文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年7月28日】80歳のモーセは神と出会い、神は彼の民がエジプトで苦しんでいるのを見て、モーセを遣わしてイスラエル人をエジプト人の奴隷状態から救い出す計画を立てた。しかし、当時のモーセは、神から与えられたこの使命が自分の能力を超えていると考え（今、人を救うことをしない一部の大法弟子のよう）、多くの言い訳を使って断ろうとした。

　実際、神がある人を使命のために選ぶなら、その人に必要なすべての能力を必ず授ける。その能力は神から来るものなので、選ばれた人は自分の能力不足を疑ったり心配する必要はない。必要な時には必要な能力を得られ、時には全能にさえなるのだ。当時のモーセはこれを理解できなかった。今日の一部の大法弟子も同じく、師父が与えた功能を使って迫害に対抗できず、自分に全能の神通力があることを知らない人が多い。

　神の按排の中で、モーセは神聖で偉大なことを行い、神への道を歩んだ。モーセはイスラエル人のために多くの苦難を耐えた（大法弟子も同じ）。しかし、人間は所詮人間で、神の奇跡を見た時、例えばモーセが神通力で紅海を分けた時、イスラエル人は神に感謝し讃えたが、再び困難に直面すると神への信頼を失い、時には神を非難した（今日の世人も同じ）。モーセは何度も命を懸けてイスラエル人を守ったが、相応の尊敬や感謝を得られず、逆に彼らの不満や争いに直面した。イスラエル人はモーセを石で打ち殺すとさえ脅した（真相を知らずに大法弟子を通報する世人のよう）。その時、神が直接介入し、モーセがイスラエル人のためにとりなさなかったら、神は彼らを皆滅ぼしていただろう。

　神はモーセの願いを渋々聞き入れ、イスラエル人を許したが、20歳以上の者で神を非難した者は約束の地に入れないと付け加えた。彼らは荒野を40年間彷徨い、その世代が全員死に絶えるまで、子孫だけがカナンの地に入れるとされた。これが、11日で済むはずの旅程をイスラエル人が40年かけた本当の理由である。

　不満はイスラエル人に荒野での40年の苦難を増やした。今、大法弟子の中にも、嫉妬心を捨てられずに生じた不満や非難が、病業の迫害や肉体の喪失を引き起こしている。モーセは怒りを抑えきれず、本来示されるはずの神の奇跡を、怒りのために示せなかった。モーセはどんな状況でも、40年間共に暮らしたイスラエル人に怒ってはならなかった。そのために、モーセも罰を受け、カナンの地に入れなかった。

　モーセの生涯は、イスラエル人をエジプトからカナンの地に導くため（神が与えた使命）にあった。彼は40年間、神の言葉に従い、数え切れない苦難を乗り越えたが、最後の瞬間に九仞の功を一簣に虧く（きゅうじんのこうをいっきにかく・事が今にも成就しようとして最後のわずかな油断のために失敗するたとえ）、大法弟子は法を正すことの最後に功を欠いてはならない。もしモーセが耐え難いことを耐え、善意で他人を理解できれば、大きなトラブルや苦難も即座に解消し、柳暗花明（希望の光が見える状態）になっていただろう。彼の教訓は、今日の大法弟子が真剣に受け止めるべきである。無条件に師を信じ、法を信じ、師父の言葉に従って三つのことをしっかり行うことが極めて重要だ。

　多くの大法弟子は、必要な時に正念を強く持てば何でもできるという経験がある。特に人を救うことではそうだ。能力不足を心配するのは、100％の正信に達していない、つまり法を正す修煉の真の意義を理解していないからだ。

　今日の大法弟子は、真正な修煉者として、無理な非難や不満に直面しても、モーセのようには怒らず、世人がイスラエル人のように救ってくれる人に感謝せず、逆に不満や非難を抱いたとしても、この邪悪な迫害はとっくに終わっていたかもしれない。これは今日の大法弟子が学ぶべき教訓だ！　どんな過酷な状況でも心を動かさず、怒らずにいれば、心の広さと容量を広げ、歴史が我々に与えた大きな使命を果たせる。

　師父は今日の大法弟子を成就させ、より多くの衆生を救うため、大きな忍耐力をもって事態に対処し、時間を延長して大法弟子が向上できるようにされた。法からこれらの問題の本質を見抜けず、表面だけを見て、人間の心で不満を抱き、師父を疑うのは本当にあってはならない！　これらは弟子の精進不足が原因だ。不満や師父への疑念は、法を正す修煉の時間をさらに延長するかもしれない。だが、一部の大法弟子は法を正すことの終了時期に執着する。師父は2002年の『北米での巡回説法』で「もし衆生を救い済度することがまだ十年かかるのであれば、皆さんはやりますか？」と述べられ、後年の講法でも法を正すことの前後20年の話や、2008年オリンピックで邪党に面目を立てさせない機会について触れられた。年月が過ぎ、一部の大法弟子は師父を非難し、師父が約束を守らないと不満を言う者（実際は法理を理解できていない）や、それで修煉をやめる者さえいる。このような考えを持つ同修は、法を正す時期の大法弟子と言えるだろうか？

　我々は法を正す時期の大法弟子であり、師を助け衆生を救うために来た。心に不満や非難があれば、どうやって衆生を救えるのか？　不満や非難を修め去り、すべての人間の執着を捨て、心に救度だけを装えば、衆生を救える。我々は救度のためにこの世に来たのであり、人間の素晴らしい生活を楽しむために来たのではない。

　不満や非難、疑念を持たず、さもなければ修煉と救人の難度を増すだけだ。法を正す時期の修煉の時間が延長されたのは、我々の修煉不足が原因だ。自分の原因を探すべきで、師父のせいにしてはならない！　時間を延長するのは、師父が我々大法弟子を成就させ、未来を成就させるための慈悲だ。師父には感謝しかない！感謝！再び感謝！

　現段階の個人的な認識であり、法に合わない点は、同修に慈悲をもって指摘してほしい。