文／中国の大法弟子　　

　【明慧日本2025年8月2日】私は中国本土遼寧省の大法弟子で、今年60歳を過ぎました。2005年に法輪大法の修煉を始めました。今日は、私の体験を皆さんと分かち合いたいと思います。十数年の間に、どのように大法の法理で自分を律し、同じ業界の人たちとの関わりの中で、どのように真に修めてきたかをお話しします。

個人利益において、明確に損をしても動じず

　常人社会の中で、特に道徳が堕落し、世の風潮が日に日に悪くなり、物欲があふれる今日では、人と人との関わりの中で、さまざまな矛盾に直面することになります。とくにビジネスの場においては、人々が互いに策略をめぐらせ、奪い合い、だまし合うことが当たり前のようになっています。しかし、我々の法門（法輪大法）は、常人社会を離れて修煉するのではなく、まさにこのような環境の中で、自分の心性を鍛え、心性を守り、高めていくものです。修煉者としては、高い基準で自分を律し、この欲望や誘惑に満ちた大染缸（人々を悪い意味で染めてしまうような環境）から抜け出し、「泥に染まらずに濁った世の中に咲く」清らかな蓮のような存在になるべきなのです。

　私は市場で卸売の商売をしています。ある年の秋、革生地のファッションが流行し、私の扱っていた商品がよく売れ、供給が追いつかないほどでした。ただし、売れ行きが良くても、大量に仕入れることはできませんでした。資金が少なく、売れ残ることを恐れていたからです。隣のAさんは、私の商売が好調なのを見て、よく様子を見に来ていました。あるとき彼は自分も販売したいけど、仕入先（工場）が分からないと言いました。私は彼に仕入先の住所を教え、仕入れてもいいと言いました。すると彼はすぐに出かけて行きました。商売をしている人ならみんな知っていますが、市場で物を売る時に一番嫌がられるのは、他の人が同じ商品を扱う「真似仕入れ」をすることです。これは暗黙の了解で、同じ業界の人が他人の店の中をキョロキョロ見回すことは許されず、もし見つかれば、関係が壊れるどころか、殴り合いの喧嘩になることもあります。実際、私たちの市場では、まねして仕入れたことで、流血の喧嘩に発展した例もあります。業界にはそれぞれの「ルール」があるのです。

　隣のBさんも、私の商売がうまくいっているのを見て、こっそり同じ商品を仕入れて売り始めました。最初はどうやって売ればいいのか分からなかったようで、私のところに来て商品の売り方まで聞いてきました。そのとき、正直なところ私の心中は穏やかではありませんでした。真似して仕入れてきたうえに、しかも目と鼻の先で商売を始めて、さらに私に売り方まで聞いてくるなんて、常人の目から見れば、まるで人をバカにしているようで、これは明らかにいじめのような行為です。でも、自分は修煉者です。師父の教えに従わなければなりません。私は心を静めて、彼に売り方を教えました。

　お客様と連絡を取りやすくするために、私は自宅に無線LAN（Wi-Fi）を設置しました。すると隣のBさんが「あなたのWi-Fi、うちでも使わせて」と言ってきました。私はいいよと承諾しました。その後、Bさんの奥さんや、義理の弟まで私のWi-Fiに接続し、使うようになりました。Bさんの家では毎年何かと行事を開き、ご祝儀を集めており、そのたびに私にも知らせてきます。彼の家にご祝儀を渡したのはすでに8回にものぼります。また、Bさんが仕入れ先の人を連れてきて、私の店の前に立ち、私の商品を見ていました。それでも私は心の中でとても穏やかで、「見るなら見ればいい」と思い、気にも留めませんでした。

