　【明慧日本2025年6月26日】十数年前、車の運転中に信号待ちをしていると右手の空き地にある大きな看板に目が留まりました。看板には、「無料気功教室」と書かれています。当時、体調があちこち悪かった私は、特に偏頭痛がひどかったため、気功の先生が手をかざしてエネルギーを注入してくれたら楽になるかもしれないと思い、その教室に行ってみました。

　そこでは参加者が輪になって本を読み、中国の体操のような動作をしていました。皆が読んでいたのは『法輪功』という本でした。私も一緒にその動作（煉功）をしてみると、頭がすっきりとし、体が軽くなったのを感じました。それで私は、この気功は誰かに（治療などを）してもらうのではなく、自分でするものだと知ったのです。2か月ほど続けたのですが、当時通っていた中国整体の先生から、「法輪功は中国では危険な団体なので、すぐにやめたほうかいいですよ」と言われ、それきり気功教室に参加するのをやめてしまいました。

　それから5年が経ち、ちょうど60歳の誕生日を迎えた日に私はふと、「このまま私の人生が終ったらあとに何が残るんだろう．．．。仕事と子育てで毎日慌ただしく過ごし、何か大切なことをし忘れている気がする」と思いました。その大切なことが何なのか、考えてもどうしても思い出すことができません。そのまま頭の片隅にしまい込み、いつの日か思い出すだろうと思いました。

　まもなくして娘の体調が悪くなり、家でごろごろ過ごすようになりました。そんなある日、1枚のチラシがポストに入っているのを見た娘が、「お母さん、一緒にこの気功教室に行ってみない？」と言うのです。チラシを見てみると、私が以前少し通っていた、あの気功教室のチラシだったのです。

　娘の希望で私はしかたなく、煉功場所に行きました。「きっとあの時のメンバーはもういないだろうから、まあいいか．．．」と、娘のために再び同じ気功教室に参加したのです。偶然にも、娘の住んでいるマンションの管理人が法輪功を学んでいる人だと分かりました。娘は、その人にお誘いいただいて、毎日マンションの管理人室で煉功を教えてもらい、あっという間に動作を覚え、みるみる元気に、そして逞しく変貌していきました。

　私がまだ動作を覚えていないうちから、娘はすべての動作を正確にこなし、暇さえあれば法輪功の本を読むようになりました。そんなある時、「おなかの中で何かがぐるぐる回っていて、気持ちが悪い」と言うのです。私はすぐに「法輪」が回っているのだと気づき、「良かったわね。もう何も心配しなくていいのよ。師父に守られているのだから」と言いました。

　それからというもの、私も娘に負けじと頑張るようになりました。すると2ヵ月もしないうちに、いつもバッグに入れている頭痛薬を飲んでいないことに気づきました。夜もよく眠れるようになり、それ以来、薬を飲むことはなくなりました。

　このように、身をもって法輪功の超常さを体験した私は、必ず毎日続けて、そしてやり遂げると誓いました。法輪功を学ぶことで不眠症や腱鞘炎、30年来の花粉症も楽になり、よくけんかをしていた主人と言い争うこともなくなりました。

　ところが仕事が忙しくなってくると、だんだんと緩み、寝る前に短い静功をしただけで寝てしまう、という毎日になってしまいました。すると咳が出始めとうとう止まらなくなり、お風呂の中で血を吐いてしまったのです。私はすぐに、そのとき海外に住んでいた娘に発正念を頼み、夫に病院へ連れて行かれました。担当医は肺結核か肺ガンの疑いがあると言い、無菌室に入れられました。不安と恐怖から眠れず、三日三晩の間、学法と煉功をして論語を暗唱しました。息をする度に、壊れたギターのような音が、息をするたび聞こえてきて、寝返りを打つことさえできない状態でした。私は心の中でずっと、「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」と唱え、心を落ち着かせました。その後、第五式の功法をしたところ、坐禅の1時間があっという間に過ぎ去り、足は全く痛くならず、その間一度も咳が出なかったのです。

