　【明慧日本2025年6月25日】河北省承徳市の法輪功学習者・陳艶秋さんは2024年7月12日、警察に不当に自宅を侵入され、連行された。その後、承徳市双峰寺留置場に拘束され、罪をでっち上げられた。陳さんはこれまでに3度の不当な裁判を経て、2025年5月下旬、承徳市双橋区裁判所により懲役9年の判決を言い渡された。陳さんは、この判決を不服として承徳市中級裁判所に控訴した。

　陳さんは1967年生まれ、承徳市双橋区馮営子鎮馮営子村に居住している。法輪功（ファールンゴン）を学び始めて以降、「真・善・忍」の教えに則りより良い人間になるよう努め、心身ともに大きな恩恵を受けてきた。陳さんはかつて胃病や頭痛など複数の疾患を抱え、心身ともに疲弊していたが、法輪功を始めた後は、それらの病がすべて消え去った。また、嫁姑関係や近隣との間にもいさかいが生じなくなり、隣人たちに好評されている。

　2024年7月12日、陳さんが自宅で弁当を作っていたところ、承徳市公安局、高新区分局、承徳県公安局および馮営子派出所の警官らが住宅に押し入り、陳さんを連行した。このとき、関係者らは何ら証明書類を提示することなく、陳さんの両手を背後で手錠にかけ、無理やり私用車に押し込んで連れ去った。さらに、陳さん宅の戸棚の扉を壊し、法輪大法の関連書籍、USBメモリ、カードリーダー、現金15,500元を押収した。陳さんの夫がその様子を携帯電話で撮影しようとしたが、警察はその携帯電話をその場で奪い取った。同日、陳さんは双峰寺留置場に拘束された。

　陳さんが連行された後、警察は陳さんの家族に対してたびたび嫌がらせを行い、子どもの将来を盾に取り、子どもに動画の撮影を強要し、陳さんに転向を強要した。また、陳さんの娘の携帯電話2台は警察により押収されたが、「お前の母の事件は終わっていない」という理由で、返還を拒否され続けている。

　2024年11月12日、陳さんの家族は、陳さんの事件がすでに承徳市双橋区裁判所に送致されたとの情報を得た。担当裁判官は、「陳はすでに成人であるため、家族に公判期日を通知する必要はなく、本人に通知すればよい」と主張した。

　翌月の12月27日、陳さんに対する不当な裁判が承徳市双橋区裁判所にて開かれた。本来は午前9時に開始される予定であったが、開廷は大幅に遅れ、午後4時過ぎにようやく始まった。開廷から約1時間後、様々な事情により審理は中断され、その場で閉廷となった。当時、家族は陳さんの弁護を行う意向であったが、裁判官は「子どもがすでに供述を行っている」という理由で弁護を認めなかった。さらに、「「証人」なのに、なぜそう言わないのか。証人は弁護人にはなれない」と述べた。これに対し、陳さんの子どもは「誰が私を母の証人にしたのか？　証人にされることに同意した覚えはありません。これは誘導です」と抗議した。これを聞いた裁判長は、審理を中止して退廷し、「無駄な開廷だった」と言い放った。なお、この間、陳さんが食事と水を求めたが、いずれも拒否され、一日中空腹のままであった。

　2025年1月7日、陳さんに対する2度目の裁判が承徳市双橋区裁判所にて開かれた。今回の公判では、傍聴者として1名のみの入廷しか許可されなかった。弁護士は強く抗議し、「我々は前回同様、法廷の規律を守り、発言も慎む所存です」と主張したが、それでも傍聴は認められなかった。さらに、当日、陳さんは体調がすぐれず、心臓病が再発したことにより、公判は成立しなかった。これを受け、家族は陳情を通じて状況を訴えた。弁護士もまた、裁判は公開であるはずであり、家族はすでに半年以上も本人に会えず、なぜ傍聴が許されないのかといった点について、強く問題提起を行った。

　2025年2月10日、陳さんに対する3回目の裁判が承徳市双橋区裁判所において開かれた。弁護士は法廷において無罪弁護を行った。まず第一に、事件の発端は「上級の指導者から電話があり、『承徳県から法輪功に関する手紙が届いた。それについて調査せよ』との指示があった」というものである。その後、陳さんは自宅で料理をしていた最中に突然連行された。しかしながら、問題となっている手紙は陳さんが書いたものでも、送付したものでもなく、その内容も法輪功に関する真実および善意の呼びかけであり、違法性は一切存在しない。第二に、「誰それを首謀として法律の実施を妨害した」とする罪名に関しても、その「誰それ」と陳さんとの間には何らの関係性も存在しない。第三に、事件記録によれば、陳さんは法輪功を学んでいること、家庭内で個人使用していた書籍および拾得したプリンターを所持していたことが「証拠」とされている。また、家族は何も知らされないまま「証人」として利用されており、これは明らかな誘導・捏造であり、善良な人間を陥れるための構図である。さらに、押収された現金も証拠として扱われた。当時、公安当局は陳さんが弁当を販売していた工事現場に赴き、「誰でも陳さんが「真相紙幣」（法輪功の無実が書かれた紙幣）を使ったと証言すれば、現金500元を報酬として与える」と言ったとされる。これに対し、工事現場の作業員らは「誰がたった500元のために良心を裏切り、不徳なことをするだろうか」と応じたという。これは虚偽証言の可能性が高いと見られ、その証言と録音記録が収集され、証人および物証も法廷に提出された。しかしながら、これらの弁護側の主張は当廷において一切採用されなかった。さらに、「証拠不十分」との理由により、捜査側は2016年に陳さんが連行された際の事件記録を本件に組み込んだ。当時は保釈として8,000元の保証金が支払われていたが、その保証金は2022年に返還され、法的拘束力はすでに失効している。

　2025年5月下旬、弁護士から陳さんの家族に対し、陳さんが承徳市双橋区裁判所により懲役9年の判決を受けた旨の連絡があった。さらに6月中旬には、陳さんが控訴したことに対し、承徳市中級裁判所が正式に本件を受理したことが確認された。

　（注：法輪功学習者を迫害している主要な責任者らの情報は、中国語のページを参照）