　【明慧日本2025年6月9日】（明慧記者・英梓）最近、複数のカナダ議員が、中国共産党（以下、中共）による法輪功に対する越境弾圧への対抗を呼びかけた。昨年初め以降、中共はアメリカのメディアや司法制度を利用して、神韻芸術団（以下、神韻）と法輪功に対する組織的な攻撃を仕掛けており、神韻の世界巡回公演中には、爆破や銃撃などの殺害予告も行われた。これに対し、カナダの国会議員は強く非難し、調査と対抗措置を求めている。

　議員らは、中共による外国への妨害や越境弾圧は、カナダ国内でも発生しており、選挙を含むカナダの主権や国民の安全、自由を脅かしていると指摘している。爆破や銃撃といった殺害予告は重大な刑事犯罪であり、カナダ政府は越境弾圧に対して迅速かつ強制力のある法執行を行うべきだとしている。また、こうした弾圧に関与する組織を「テロ組織」に指定し、越境弾圧の実態を公に明らかにすべきだと訴えている。

5月28日の法輪大法が広く伝わって33周年の祝典に出席した、マイケル・グリエルミン国会議員（左から3人目）、ロンダ・カークランド国会議員（左から4人目）、キャシー・ワガンタル国会議員（右から3人目）、ガーネット・ジーニアス国会議員（右から2人目）

5月28日の法輪大法が広く伝わって33周年の祝典に出席した、ダン・ムイズ国会議員（左から3人目）、メリッサ・ランツマン国会議員（左から4人目）、ジェームズ・ビザン国会議員（右から2人目）と法輪功学習者

　法輪大法情報センター（FDI）の統計によると、過去1年間で、神韻、法輪功学習者、そして支持する政府関係者を標的とした匿名の暴力的脅迫メールは100件を超えており、爆破、銃撃、性的暴行、殺害などの内容が含まれている。

　野党下院副リーダーであり、スコット・リード議員は、スピーチの中で中共による現在の法輪功への弾圧は、より狡猾かつ巧妙になっているという。同議員は「中共は他国の制度を利用して、法輪大法が提唱する理念を抑え込み、神韻公演を妨害しようとしているのです」と述べた。

　リード議員は、神韻の核心的価値について次のように述べている。「神韻は最も優れた芸術家、舞踊家や音楽家を通じて、中国伝統文化の真髄を西洋の観客に伝えています。同時に、神韻は法輪大法と中国伝統文化との互換性をも際立たせています」

　同議員はさらに次のように指摘した。「まさにその点こそが、中共政権が外部に知られたくない事実なのです。なぜなら、それは中共による法輪大法への迫害が正当性も合理性も欠いたものであることを、より一層明白にしてしまうからです」

　「だからこそ、中共がこれほどまでに神韻公演を止めさせようと必死になっているのだと思います」

　「神韻は今や、国際社会が法輪大法や中国伝統文化を理解するうえで、重要な媒体となりつつあります。そのため中共は、さまざまな手段を使って公演を妨害しており、会場の貸し出しを拒否させたり、時には暴力的な脅迫によって、人々が公演を観に行かないよう仕向けています。これらはすべて、真実の情報が広がるのを防ごうとする中共の戦術であり、決して各国政府が望むような行為ではありません」

　「神韻に関連する暴力的脅迫が複数の国で連携して行われていることは非常に衝撃的です。これらの事件は一見自然に発生したように見えますが、長年このような事例が見られなかったにもかかわらず、突然複数の暴力的脅迫事件が同時に起きたことで、中共が重要な役割を果たしている可能性が高まっています。このような行為は明らかに外国勢力による妨害であり、カナダ国内だけではなく他国においても、より詳細な調査が必要です」

　「爆弾やその他の形態の暴力的な脅迫は、実際に違法であり、これは刑事犯罪です。ある国の政府が別の国でそのような行為を人々に許可することは、決して容認できません」

　議員「政府は国境を越えた弾圧を阻止するために、強制的に法を執行しなければならない」

　約一年前に制定され、王室の承認を得たカナダのC-70法案（「外国干渉対抗法」）は、特に国境を越えた弾圧の防止において、カナダの外国干渉への対応能力を強化することを目的としている。

　C-70法案における国境を越えた弾圧への対処方法には、カナダ安全情報局（CSIS）などの情報機関の権限拡大、外国影響透明性登録所の設置、刑法の改正を含む法執行の強化が含まれている。これにより、外国の干渉に関連する恐喝、脅迫、その他の国境を越えた弾圧行為がより厳格に規制される。

　カナダ「国会法輪功友の会」の共同代表であるガーネット・ジーニアス議員は「私たちは法輪大法、政治家、学術機関に対する継続的な国境を越えた弾圧を目の当たりにしています。保守党が推進する外国干渉に関する立法を強制的に執行する必要があり、政府はこれらを真剣に受け止め、対応を強化しなければなりません」と述べた。

　保守党民主改革担当影の閣僚大臣であるマイケル・クーパー議員は「多国間での弾圧行為は確かに憂慮すべきものであり、決して容認できません。これは中共政権が政治的目的を達成するために極端な手段をとっていることを如実に示しています。前回の議会で可決された法案（C-70）は、外国勢力による我が国領土内での干渉や抑圧に対処するための追加的なツールを提供しています」と述べた。

