文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年6月23日】私は長年、ある執着を手放せずにいます。それは、よく接する同修のAさんに対する反感の感情です。Aさんには、目立ちたがり、安逸を好む、食や利益への執着、話を盛る、嘘をつく、口を修めない、人の忠告を受け入れない、恨みや嫉妬、怒りっぽい、疑い深い、面子を気にする、報復心など、多くの人心が見られます。彼の身体が長年病業状態にあるのも、ある程度はこうした心の反映だと感じています。修煉者にこれらの執着があると、旧勢力に隙を突かれることは分かっています。私は何度か率直に指摘しましたが、彼は受け入れず、逆に私に恨みを抱くようになりました。その後、私は彼のことを師父にゆだね、自分自身を内に向けて探すよう努めてきました。

　しかし、「彼と関わりたくない」という強い思いはなかなか消えません。法に合わないと分かっていても、学法や発正念で心を整えても、一時的に落ち着くだけで、また元に戻ってしまいます。最近、Aさんが「なぜ自分を無視するのか」と強く怒りをぶつけてきました。実際、私は彼を避けていました。今は人を救ううえで非常に重要な時期であり、まず自分自身をしっかり修めることの大切さを痛感しています。慈悲の心が欠けていては、人を救うことはできません。この執着をどうすれば根本から取り除けるでしょうか？

　静かに心を落ち着けて考えてみました。私は人々に法輪大法の素晴らしさと迫害の真相を伝えるとき、どんな反応をされても恨まず怒らず、相手を受け入れることができます。彼らが迷いや虚言、社会の道徳の堕落に影響されている存在であり、本来は法を得て救われるべき特別な命だと分かっているからです。そのため、常に慈悲をもって接し、理不尽な言動も、自分の執着を見つける機会としてきました。では、なぜ同修に対してだけ、同じような慈悲の心を持てないのでしょうか？

　一、同修と常人の共通点と違い

　「なぜ常人の人心や執着には穏やかに接することができるのに、同修にはそれができないのか？　同修と常人には、どのような共通点と違いがあるのか？」と考えました。

　共通点としては、どちらも法のために来た生命であり、迷いの中にあって、旧宇宙の「私利私欲」という性質を受け継いでいます。七情六欲を持ち、佛性と魔性の両面を備えており、道徳の堕落した現在の環境下で生きています。特に中国では、党文化による「偽・悪・闘」の思想に深く影響されている点も共通しています。つまり、同修であっても常人であっても、その背後には邪悪な生命や要素の影響があるという点では同じなのです。

　では、違いはどこにあるのでしょうか。それは、同修は師父によって選ばれ、加護を受けています。使命を持ってこの世に来ており、修めて基準に達した部分は法によって隔離・保護されており、学法や煉功、発正念をする中で真実を伝え、人々を救っています。大法は絶えず彼らを清めており、宇宙や生命の真実が少しずつ彼らに明かされていく中で、彼らの人心や執着も少しずつ取り除かれていきます。これが常人とは異なる点です。

　二、なぜ私は同修と常人に対して態度が違うのか？

　それは、私の中で基準が異なっているからです。私は同修に対して、大法の基準で測っていました。しかし、同修も旧宇宙の「私利私欲」の性質を持ち、七情六欲に影響されており、中共の党文化の影響も深く受けています。執着が表面に現れるのは、ある意味で自然なことです。しかも、彼らが修めて基準に達した部分は法によって隔離されて見えず、他人から見えるのは「まだ修め切れていない部分」が多いのです。つまり、同修が人心に支配されているときは、まさに「常人としての姿」が現れているのであり、そこに大法の基準で批判的に接するのは、私自身の狭量さであり、誤った態度だったのではないでしょうか。だからこそ、同修の人心や執着に直面したときこそ、常人と同じように「善」と「慈悲」の心で向き合うべきなのです。

