功関連の違法出版物の印刷を禁止し、出版物印刷管理をさらに強化する通知。

　この国家新聞出版総署の命令は国務院によって公告され、『国務院公報』2011年第28期に掲載された（「中国政府網国務院公報 2011年第28号」で検索すれば確認可能）。これら2つの文書が正式に廃止されたことは、法輪功関連書籍が完全に合法であることを示している。

　三、中共が学習者を陥れるために用いるいわゆる法律条文はすべて違憲・違法・無効である

　刑法第300条の誤用は故意である

　法輪功が邪教でない以上、中共が刑法第300条を用いて学習者を起訴することは明らかに不当であり、成立しない。

　刑法第300条第1項の構成要件を見れば、この罪が成立するためには「邪教組織の利用」と「法律の実施の妨害」という2つの基本要件を同時に満たさなければならない。どちらか一方でも欠ければ、この罪は成立しない。

　法輪功が邪教でない以上、第一の構成要件は明らかに存在せず、また検察官が提出したすべての証拠を見ても、法輪功学習者の行為がいかにして法律の実施を妨げたのか、どの法律の実施を妨げたのか、どのような社会的害悪をもたらしたのかを証明することはできない。これらの証拠は、法律実施の妨害という罪状と関連性がなく、すべて無効な証拠である。よって、犯罪を構成する二つの要件のいずれも満たしていないため、刑法第300条によって法輪功学習者を起訴することは成立せず、法律の誤った適用である。

　実際には、一般市民または普通の社会団体として、問われるのは「違法かどうか」であって、「国家の法律の実施を妨害したかどうか」といった問題ではない。なぜなら、一般市民にはそのような犯罪を行う条件も能力もそもそも備わっていないからである。国家の法律や制度の実施を真に妨げることができるのは、公権力を握る官僚、特に最高権力を持つ者だけである。たとえば、法律に代わって権力を振りかざしたり、人治によって法治を置き換えたり、あるいは司法に不当介入してその独立性や公正性を破壊したりする（例：「610弁公室」の職員が公安・検察・裁判所を操作して法輪功学習者を法の名の下に迫害する行為）、こうした行為こそが国家の法律制度の実施を妨げるものであり、これこそが本当の犯罪である。

　現在までのところ、中国の現行法には、法輪功を修煉することが違法であると定めた条文は一つもなく、また学習者が真相資料を配布したり、人々に法輪功迫害の実態を伝えることが違法だとする法律も存在しない。「法律に明文なければ罪とならず」の原則に基づけば、学習者が法輪功を修煉し、真相資料を配り、迫害の事実を語ることは、完全に合法である。これらは犯罪の証拠ではない。最も簡単な例を挙げれば、法律で麻薬の使用が違法とされていれば、麻薬は犯罪の証拠となるが、法律で喫煙が違法とされていなければ、タバコは犯罪の証拠にはなり得ない。

　よって、法輪功の資料を所持・配布したり、人々に真実を語ったことを理由に学習者を起訴することは、「罪刑法定原則」に反し、成立しない。また、あらゆる犯罪には社会的害悪性が伴うべきであり、その害悪性は具体的で、目に見え、手に取れるようなものでなければならない。つまり、事実として確認できるものであり、場合によっては数量化すら可能である必要がある。社会的害悪性がなければ、違法・犯罪の問題にはならない。

　客観的事実として、私たちが法輪功を修煉して誰かに危害を与えた事例は一つもなく、また法輪功学習者が真相を伝えたことで、いかなる法律の実施も妨げられていない。学習者が真相を語ることと、「法律実施の妨害」との間には何の関係もない。一体どの法律が、これらの「証拠」によって実施できなくなったというのだろうか？それができていないのなら、どうしてこれらの行為が犯罪の証拠になり得るのだろうか？これらのことから、起訴状における法輪功学習者への罪状は、事実的根拠もなく、法律的根拠もなく、成立しないことが明白である。

「両高裁」（すなわち最高裁判所と最高検察庁）」司法解釈の違法性と無効性

　現在、公検法（公安・検察・裁判所）が法輪功学習者を起訴する際のいわゆる「法律的根拠」としているのは、「両高裁」の司法解釈です。しかし、この根拠は成立し得ません。なぜなら、「両高裁」が刑法第300条に対して行った司法解釈は、『憲法』および『立法法』に違反しており、無効であり、判決の根拠とすることはできないからです。

　1．「両高裁」の司法解釈は、『憲法』および『立法権』における立法府権の規定に違反しており、無効である。

　中華人民共和国憲法第58条は以下のように規定しています。「全国人民代表大会および全国人民代表大会常務委員会は、国家の立法権を行使する」

　また、『中国立法法』第8条第4項・第5項では、以下のように明示されています。「犯罪および刑罰、国民の政治的権利の剥奪・制限、人身の自由に関わる強制措置および処罰」については、法律によってのみ制定することができる。すなわち、全国人民代表大会または常務委員会を通じて法律として制定しなければならず、その他の国家機関や団体にはその権限がない。

　「両高裁」は執行機関であって、立法機関ではありません。したがって、立法権も立法解釈権も持ちません。何が違法行為であるか、どのような行為に刑罰を科すべきかを規定する権限はないのです。ところが「両高」はその司法解釈において、いくつかの具体的な行為を列挙し、それらの行為があれば刑法第300条第1項──「邪教組織を組織・利用して法律の実施を妨害した罪」に該当するとして、処罰の対象になると定めました。

　このような「両高裁」の規定は明らかに違法であり、極めて不当です。「両高裁」の司法解釈に列挙された行為は、刑法第300条に記載されたものではなく、あくまで「両高裁」自身が勝手に定めたものであり、刑法の条文とは無関係です。それにもかかわらず、どうして刑法第300条の罪で裁くことができるのでしょうか？これはまさに滑稽であり、法的な正当性は全くありません。刑法第300条には、これらの行為が「国家の法律実施を妨害する」とは一切規定されておらず、それらの行為を根拠にして有罪判決を下すことはできません。

　このように、「両高裁」が刑法第300条の文面から完全に逸脱して行ったいわゆる司法解釈は、実際には「司法解釈」などではなく、意図的に嘘をでっち上げ、法輪功を迫害するためにいわゆる「法律的根拠」を捏造しているにすぎません。これは司法解釈の名を借りて立法または立法解釈を行う行為であり、明らかに権限を越えた行為です。よって、このような司法解釈は違法であり、無効であり、裁判の判断根拠として用いることはできません。

（続く）