　【明慧日本2025年6月30日】遼寧省瀋陽市在住の法輪功学習者・遅恩宏さん（76歳男性）、張玉清さん（75歳女性）夫婦は、2025年4月16日、当局に不当に連行されたあと、法輪功への信仰を理由に起訴された。遅さんは現在起訴され、張さんは健康診断で基準に達していないため保釈されており、最近自宅で尋問を受けた。警察は張さんが発作を起こすまで立ち去らなかった。法輪功(ファールンゴン)は世界の人々に親しまれる精神修養法であるが、1999年以来、中国共産党によって迫害されている。

　事件の詳細

　2025年4月16日、濱河派出所の警官は遅さんを自宅まで尾行し、プリンター、ノートパソコン、法輪功の書籍、その他の資料を押収した。さらに、張さんも拘束しようとした。張さんが抵抗すると、派出所に行って押収品を確認しなければ夫を拘禁すると脅された。結局、張さんは警察に同行し、書類に指紋を押印させられた。

　警察はその夜、張さんを身体検査に連れて行き、翌朝、さらに検査を受けるために同じ病院に戻した。今回は重病であることが判明し、保釈された。警察は家族に対し、張さんを自宅に留めておくよう指示し、外出した場合は連行すると脅した。

　翌日、遅さんは方家欄拘置所に拘禁され、現在もそこに留まっている。

　6月16日午後3時過ぎ、濱河派出所の警官が遅さん夫婦の娘に電話をかけ、午後7時30分に母親を連れて来るよう命じた。娘は約束の時間に1人で派出所へ向かった。午後8時、2人の警官が、張さんが滞在していた娘の自宅に押し入った。

　張さんは病気のため寝たきりだった。警官はボディカメラを作動させ、張さんの娘だけを部屋に残した。警官は尋問を試みたが、張さんはいかなる質問にも答えず、法輪功を放棄する声明書にも署名しなかった。警察は記録に「張さんは一言も口を開かなかった」と記した。

　警官は、張さんが協力を拒否すれば重い刑罰を科すと脅した。また、警官は中国国外の法輪功学習者から遅さんの釈放を求める電話を受けていたとして、張さんが「海外の勢力と共謀している」と非難した。すると張さんは突然、制御不能な痙攣を起こした。警官たちはボディカメラの電源を切り、その場を立ち去った。

　遅さんは（正確な時期は不明）正式な逮捕状が発付されており、検察庁によって起訴されることになった。

　過去の迫害

　1999年の迫害開始以来、遅さん夫婦は信仰を貫いたため、繰り返し連行され、強制労働収容所に送られた。彼らだけでなく、遅さんの妹の旦那である徐大為さんも法輪功の実践を理由に迫害の対象となった。徐さんは8年の拘禁期間中、東陵刑務所で残酷な拷問を受けた。釈放からわずか13日後の2009年2月16日、34歳で亡くなった。

　遅さん夫婦は1999年末、法輪功の実践の権利を求めて北京へ行った際に、天安門広場で初めて不当に連行された。地元の拘置所に1カ月間拘禁され、毎日午前6時から午後9時まで労働を強いられた。

　遅さんは2000年6月に再び連行され、1年間の強制労働と3,000元の罰金を科せられた。

　2001年8月、遅さん夫婦は暖泉派出所の警官に連行された。遅さんは後に営口労働収容所へ、張さんは馬三家労働収容所へ移送され、それぞれ3年間の刑期を宣告された。拘禁中、80歳を超え、聴覚障害と唖音障害を抱える両親の1人は、遅さん夫婦の娘に世話をしてもらうよう願っていた。

　警察は釈放後も遅さん夫婦への嫌がらせを続けたため、2人は家を離れて暮らすことを余儀なくされた。遅さんの勤務先は年金の支給を停止し、放浪生活中の2人に甚大な経済的困難をもたらした。