　三、なぜ多くの同修の人心や執着が私の前に現れるのか？

　一つ目は、自分の「鏡」として映し出されているからです。自分の執着を取り除くには、まずそれに気づくことが必要です。師父の法身はすべてを見ておられるため、私がまだ気づいていない執着について、師父は人や出来事を通して気づかせてくださいます。たとえば、同修のAさんに見た「安逸、貪欲、嘘、不適切な言動、利益への執着、批判への反発、恨み、嫉妬、怒り、疑い、面子、争いの心」などは、実は私自身にも多少なりともあったものでした。

　伝統文化には「自分がされたくないことは他人にしない」とあります。私も多くの執着を抱える中で、拒絶より理解されたいと願っています。同様に、他人の執着に対しても、拒むのではなく包み込む姿勢が必要ではないでしょうか。特にAさんへの強い反発は、「情」に由来するものであり、修煉者として手放すべきものです。私はこの「情」を「慈悲」に変えたいと願っています。

　二つ目は、同修の姿は「仮相」であり、助けるべきものです。学法を通して、同修の法に沿わない言動は「仮相」に過ぎず、それを引き起こしているのは背後の邪悪な存在かもしれないと気づきました。かつて私は、こうした行動を同修自身の本質と見なし、怒りや嫌悪を感じていました。しかし本来見るべきは、その背後にある迷いや魔難であり、私が助けるべき対象だったのです。

　この気づきにより、私は同修にも師父にも申し訳ない気持ちでいっぱいになりました。師父は仮相を通じて私に悟りを与え、同修を助けるよう導いてくださっていたのです。では、どうすれば困難の中にある同修を助けられるでしょうか？

　師父は次のように説かれました。「彼が法に基づいて認識し向上することができるように助けてあげることと、一緒に正念を発することです。大法弟子が行うべき衆生を救い済度することを多く行なってください。これらのことは彼を助けることができます」（『二〇〇三年元宵節での説法』）

　学法を通じて私は、同修を助けるにはまず一緒に学法し、そして発正念し、法に基づいて穏やかな心で交流することが大切だと理解しました。多くの場合、同修は邪悪な存在に影響されているため、私たちは慈悲の心を保ち、表面的な現象に惑わされず、正念でそれを取り除く必要があります。師父は誰一人見捨てられません。「同修への迫害を絶対に許さない」という強い正念を持てば、法は私たちにその力を与え、師父と正の神々も助けてくださるのです。

　私たちが慈悲と調和ある場を築けば、不正な生命や要素はそこに存在できません。ただし、法理を理解したからといって、すぐに行動に移せるわけではないことも、修煉の中で痛感しています。特に心が動かされる場面では、まず心を落ち着け、言葉や態度に注意し、少しずつ執着を取り除いていくしかありません。

　三つ目は、同修を助けることは、大法を守り、人を救うためです。どの同修も、「私は大法弟子だ」と表明した時点で、その言動は大法のイメージを代表することになります。大法弟子は一つの全体であり、同修に責任を持つことは、大法に責任を持つことでもあります。

　結びに

　「心に私心なければ、天地は広い」と言われます。修煉者の心にわずかでも不快感や滞りがあるとき、それは「真・善・忍」に背く何かが内にある証拠です。そんな時こそ、他人を責める前に、自分自身を大法に照らして正すことが大切です。自らを正してこそ、同修を真に助けることができ、人を救う協力ができ、大法を実証することができるのです。

　同修の執着に対して自分が執着してしまうことは、修煉者同士によく見られる問題です。その結果、仮相に惑わされて大法に基づいた認識ができず、自らの修煉をなおざりにしてしまうと、旧勢力に隙を突かれてしまいます。そうなると、同修の間に隔たりが生まれ、病業に苦しんだり、迫害を受けたり、時には命を失うといった深刻な結果を招くことにもなりかねません。こうした問題は個人の漏れであると同時に、全体としての漏れでもあります。そのため、自分自身の修煉を常に重視し、同修同士が互いに理解し合い、支え合うことが何よりも重要なのです。

　以上はあくまで私個人の認識に過ぎません。不適切な点があれば、どうぞご指摘ください。　