文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年6月17日】私は1998年に法輪大法の修煉を始め、以来20年以上修煉を続けています。今回は、真相を伝え人々を救う過程で体験した、二つの小さな出来事を皆さんと共有したいと思います。

　一、師父は常に弟子を守ってくださっています

　2005年、当時はまだ邪悪な勢力の動きが活発で、我が子もまだ幼かったため、普段は近隣の村にだけ真相資料を届けていました。夫（同修）が迫害を受けた後、私はある偏僻な村がほとんど真相資料に触れる機会がないと知り、その村にいる衆生を救うことを願い、毎日発正念の際に、その場所の衆生を妨害する生命や要素を取り除くようにと、一念を加えていました。この発正念を一か月近く続けたある夜、子どもと義理の母が眠ったのを見計らい、自転車に乗ってその村へ真相資料を届けに出かけました。

　途中、小さな村をひとつ見つけました。十数戸ほどの家しかなく、道の両側にそれぞれ3、4軒の家が並んでいました。「せっかくここまで来たのだから、1軒も残さず届けよう」と思い、その村にも資料を配ることにしました。しかし、事前にその村のために発正念をしていなかったためか、妨害が非常に激しく、最初の配布時からトラブルに見舞われました。北側の1軒に資料を届けて、振り返って数歩歩いたところで、懐中電灯を持った女性と鉢合わせし、彼女は驚いた声を上げ、私も心臓が飛び跳ねるほど驚きました。もう夜の11時近くだったので、まさか人に会うとは思ってもいなかったのです。彼女は「うわ、びっくりした」と言いましたが、私は無言でその場を立ち去りました。最後の一軒に到着した時、そこが行き止まりの路地であることに気づきました。中には高さ50センチほどの棘が刺さった土の壁があり、その外はとうもろこし畑でした。家の門の前に着いた途端、大きな犬が激しく吠え始め、外の灯りがついて人も出てきました。私は慌ててとげだらけの壁によじ登り、反対側のとうもろこし畑に飛び降りました。足元が不安定な中をなんとか通り抜け、大通りに出て自転車を見つけ、その場を離れました。後で気づいたのですが、あのとげのある壁を乗り越える際、まったく傷つくことがありませんでした。「師父が守ってくださっていたのだ」と心から感謝しました。同時に、「ここでこんなに妨害を受けたのは、事前に正念を発していなかった自分の至らなさが原因だ」と悟りました。

　その後、目的の村に到着すると、月明かりの下で村全体が静まり返っており、人影も犬の声もありませんでした。私は持参したすべての真相資料を、一軒一軒の家の前に無事配ることができました。すべて配り終えて家に戻った頃には、空はうっすらと明るくなっていました。帰宅後、再び座って発正念をしたところ、自分の世界全体が湧き立つような感覚に包まれ、それがしばらく続きました。「これは師父が、私の正しい行動を励ましてくださっているのだ」と感じました。

　この体験を通して、私はこう悟りました。師父は常に私たちのそばにいて、見守り、守ってくださっているのです。私たちが三つのことを正しく行えば、師父は励ましてくださり、危険な場面では私たちを護ってくださる。三つのことは互いに補完しあっていて、法をしっかり学ぶことによって、正念をよく発することによって、周囲の環境も正せます。邪悪の妨害がなければ、衆生は本当に救われるのです。私たちが行っていることは、師父や大法のためではなく、自分自身のため行うのです。師父のご指導に心から感謝します。

　二、国内外の同修と連携して、邪悪な干渉を解体した体験

　夫はこれまで何度も迫害を受けてきました。2021年の「ゼロ行動」の時期、警察から電話があり、「夫に写真を撮らせるために訪問する」とのことでした。私はすぐに「夫に迷惑をかけないでください」と断固として言いました。警察は「ただ写真を撮るだけ、そんなに緊張しなくてもいい」と言いましたが、私は「家に来る必要はありません。私の方から出向きます」と答えました。電話を切った後、私はすぐに同修に相談し、その警察の電話番号と嫌がらせ行為の詳細を「明慧ネット」に投稿して公にしました。そして、海外の同修に協力を求め、その警官に電話で真相を伝えてもらうよう依頼しました。