　海外メディアを利用した宣伝について、議員は「中共の長期的な計画は自由な国家の理念と相反している」と指摘

　過去数カ月の間に『ニューヨーク・タイムズ』は神韻を攻撃する記事を連続して10本掲載し、そのうち8本は中国語版もある。これらの記事は中共の宣伝文句をそのまま使い、法輪功や神韻に対する歪曲や虚偽の内容に満ちており、中共が作り上げた物語がアメリカの主流社会に浸透し、中共の海外勢力や代理人によって広く拡散されている。

　中共がアメリカのメディアを利用して神韻や法輪功を攻撃していることについて、ギネス議員は次のように述べている。「私は、あらゆる分野の人々が、外国から発信される誤った情報の影響にもっと注意を払う必要があると考えています。多くの異なる機関がこのような状況の被害者となったり、特定のエピソードを誤って信じてしまう可能性があります」

　「私たちは、自分たちの価値観は物質的なものではなく、非物質的な側面に根ざしているべきだと常に思い起こさなければなりません。なぜなら、人々が追い求める善は物質的なものよりもはるかに重要だからです。これこそが、私たちが共産主義の唯物論とその浸透方法に対抗する基礎なのです」

　「私たちは、中共による越境的な弾圧やその他の手段を使った西側機関への共謀行為に対して、声を上げて立ち向かわなければなりません」

　「国会法輪功友の会」共同代表「中共の越境的弾圧に対して反撃すべきだ」

　「国会法輪功友の会」の共同代表であり、自由党のベテラン議員ジュディ・スグロ氏も、カナダは中共の越境的弾圧に立ち向かうべきだと考えている。同議員は次のように述べている。「私は、カナダのすべての国会議員が立ち上がり、公正と尊重を求めるとともに、中共による法輪大法への弾圧に反対する必要があると考えています。この弾圧は何年も前から続いています」

　スグロ議員は、神韻公演が示す真実が中共に大きな脅威を感じさせているという。同議員はこう述べている。「明らかに中共は大きな脅威を感じているため、法輪功修煉者は今やっていることを堅持し、引き続き前進し続けるべきだと思います」

　自由党国会議員イヴァン・ベーカー氏は次のように述べている。「私たちは政府機関が十分な装備を整え、各コミュニティとの連携を強化することを確実にしなければなりません。そうすることで、すべてのカナダ国民と機関が保護されるようにします。さまざまな形態の外国からの干渉に直面している中、あらゆる可能性のある脅威に対応するために包括的な戦略をとる必要があります」

　保守党・副党首「外国の干渉と越境的弾圧を暴き出す」

　保守党・副党首のメリッサ・ランツマン議員は、越境的弾圧に対抗する方法の一つは真実を明らかにすることだと考えている。同議員は次のように指摘した。「間違いなく、外国の干渉は私たちの国で起きており、私たちの友人や隣人、そしてただ平和と寛容を求めている人々を脅かし、影響を与えています。私たちは国会の場でこれに対抗しなければなりません」

　「このことが中国だけでなく、私たちの国でも実際に起きていることを、カナダのすべての人に確実に知ってもらわなければなりません。すべてのカナダ国民、そしてカナダで生活を築こうとするすべての人が、自由で脅かされない環境のもとで暮らせるようにする必要があります。これは私たち国会議員の使命であり、政府の責任でもあります。この脅威を真剣に受け止め、対策を始めなければなりません」

　国会議員ジェームズ・ビザン氏はインタビューで、中共によるカナダへの干渉は「戦狼外交」（我が中華を犯す者は、遠きにありても必ず誅せん）や「海外の中国警察拠点」など、複数のレベルに及んでいるという。同議員はこのように述べている。「私たちは勇気をもって彼らの行動を暴露し、私たちの市民のために立ち上がり、中共による不当な扱いを受けないようにしなければなりません。カナダ国内にある中国の警察拠点を必ず閉鎖し、彼らの外交チームによる脅迫や介入、そして今やカナダを故郷とする元中国市民に対する脅威を阻止しなければなりません。したがって、私たちは民主主義、人権、自由のために、もちろん法輪大法（法輪功）団体も含めて、引き続き闘い続けます」

　議員「政府は法の執行を迅速化すべき」

　　国会議員ダン・ムイス氏は、中共のスパイによる街頭での襲撃行為は容認できないと話す。同議員は次のように語っている。「人々は希望、機会と自由を求めてこの国にやって来ます。しかし、カナダの街頭で外国の工作員に狙われているのです。これは決して許されることではありません。保守党として、私たちはすでに国会でこの問題を指摘しており、このような事態を決して許してはなりません」

　ムイス議員は、カナダ政府と警察機関も、越境的な弾圧を抑止するために、責任者を「テロ組織」と認定するなど、できる限り迅速かつ具体的な行動を取るべきだという。同議員はこう述べている。「カナダ政府はこの問題を真剣に受け止め、現実的な対応を取る必要があります。しかし、カナダの機関や警察機関もこの問題をきちんと認識しなければなりません。トロントの街頭でも中国の『警察局』が実際に活動していたことがありましたが、政府は責任者の追放において行動が遅すぎました。このような事態を抑えるには、もっと迅速な対応が必要です」

　国際開発大臣の国会担当秘書であり、自由党の国会議員であるアニタ・ヴァンデンベルド（Anita Vandenbeld）氏はインタビューの中で次のように述べている。「私は、こうした状況がここ（カナダ）に限らず、世界中のさまざまなコミュニティに広がっていると思います。それは非常に憂慮すべきことです」

　同意議員は「このような状況を終わらせるために、国会はもっと時間をかけて調査し、対応策を講じる必要があります」と語った。