　【明慧日本2025年6月30日】カナダ・カルガリーで開催された国際ロータリー年次大会の期間中、中央図書館にてドキュメンタリー映画『国家の臓器』（State Organs）の上映と討論会が2回行われた。観客は、「臓器強制摘出の犯罪行為は人間の想像を超えており、言葉にできないほどの痛みを覚える」と述べた。また、法輪功（ファールンゴン）学習者の信念を貫く姿勢に敬意を示し、この暴挙を止めるよう呼びかけた。

　この上映会は、「強制臓器摘出を終わらせるためのロータリー衛星クラブ」の主催によって行われた。入場者の半数以上は各国のロータリークラブのメンバーである。ある観客は主催者に対し、「どうしても来なければならなかった。真実を知る必要がある！」と語った。

『国家の臓器』上映前、主催者が映画の背景を紹介

『国家の臓器』上映後、ゲストが観客からの質問に答える

　前国会議員「中共の暴虐はナチスを超えている」

　カルガリー前国会議員のロブ・アンダース氏は、映画鑑賞中に何度も涙を流した。

　「生体臓器摘出の件数については、すでに十分な証拠が示されています。私がオタワで法輪功学習者たちと面会したとき、彼らは電話帳ほどの厚さの資料を私に渡してくれました。その中には、法輪功学習者に対して行われた数々の残虐行為が記録されていました」と話すアンダース氏は、「私は、ますます多くの人々が中国で起きている現実に気づいてほしいと思っています。法輪功学習者に対する暴行は、ナチス・ドイツ時代の暴行と同等か、それ以上にひどいものです」と述べた。

カルガリー前国会議員のロブ・アンダース氏

　アンダース氏は続けて自身の願いを語った。「人々にこの映画を観てほしい。そして、今中国で何が起きているのかをもっと知ってほしい。私は、韓国や日本などの政府が台湾に倣って、中国で法輪功学習者からの臓器を入手することを望まない、とはっきり表明してほしいと願っています」

　カナダ政府は2022年末、臓器の違法摘出および売買を取り締まる法案「S-223号法案」を全会一致で可決した。アンダース氏は、連邦レベルでの立法に加えて、州政府もそれに応じた法規を制定すべきだと話した。「もっと多くの人々が認識すべきです。中国へ移植手術を受けに行くということは、法輪功学習者が自らの命を犠牲にして臓器を提供しているということを意味します。あの国の政府の手は血で染まっています」と彼は語った。

　生体臓器収奪の犯罪行為を広く一般に伝えるために、アンダース氏はとても「草の根的な」アイデアを提案した。「私たちはおそらく、Tシャツや人々が購入できる他のものを作る必要があります。そこには『私の臓器は法輪功学習者から摘出されたものではありません』と書けばいいと思います」

　最後に彼は学習者への賞賛を表明した。「私たちは法輪功学習者が厳寒、酷暑、雨や暴風雪の中でも真相を伝えるために街頭に立ち続けているのを見てきました。これは彼らの大きな奉仕精神を示しています。どうかそのまま続けてください。前に進み続けてください。皆さんの幸運を祈ります、皆さんに祝福を！」

　ロータリークラブ会員「法輪功学習者は敬服に値する」

　反奴隷化ロータリークラブ行動グループ（RAGAS）メンバーのトロイ・スタンセル氏はアメリカの品質エンジニアである。彼は、以前ヒューストンでの会議に参加した際、ある法輪功学習者が労働教養所で強制労働をさせられ、血液を抜かれた経験を語ったことを紹介し、その時に中共の臓器生体収奪の犯罪行為を知ったという。

反奴隷化ロータリークラブ行動グループ（RAGAS）メンバーのトロイ・スタンセル氏

　『国家の臓器』を観た後、彼はとても悲しみと怒りを覚えたという。「この出来事の背後に国家、政府の支援があるとは信じがたい。私たちは政府に守ってもらうことを期待しているのに、その政府がこのようなことをしているなんて、本当に胸が張り裂けそうになり、落胆し、激しい怒りと深い悲しみに襲われました」

　同時に、映画を通してスタンセル氏は、法輪功学習者が殺される危険に直面しても信念を捨てなかったその強さを目の当たりにした。「あれほどまでに信念を貫く人々は、本当に敬意に値します。彼らはあらゆる拷問に耐えながらも、自分の信仰を裏切らなかったのです。これは私たち多くの人にとても恥ずかしく感じさせています」と彼は述べた。

　ロータリークラブ「人身売買撲滅地域行動クラブ」のメンバーであるアン・バーさんは、アメリカ・カンザス州からの参加者で、映画を観終えたときには涙を流していた。「本当に胸が張り裂けそうでした。耐えられない、耐えられないんです」と語り、目元はすでに赤くなっていた。「あまりに衝撃的で、これが現実だなんて信じがたい。こんなことがこの世で起こっているなんて、本当に信じられません」と語った。

ロータリークラブ「人身売買撲滅地域行動クラブ」のメンバーであるアン・バーさん

　アン・バーさんは、生体臓器収奪を止めるための請願書に署名したことを明かし、さらに多くの人にこの問題を知らせるつもりだと語った。「私はこの情報を知り合いに伝えます。みんながこの事実を広めてくれることを願っています。私は、この犯罪が今すぐにでも止まることを望んでいます！」と述べた。

　同じくロータリークラブのメンバーであるロルフ・シングヴォルド氏は、ノルウェーの大手ソフトウェア企業で上級営業マネージャーを務めている。彼は『国家の臓器』について「とても感動的で、とても力強いストーリーだ」と評価し、「主催者の働きは本当に素晴らしかった」と述べた。また、「この映画の制作者が大きなリスクを背負って制作したことも理解している」と語った。

ロータリークラブのメンバーであるロルフ・シングヴォルド氏

　「だから、ここでこの物語を観ることができてとても嬉しく思います。故郷に戻ったら、より多くのロータリークラブの仲間たちに、中国で何が起きているのかを伝えたいと思います」と彼は語った。

　観客「想像に越えている」

　数人の子どもの母親であるジェニファーさんは、この世にこのような犯罪が存在すること自体が信じられないと言った。そして「私は衝撃を受けました。こんなことが現実に起こるなんて信じられません。人間が人間に対してこんなことをするなんて。臓器を摘出することも、それを受けに中国へ行くことも、誰かがそれに関与しているなんて、とても信じられません」と述べた

　ジェニファーさんは、たとえこの犯罪が中国本土で起きているとしても、それは決して中国だけの問題ではないと考えている。「私たちは皆、この問題に関心を持つべきです。なぜなら、これらの臓器はいったい誰の手に渡るのでしょうか？　無実の人々が身体を切り開かれ、臓器を摘出されるとき、彼らはまだ生きているのです！　人間として、私たちは当然このことを真剣に考えなければなりません」と彼女は話した

　「中国へ行って臓器移植を受ける人たちに問いたい。どうして、まだ生きている別の人間から無理やり切り取られた心臓を受け入れられるのでしょうか？」と話すジェニファーさんは、「だめ、絶対にだめです。あまりにも非人道的すぎます。いいえ、こんなものにはまったく道徳というものが存在しません」と述べた。

　彼女は法的措置を求めた。「あちらの行為を変えることはできないかもしれませんが、カナダから人々がそこへ行くのを阻止することはできます。私たちはこの状況を止めるための法律を制定しなければなりません！」