　その夜、夫にこの出来事を伝え、発正念するよう促しました。そして私も内に向けて自分を探し、自分の中にある闘争心、恐怖心、依存心に気づきました。私はこれらの人心を取り除くため、繰り返し発正念しました。「これは自分が向き合うべきことだ。自分の恐怖心がとても強いので、師父が恐怖心を放下して真相を伝える機会をくださったのだ」と思い、正面からこの問題に向き合う決意をしました。

　私は警察署に出向いてその警官に会いました。夫が繰り返し迫害されてきたことで、私の恐怖心も非常に強かったため、今回は堂々と大法弟子としての立場で真相を伝えたり、「三退」を勧めたりすることはできませんでした。ただ、夫が当時どのようにして不当に拘束されたのか、具体的な事情を説明し、もうこれ以上私たちを騒がせないようにと話しました。「私たちは無実です。これは完全な冤罪で、警察がノルマを達成するために捏造した案件なのです。不明な常人に虚偽の証言までさせたのです」と訴えました。

　それに対して警察官は、「特に問題はない。ただ写真を撮るだけ。協力してくれればそれで済む。家に行ってもいいし、職場に行ってもいい」と言いました。私はきっぱりと答えました。「あなたたちは『ちょっと会うだけ』といつも言うけれど、それは単なる口実、騙しの手口でしょう。これまで警察が私たちに本当のことを言った試しがありません。嘘ばかりです。私はもうあなたたちの言うことを信じませんし、これ以上関わらないでほしいのです。以前、あなたたちが夫を洗脳チームに連れて行ったときも、同じように『ちょっと話をするだけ』と言って連れ出し、その後、毎回私が夫を探しに行っても、『すぐ帰ってくるから心配するな』と嘘ばかり言って、結果的に夫は不法に労働教育させられました。だから、もう信じられません。どうか私たちに構わないでください。あなたたちが来なければ、私たちは平穏に暮らしています。あなたたちが来ると、必ず何かが起こるのです」

　最初、その警察官は非常に強硬な態度で、繰り返し私の家や夫の勤務先に行って写真を撮らせるよう要求してきました。しかし私は一切動じず、心性を保ち、穏やかに私たち家族が中国共産党の迫害の中でどれほど不当な扱いを受けてきたかを語りました。さらに私は、かつて私たちを迫害した人たちのその後についても話しました。真相を理解し、心から悔い改め、できる限り過ちを償おうとした人は、今も無事に暮らしていること。そして、真相を理解せず妨害ばかりし、事実を歪めて虚偽の証言をして夫の勾留期間をさらに4カ月も延長させた人物は、それからわずか4カ月で癌を患い、命を落としたということを伝えました。その話を聞いて、警察官は真相を理解したようで、「わかった。もう帰っていい」と言い、私を警察署の外まで送り出しました。

　私は今回のことを通して悟ったのです。師父が求めておられるのは、私たちの「師を信じ、法を信じる心」そのものなのだと。私が警察官に対して話をしたのは、ただ彼にこれ以上業力を積ませたくないという気持ちからでした。私たちは無実であり、これ以上騒がない方が彼自身のためだと静かに伝えたのです。それ以降、彼は私たちの家にも夫の職場にも、一切干渉しに来なくなりました。

　振り返ると、あの警察官はそれ以前にも何度も真相を耳にしていたのだと思います。ただ、大法弟子たちが語る真相を完全には信じきれていなかったのでしょう。私が、我が家が受けた迫害と、それに関わった人々の報いの実例を話したことで、ようやく信じるに至ったのです。まるで飢えた人に、すでに誰かが9枚の餅を与えていたところに、私が最後の1枚を渡して初めて満たされ、真に理解できたようなものでしょう。すべては師父がすでに按排してくださっていたこと。私はただ少し足を運び、少し口を動かしただけで、すべてが最善の形で導かれたのです。

　師父の慈悲なるご加護に心から感謝いたします。弟子にできる恩返しは、ただひたすら精進あるのみです。また、海外の同修が真相電話で支援してくださったこと、近くの同修たちが正念をもって協力してくれたことにも、深く感謝いたします。