文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年6月16日】私の恨みの心は幼少期から積み重なり、私の少年時代と青春時代は苦しみの中で育まれたものでした。祖母は女の子を嫌っており、そのため母も一緒に虐待を受けることになりました。私の父は中共の邪党による政治運動で無実のまま「反革命」とされ、私は「黒五類」の子供となりました。18歳のとき、教育局による選抜で、師範学校への進学するチャンスがありましたが、権力のある人物にその枠を奪われてしまいました。その後、ある企業に入社しました。農村出身で、そしてキャリアがまったくないので、私は他人よりもっと真面目に働かなければなりませんでした。仕事が立派にできたので、リーダーに認められました。リーダーは私の弱い体質を配慮してくれて私に管理職を任せました。そのために長く勤めていた女性従業員から嫉妬され排斥されていました。

　私の前半生にはあまりにも多くの不公平と悔しさがあり、心には整理しきれない怨恨心、嫉妬心、復讐の悪念が積もり積もって、私の体を蝕んでいきました。怨恨心と結びついた多くの私心や世俗的な考えは、その後の私の修煉に多くの困難をもたらしました。

　息子の嫁が家に入籍して一緒に暮らす

　2000年、親戚の紹介で息子が結婚して息子夫婦と同居しました。私たちは嫁に多少不満がありましたが、嫁はは良い子で、街で理髪店で働きながら健康食品のビジネスをしており、比較的伝統的な考え方を持っていました。私は大法を修煉しているので、姻縁は前世に定められたものだと知っており、この結婚は決まりました。

　嫁は2002年に私たちの家に可愛い孫を産んでくれました。孫が3歳の時、私の夫が亡くなりました。嫁と彼女の実家は共にビジネスをしていて忙しかったため、孫は私が1人で育てました。嫁は私が大法を修煉することに決して反対しませんでした。彼女は孫が私と15年間一緒にいて一度も病気にならなかったことを知っていました。私が邪党に妨害された時、嫁は、私のあらゆる大法書籍と資料を保管するのをしっかり手伝ってくれました。家の買い物はすべて嫁が取り仕切り、私は心配する必要がありませんでした。嫁は勤勉で、倹約家で、苦労を厭わず、清潔好きで、双方の両親や年長者にとても孝行で、近所の人たちからは私たちは親子のように見られていました。

　家の売却を巡るトラブル　

　2009年のある日、嫁は「子供もだんだん成長しており、物価も高騰しているのに、夫の給料は変わりません。今の家を売って、ビジネスを拡大したい」と私に言いました。当時、私たち一家は唯一の140平方メートルの家しか持っていないし、そして週に2回、私の家で集団学法を行っていたので、私は家を売却するのは同意しませんでした。息子もあまり同意せず、「ビジネスはリスクが大きいし、売るのは簡単だけど、買い戻すのは難しい」と言いました。嫁はまた、「私たち一家はしばらく賃貸の家に住んで、ビジネスが拡大して儲かったら新しい家を買えばいい」と言いました。しかし、結局家の売却の件は話し合いがまとまらず、嫁はそれ以来家で黙り込むようになり、以前の楽しい雰囲気はだんだん薄れていきました。嫁は私に恨みを抱くようになったのです。内に向けて探すと、私には焦りの気持ちがあり、家の売却について辛抱強く嫁と話し合うことができなかったために、家庭にトラブルが生じたのだと気づきました。体面を保つため、私たちは表面上はお互いに譲り合って一度も喧嘩はしませんでしたが、心の中ではずっとわだかまりが残っていました。

　嫁の態度が変り、私は内に向けて探さなかった

　2021年の冬、私たち家族は息子がローンで購入した新居に引っ越しました。この家の所有権は息子と嫁が共有しています。

　ある日、息子が仕事に行っている間に、嫁が孫に「お前は私が育てたんだから、恩を覚えていなさい」と言いました。孫はそれを聞いて黙ったままでしたが、私はその場にいて、嫁の言葉を不可解に思いました。口には出しませんでしたが、党文化の影響で嘲笑するような気持ちで嫁をちらりと見てしまい、心の中で腹立たしく思いました。「普段の些細なことならともかく、この人はどうしてこんなに理不尽なことを言うんだろう」と心の中で憤りを感じていました。

　近所の人々や親戚、友人、さらに嫁の実家の人たちも、私が一手に孫を育て上げたことを知っています。学費以外の孫のすべての支出は私が負担していました。私の年金は月にわずか2000元（約4万円）で、貯金はありません。それなのに、なぜ嫁がこんな明らかな嘘をつき、わざと私に聞かせたのか理解できませんでした。この件については、これまで私は誰にも話していません。

