　【明慧日本2025年6月13日】雲南省昆明市の西山区裁判所は今年5月、4人の法輪功学習者（以下、学習者）・夏承芬さん、張家恵さん、管永恒さん、王玉蘭さんに対し不当判決を下した。そのうち、管永恒さんは懲役3年と罰金1万元（約20万円）を科された。王玉蘭さんは懲役2年と罰金1万元を科された。（夏承芬さんと張家恵さんの詳細な刑罰については現在調査中）

　30名以上の学習者が連行され、13名に不当刑判決

　2024年1月6日、昆明市公安局が主導して設立したいわゆる「専案組※」が、約半年間にわたり地元の学習者を尾行し、監視し、待ち伏せ、映像資料の調取などを行い、罪名をでっち上げて、5カ月後にこれらの学習者に対して連行を実施した。

　※訳注：専案組とは、文化大革命（文革）の時期に使われだした言葉で、批判対象者を審査するグループを指した。対象者の言動や過去の記録などの審査を行い、思想改造を目的とした労働などを命じた。

　同年6月6日、昆明市西山区公安支局が主導し、西山区、五華区、盤龍区、官渡区の国内安全保衛部門（法輪功迫害の実行機関）およびその管轄下の複数の派出所、特に西山区棕樹営派出所が中心となって警官を総動員し、30名以上の学習者を連行した。

　そのうち9名の学習者は、今年3月26日に昆明市西山区裁判所での不当審理を経て、同年5月初旬に以下のように判決を言い渡された。

　劉翠仙さんは懲役4年6カ月と罰金1万5,000元（約30万円）、劉暁萍さん、鄭翠蘭さん、馬玲さん、李煥珍さん、楊惠芳さんら5人は懲役3年と罰金10,000元（約20万円）、朱永珍さんは懲役2年と罰金7,000元（約14万円）、張秀珍さんは懲役1年5カ月と罰金5,000元（約10万円）、畢晟さんは懲役1年3カ月と罰金5,000元（約10万円）を科された。

　また、王玉蘭さん（74歳女性）、張家恵さん（79歳女性）、夏存芬さん（72歳女性）、管学恒さん（49歳男性）など4人の学習者が今年4月16日に昆明市西山区裁判所で不正裁判にかけらた。

　王玉蘭さんが中国共産党から受けた迫害

　王玉蘭さんは1948年生まれの現在77歳の女性。元工場勤務の退職者で、雲南省昆明市盤龍区に住んでいる。

　王さんは法輪大法を修煉する前、工場内で「病人」として知られる存在だった。慢性的な頭痛に悩まされ、一年中厚着をしていなければならないほどの虚弱体質で、全身に力がはいらないため仕事をまともにこなせず、まさに生き地獄ともいえる生活を送っていた。

　1998年、王さんは法輪大法の修煉を始め、「真・善・忍」の基準で自分を律し始めた。修煉を始めて1か月あまりで、20年以上も治らなかったさまざまな病気がすべて消え去った。王さんは人生で初めて病気のない軽やかな身体になったことをに喜びを感じた。体には尽きることのない力が漲り、家事をいくらしても疲れを感じなかった。

　1999年7月になると、中国共産党（以下、中共）は法輪功への狂気の迫害を開始した。王さんは「真・善・忍」の信仰を貫いたため、何度も中共により拘束され、監禁され、洗脳を受け、労働教養を強いられるなどの迫害を受けた。

　2002年6月のある日、王さんはバスの中で法輪功迫害の真相を伝えたことで、それを見た者からの悪意ある通報によって警官に連行され、家宅捜索を受け、昆明市第二留置場に拘禁された。数日間、食事も水も与えられず、深夜まで強制労働をさせられ、毎日2～3時間しか眠れなかった。過度の重労働により、2カ月後には全身に浮腫が現れた。8月中旬、王さんは強制的に雲南省大板橋女子労働教養所に連行され、不当にも2年間の労働教養処分を科された。労働教養所に到着するや否や「転向」を強要されたが、王さんは信念を決して捨てなかった。1カ月後、大田での奴隷のような強制労働に送られ、毎日12～13時間以上の作業を課され、深夜2～3時まで労働を強いられることが多く、時には夜明けまで働き、作業が終わらないと睡眠も許されなかった。2004年8月24日に不当な労働教養が終了したが、さらに70日間、拘禁を延長された。体重は10キロ以上減り、黒かった髪は真っ白になった。

　2005年8月のある朝、王さんは西山区の「610弁公室」の警官に自宅を突然押し入られ、家宅捜索を受けた。彼女は雲南省公安庁の訓練基地に連行され、「転向」を強要された。毎日、換気のない部屋に閉じ込められ、男女1人ずつに大声で怒鳴り続けられていた。王さんは迫害に抗議して3日間断食したが、残酷な強制灌食を受け、心身ともに深刻な損傷を負った。

　2006年10月のある日、王さんは以前の隣人に法輪功迫害の真相を伝えたことで、翌日、その隣人から悪意ある通報を受けた白龍派出所の警官により不法な家宅捜索を受けた。数日後、警官は王さんを騙して派出所に連行し、再び雲南省の大板橋女子労働教養所に連行し、3年間の労働教養処分を科した。労働教養所の第3大隊で、王さんは4カ月間、洗脳による「転向」を強要されたが拒否した。その後、第2大隊の宝石工場に送られ、奴隷のような強制労働を強いられた。毎日、有毒で非常に刺激の強い工業用アルカリ水に手を浸しながら宝石を洗ったため、手は赤く腫れて激しく痛んだ。毎日12〜13時間以上働き、時には深夜12時まで作業場にいた。作業終了後は列を作って全裸で身体検査をされた。検査を拒否すると拘束期間が延長されるのである。

　毎日夕食を終えると既に8時過ぎであったが、その後も強制的に教育ビデオを見せられ、心理学の授業を受けさせられた。参加しなければ、これも拘束期間の延長理由にされた。労働教養所はありとあらゆる手法で王さんを苦しめた。宝石工場での過酷な奴隷労働により、王さんは骨と皮だけになり、体重は68キロから30キロ台にまで減少し、腰はまっすぐに伸ばせなくなった。また、王さんが国旗掲揚式典に参加しないからといって、刑務官は薬物乱用者を使って暴行させ、王さんの前歯を折らせた。

　2008年には労働教養所から紙コップ工場へ転属された。これも奴隷的な強制労働であった。2009年5月26日、刑務官は、王玉蘭さんが命令に従わないことを理由に、王さんの右目を突いて出血させた。その時、顔中が血で覆われ、目を開けることができなかった。昆明医学院の医師によると眼底出血と診断され、腫れと赤みは10日以上続いた。また、刑務官がテープで王さんの頭から口までをぐるぐる巻きにしたため、呼吸ができなくなり、死にかけたこともある。

　王さんは2010年2月4日に過酷な労働教養処分を終えたが、この間、3カ月間の不当な拘束延長を受けていた。

　王さんが帰宅してからも、白龍路派出所は彼女の戸籍登録をなかなかせず、1年以上も遅らせた末にようやく手続きを行った。警察や街道の職員は王さんを昆明市の重点迫害対象として監視し、頻繁に電話をよこしては嫌がらせをしたり、家を訪ねての嫌がらせや家宅捜索を行った。