　【明慧日本2025年6月26日】（明慧ネット四川省特派員の報道）成都市に住む64歳の法輪功学習者・徐衛東さんは、2023年11月に自宅に押し入った警官に連行・拘禁され、2025年3月25日に温江区裁判所によって秘密裏に懲役5年の不当判決を受けた。この1年あまり、妻の孫鳳華さんは夫の弁護人になることを求め続けたが拒否され、弁護士を雇おうとしても地元の司法機関から脅迫を受け、弁護が認められなかった。

　孫さんは夫が再び判決を受けたことを知り、面会や訴訟資料、判決書の閲覧を求めたが、いずれも拒否された。彼女は成都市温江区検察院や裁判所に抗議書や告発状を書き、成都市の公安・検察・司法機関に苦情の電話をかけた。2025年5月15日、孫さんは帰宅途中の自宅前で連行され、同じ事件の罪で刑事拘留され、現在も成都市温江区の留置所に拘禁されており、釈放されていない。

　徐さんは1961年8月生まれ、黒龍江省黒河市出身で、冶金システムの元エンジニア。成都市温江区に住んでいる。1998年に法輪功（ファールンゴン）の修煉を始め、当時は体調が悪かったが、1年あまりの修煉で身体が一変し、心身ともに健康になった。妻の孫さんも修煉後、産後の冷え症が完治した。

　1999年7月20日、中共の江沢民集団は「真・善・忍」を信奉する数千万の中国の法輪功学習者に対し、「名誉を汚し、経済を破綻させ、肉体を消滅させる」という絶滅政策を始めた。徐さんと孫さんも残酷な迫害を受けた。2000年4月、徐さんは北京へ陳情に行き、天安門広場で2人の私服警官にバンに連れ込まれ、激しい暴行を受けた。その後、天安門広場の臨時拘禁所に移され、地元の黒河市で15日間拘禁された。

　四川省に戻った後、徐さん夫婦は職場から不当に解雇された。仕事がなくなり、生活の糧も失った。彼らの息子は成都市温江区天府鎮で野菜や果物を売って生計を立てていたが、地元派出所の警官が頻繁に自宅に押し入り、家宅捜索や尋問を行ったため、一家は離散を余儀なくされ、息子も学業を中断した。2001年4月、孫さんは永寧派出所に連行され、2人の警官から顔が変形するほど殴られ、腕、脚、足が黒紫色になるまで暴行を受けた。迫害から逃れるためバルコニーから飛び降り、腰に重傷を負い、温江区で43日間にわたって拘留された。

　2002年4月25日、徐さんは迫害の真相を伝えたことにより湖北省黄石市公安局に連行され、拷問を受けた後、四川省成都市の留置所に移送された。2003年8月、成都青羊区中級裁判所で懲役10年の判決を受け、同年8月20日に四川広元刑務所に送られ、過酷な拷問や奴隷労働などの迫害を受けた。6年半後の2010年6月10日、四川五馬坪刑務所に移され、さらに迫害が加重された。2012年5月14日に釈放された。

　2002年4月30日午前4時、孫さんと息子は借家に押し入った文家場派出所の警官に連行された。孫さんは3年の労働教養を科され、楠木寺労働教養所に送られた。当時15歳だった息子は成都留置所に1か月拘禁された後、放浪生活を強いられた。3年後、母子は再会できた。

　2023年11月26日午後4時頃、成都市公安局温江分局柳城派出所の警官が徐さんの自宅に押し入り、徐さん夫婦が「外で真相を伝えた」ことを口実に連行し、コンピューター、プリンター、法輪功の書籍などの私物を押収した。同日夜7時頃、夫婦は柳城派出所に連行され、温江区の永盛留置所で10日間の行政拘留を受けた。

　2023年12月7日、孫さんは釈放されたが、柳城派出所の警官・黄凱は徐さんが過去に懲役10年の判決を受けた「前科」を理由に刑事拘留に切り替え、起訴すると脅した。12月14日、徐さんは温江区検察院に訴追され、成都留置所に拘禁された。

　2024年11月、検察官・劉旭は徐さんを温江区裁判所で起訴し、「自白しなければ家族を逮捕し、罪を認めなければ重罰を科す」と脅迫した。徐さんは無罪を主張し、起訴状への署名を拒否した。孫さんは温江区裁判所に再鑑定申請書や庭前釈法申請を郵送し、最高検察院や最高裁判所に刑事告発状を送った。最高裁判所は「管轄機関に申し立ててください」と回答した。孫鳳華さんは夫の弁護人として無罪を主張し続けたが、認められず、雇った弁護士も地元の司法機関から脅迫を受け、弁護できなかった。

　2025年4月21日、孫さんは温江裁判所が密かに開廷し、徐衛東さんに5年の不当判決を下したことを知った。判決日や裁判の詳細は家族に一切知らされていなかった。温江裁判所に問い合わせたところ、「2025年3月25日に判決が確定した」と回答されたが、判決書の提供は拒否され、「判決書は当事者にのみ渡す」とされた。

　4月23日、家族が温江留置所で徐さんとの面会を求めたが、「国家機密事件」として面会を拒否され、翌週に徐さんは楽山五馬坪刑務所に連行され、3か月後でなければ面会できないと言われた。

　孫さんは訴訟資料や判決書の閲覧を求めたが拒否され、温江区検察院や裁判所に抗議状や告発状を書き、成都市の公安・検察・司法機関に苦情の電話をかけた。5月15日、孫さんは帰宅途中の自宅前で連行され、同じ事件の罪で刑事拘留され、現在も温江区留置所に拘禁されている。