　新居に住み始めて間もなく、嫁が「旧居があるのだから、新居の玄関カード（鍵）を返してほしい」と言いました。明らかに、嫁は私が新居に住み続けることを望んでいないと感じました。息子がこのことを知って困るのを恐れ、私は旧居に戻り、一人で住むことにしました。旧居は市内にあり、新居からそれほど遠くありません。私たちの地域では週に2回、旧居で集団学法を続けており、息子もそのことを知っているので、私が新居を離れた理由について特に聞いたことはありませんでした。週末には息子が私を新居に迎えに来て、一緒に食事をするだけでした。

　嫁の私に対する態度は、息子がいる時といない時で全く異なります。新居の周辺の住宅地は広く、多くの他地域の人々が住んでいて、まだ真相を知らない人もたくさんいます。私は息子の玄関カードを使って新しくカードを複製し、新居の近くに住むことで真相を伝える活動を便利に行えるようにしました。そのおかげで、嫁に追い出されたと感じることもなくなりました。それに、嫁が実際に私を追い出したわけではありません。しかし、それでも私は嫁を党文化の観点から判断し、「嫁は息子の前では一つの顔を見せ、息子がいないところでは別の顔を見せる」と考えていました。

　幼い頃から党文化教育を受けたことで形成された恨みの心が、自分でも気づかないうちに当たり前のように存在しており、それを見過ごしてしまっていました。ただ、嫁が過去の家の売却を巡るトラブルに対して私に恨みを抱いているのだと思っていました。

　「告げ口しよう」という気持ちを打ち消した

　2022年、私の地域ではコロナの影響が続き、息子は私が一人で旧宅に住むことを許さず、新居に戻るように言いました。コロナのため、嫁の商売も閉店し、毎日一緒に過ごすことになりました。

　私は修煉者として、敵はいないと考え、嫁の冷たい態度は見なかったことにし、できるだけ嫁に優しく接し、生活面で気を配りました。家事はすべて私が引き受け、日用品の買い物もこなし、嫁の希望にできる限り応えました。嫁は料理の作り方を覚えていましたが、最初は私には食べにくい味でした。私はそれを食欲の執着心だと思い、「済公が空腹を満たすために何でも食べた」という話を思い出した。

　家事はどんなに頑張っても、嫁は満足しなかったようでした。私が終わらせたすべての家事を嫁は細かくチェックし、窓の拭き方、洗濯物の干し方、靴の並べ方まで指摘し、床に数滴水が落ちているだけでも指摘し、食器を洗うときは洗剤を使わせず、しかし、きれいに洗わないと文句を言いました。

　その時、私は一生懸命やっても誰にも認められないと感じ、嫁がひどいと思いました。自分の苦労ばかり考えて、嫁の良いところを見逃していました。嫁は真面目で、きれい好きで、部屋の片付けもきちんとしています。

　嫁の態度はまるで鏡のように私の多くの欠点を映し出しました。例えば、私は物事をいい加減にやり、真剣さが足りず、師父のおっしゃった「コツコツと働き」という教えを守れていなかったのです。

　嫁が作るあっさりした料理が好きではありませんでしたが、実際にはこれは自分が麻辣風味の辛い料理への執着を捨てるべきだということでした。自分を内省しているつもりではありましたが、人心を取り除く必要があると分かっていても、固定観念が自分の変化を妨げていました。「どうであれ、私は姑なのだから、伝統的な礼儀や親を尊重する心を忘れてはいけない」という思い込みが強くありました。さらに心の中で、「機会があれば、嫁の実家の人たちに話をして、彼女の行き過ぎた態度を正してもらおう」という考えさえ芽生えていました。

　夜に学法をしているとき、「人を救え、人を救え」という声が耳元で聞こえました。冷静に考えてみると、嫁はもともとこんな人ではなかったはずです。それなのに、私はどうして常人のように「告げ口」をしようとしていたのでしょうか。

　さらに、大法弟子の責任は人を救うことです。嫁の実家の親族数十人はすでに真相を理解しており、多くの人が本名で「三退」をしました。嫁の実家の人たちは、私のことを「珍しいほど素晴らしい姑」だと褒めてくれており、嫁が私の家に嫁いだのは幸運だとも言っています。

　もし私が心性を守れず理性的でない行動をしたら、他の人は大法や大法弟子をどう見るでしょう。嫁は私にどんな態度をとっても、師父や大法に対して不敬なことは一度も言ったことがありません。以前、師父の写真の前で大きな花瓶に形の美しい蓮の花を挿して師父を敬っていました。2015年の江沢民を訴える時には、嫁も本名で署名して声援を送っていました。

　もし私の怨念のせいで理性を失って告げ口をしてしまったら、それは救いではなく、むしろ人を突き落とすことになります。そう考えて、「告げ口」の念を打ち消しました。しかし、心の内側をしっかりと見つめ、自分を変える努力はまだ十分ではありません。