　結局、肺に何かのウイルスが入って炎症を起こしていたという診断を受け、二週間で退院しました。家に帰ったその日、今日からすべての仕事をやめ、三つのことをしっかりやろうと誓いました。

　病院でもらった薬をすべて捨て、月1回の通院の約束でしたが行くのをやめることにして、担当医に手紙を書いて「法輪功」という気功を毎日します、と伝えました。また、明慧ネットの校正の仕事もさせていただくようになり、大法のすばらしさを実感することができました。

　そうなのです！　あの60才の誕生日に、思い出せななかった「忘れている大切なこと」が見つかったのです。私がこの世に生まれた理由が分かり、内なるエネルギーが体中に満ち溢れるのを感じました。

　人身事故を起こし、多くの執着心を見つける

　昨年9月4日のことです。煉功場から運転しての帰り道、我家まであと50mというところで、人身事故を起してしまいました。三差路で一旦停止をせずに右折した瞬間、目の前にバイクが突然現れ、私の車に接触して転倒し、運転手が16日間入院する、という事故を起してしまいました。

　私はすぐに車を停め、救急車を待つ間「師父、この方を助けて下さい」「法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい」と心の中で言い続けました。主人と一緒に、運転手が運ばれた病院へ行くと、「折れた肋骨が肺に突き刺さり、肺から出血しているのでその手術をしている」とのこと。私は血の気が引き、自分が顔面蒼白になっていることに気づきました。

　事故の時のことを思い起こすと、日中の明るい時間だし周りには人も車もおらず、この角を曲かればすぐに我家だ、と油断をしていたのです。主人は冷静に「きちんと一旦停止さえしていれば、3秒程度の時間差ができてあのバイクとぶつかることはなかった。お前が悪いのだ」と言いました。実は、私はそこに一旦停止の標識があること自体認識しておらず、これまでは、前を走る車に合わせて、前の車が止まれば止まり、発進すれば一緒に発進していたのです。私は主人の言う通りだと思いました。心を落ち着かせて冷静になると、私のいい加減さが浮き彫りになってきました。自分が歩行しているときには遠くにある横断歩道は遠回りになるので渡らずに車道を斜めに横切って渡ったりしていましたし、運転中には、信号のない横断歩道を歩く人があまりにも遅いとイライラして、腹が立つことがありました。また、割り込んでくる車に対し、「それはない！」と思うことがありました。人のことを優先していないので、すぐに不平不満が沸き上ってくるのです。このマイナスな心は私心でありどんどん増殖するのですが、実はこんな時こそが修煉の機会だったのです。

　その夜、主人が「今ある人から話を聞いて、びっくりした」と言いました。聞くと、私の交通事故の相手のバイクを運転していた人は、主人の同僚のAさんだったと言うのです。Aさんは心優しい人で、私が病院へお見舞いに行くと、いつも笑顔で会ってくれました。

　事故は私に執着心に気づかせるための顕われだったのです。いつの間にか、自己中心的になり謙虚さも薄れて、このような事故を招いてしまいました。学法が少ないため、大きな漏れやずれが生じてしまっていたのです。師父は大ごとになるところを寸前で守って下さいました。師父は『二〇〇四年シカゴ法会での説法』の中でこう説かれました。「何をするにあたってもまず相手のことを考えなければなりません」。他人を第一にし、どんなことがあっても内に向けて探し、多くの執着心を見つけ、それを取り除くことができてはじめて心性を向上させることができます。自分の中の執着心を見つけ、悟ることが重要です。

　毎回の関はすべて修煉のチャンスであり、これを悟ることができなければ関はさらに大きくなり、悟らせられるのです。修煉の道において、トラブルに直面したり、心に不平不満が湧いたときには、常に自分の内に向かって探し、「真・善・忍」の基準と自分を照らし合わせるようにしています。もし無条件に法と師父の教えに従うことができれば、自分の次元を高めることができます。

　以上は現時点での私の理解です。これからもしっかりと修煉し精進いたします。師父と大法に感謝申し上げます。