　私は人間の観念に固執し、嫁との対立は続く

　嫁の顔色が近ごろますます黒ずんでやせてきたのを見て（以前はそうではなかった）、人として少しは気の毒に思っていました。しかし、これは私が怨恨などのよくない感情を彼女に向けていた結果だとは気づかず、むしろ彼女が理屈に合わない人になったと思っていました。

　孫は大学を卒業して就職活動中で常に家におり、息子は仕事であまり家で食事をしていませんでした。3食の食事はすべて嫁が作っていました。食事の準備ができると、特に昼食の時はいつも孫にだけ「ご飯だよ」と呼びかけ、私は呼ばれなくても自ら進んで食卓に行っていました。座る席はほぼ決まっていて、嫁はいつも自分と孫の前においしそうな料理を並べ、私の前には残り物や彼らの好まないものがいま並べられていました。

　最初は気にしていませんでしたが、次第に心の中で寂しさや疎外感が芽生えてきました。しかし、私はまだ自分の感情を認めきれず、心の中で不満を募らせていました。そのころ、私はまだ自分の心性を深く見つめ直すことはなく、人間の観念に囚われ続けていました。嫁への不満や怨恨の念は消えず、日常の些細なことで衝突が絶えなかったのです。

　しかし、時間が経つにつれて、私の人間の心がむき出しになってしまいました。食べ物の良し悪しはそれほど気にしていなかったのですが、私が気にしていたのは体面のことです。孫が家にいるため、嫁の態度が孫に対して私への見方に影響を与えていることを感じていました。何カ月もの我慢と嫁への怨恨の気持ちを、私は息子に一言も話しませんでした。普通の人間の考えなら、嫁が悪いと思うのも当然でしょう。しかし私は修煉者であり、人間の理（道理）と神の理は逆であることを知っていましたのに、怨恨心の罠にはまってしまい、人間の思考から抜け出せませんでした。

　ある日、野菜市場で義弟とその妻に会い、私はさりげなく愚痴を少しこぼしました。しかし、メンツのために、嫁が私にした具体的なことは言えませんでした。家に帰ってから、歯の根元がただれて水を飲むだけでも痛かったのです。数十年ぶりの歯の痛みだったのです。自分が口を慎まず、陰で嫁の悪口を少し言ってしまったためだとわかりました。たくさん法を学び、正念を発し、師父に助けを求めたところ、3日で歯の痛みは消えました。

　数日後、私は新居を離れて旧居に1人で住みたいと思いました。旧居に戻ってから一度だけ食事をしましたが、その後まもなく下腹部に鋭い痛みを感じ、続いて尿失禁が起こり、尿に血が混じりました。この状態は、以前、心性の関を乗り越えられなかった時と同じ状態でした。私はすぐに警戒し、自分の内面を見つめ直し始めました。今の状況から逃げ出すため、関を乗り越えず、怒って旧居に戻った私の行為は良くなかったと気づきました。関を乗り越えず、また自分を深く掘り下げず内省しなかったため、邪悪な力に付け込まれたのだと分かりました。

　私はすぐに師父の写真の前にひざまずき、両手を合わせて師父に自分の過ちを認めました。

　すると数分後、突然現れた体のあらゆる魔難の偽りの姿はすべて消え去りました。

　慈悲深い師父がまたもや弟子のために負うべきではない苦難を再び負ってくださったことに感謝し、私は本当に修煉に励まなければなりません。

　内省し、暗闇の先に光明を見る

　新居へ戻る道中、帰宅後にどうすれば心の奥底から嫁と向き合い、話し合えるかを考えていました。そして、自分を捨て去り、修煉者としての慈悲と善の心を持って嫁に接することを決意しました。彼女は法のためにやってきた生命であり、私とは深い縁で結ばれています。

　私を成就させるために、嫁は私のそばにいて、彼女の振る舞いを通じて私の人心や執着を浮き彫りにし、心性を高める助けをしてくれているのです。正法はすでに終盤に差し掛かっており、私は師父に心配ばかりかけている情けない弟子です。さらに、私のために嫁が苦しみながら業を消してくれていることに胸が痛みます。

　私は帰る道中ずっと自分を正し続け、息子夫婦がいる家に戻りました。

　嫁は、まるで何事もなかったかのように私を迎え、「お母さん、帰ってきたね。今夜は何を食べる？」とさっぱりと声をかけてくれました。

　嫁のこの突然の変化に、私はまだ心の準備ができておらず、本当に不思議に感じました。

　私は気楽に「お任せするよ」と返事をしました。

　そして、長い間しかめっ面だった嫁の眉もゆるみ、顔色も普通に戻り、家庭は昔の平和を取り戻しました。

　師父は私が真心から自分を修めたいと願っているのを見て、ほんの一瞬で私が嫁に抱えていた怨恨の心を解かれました。

　慈悲あふれる師父の限りない法力に感謝し、広大な仏恩に深く感謝します。