　隣のCさんとは普段からとても仲良くしていました。私が南方から商品を仕入れるとき、彼はよく商品やサンプルを探すのを私に頼み、毎回私は彼の頼みを聞き、また商品を彼に郵送してあげました。ある時、Cさんがこんなことを話しました。「兄さん、すみません。お客さんがあなたの品物を気に入って、私に仕入れるように頼み、仕入れてあげました。しかしその後、そのお客さんの売れ行きが悪くなり、また私のところに返品されてしまいました」。その後、Cさんが私のところへ来て「どうしたらいいでしょうか？　売るのを手伝ってもらえますか？」と聞いてきました。私は「品物を持ってきていいよ、売るのを手伝う」と答えました。そしてゆっくりとCさんが持ってきた品物を売り切り、代金も自分には一銭も残さず、すべて彼に渡しました。法を通して私は本当の修煉者であれば、まず良い人間になるべきだと悟りました。すべての常人よりもさらに良い人であるべきです。

自分のものではない金は一銭も受け取らず、自分のであれば、胸を張って惜しみなく差し出す

　ある年、お客さんの商品を代わりに売り、ある程度は売れましたが、残った分は売れませんでした。そのお客さんとは7〜8年間連絡がなく、微信（WeChat）も繋がっていませんでした。後に、古い手帳の中からお客さんの電話番号を見つけ出し、微信に追加して連絡を取りました。「商品は一部売れましたが、残りはあなたに送ります」と伝え、また、以前の請求書も送りました。そのお客さんはとても驚いて「こんなに長い時間が経ったのに、私に連絡してくれるなんて思ってもみませんでした。もう諦めていましたよ。本当にありがとう。これからは絶対縁を切りません。あなたのような人は滅多にいません。本当に少ないのです。時間ができたら必ず会いに行きます。ありがとうございます！」と言い、彼女はずっと「ありがとう」と繰り返し言いました。

　長年の経営の中で、メーカーからの出荷ミスや、誤って多くの商品が送られてくることがよくありました。金額にして数百元から数千元に及ぶこともありました。私はいつも妻にこう言います。「自分のものではない財産は絶対に受け取らない。1円たりとももらわず、すべてきちんと返します」。なぜなら、法輪大法の「真・善・忍」という法理が私の心に深く根付いているからです。それは宇宙の本質であり、私は大法の基準に従い自分を律し、言動のすべてで実践しています。

　数年前、妻が住宅地の商店街で一軒の店舗を選びました。子どもはそれを知り、子供たちがそれを知り、買う代わりに売ることにしました。親戚が知ることになり「買いたい」と言い、定価で売ってもらえないかと私に相談してきました。妻と相談し、その親戚に売ることにしました。当時、購入希望者がいて、数万円の上乗せで買いたいと言っていました。自分も高く売りたいと思っていました。なぜなら、物件を見に行き、購入手続きをするのに1カ月もかかり、多くの労力を費やしていたからです。実際には3万円ほど高く売れたはずでしたが、それでも親戚には定価で売りました。自分は修煉者だと考え、自分の利益がかかっているときこそ、高い基準で自分を律し、明白に損をしても動じてはなりません。

　師父は「做すところ到るは是れ修なり」（『洪吟』「着実に修める」）と説かれました。

　修煉とは、あらゆる名利や感情の中で自我を手放すことですが、それは非常に難しいなのです。人との関係の中で、利益を放棄する時に、胸をえぐられるような苦しさを感じることがあり、本当に辛いものです。この数年、私と一緒に商売をしている親戚や友人の中には、何百万、何千万もの資産を持つ社長もいます。しかし、私は私のままです。経済的には大きな変化はありません。私はそうした経営者を羨ましくないのです。なぜなら、自分は万古不遇の高徳を持つ法輪大法を得たからです。それは金銭で測れるものではありません。大法は私の心を清め、私の境地を高め、毎日の生活が気楽で楽しいです。

　私ももう60歳を過ぎましたが、ここ20年以上、一度も薬を飲んだことがなく、注射を受けたこともありません。病気もなく、体は軽くて元気で、仕事も手早く楽にこなせます。毎日法の光に包まれ暮らしています。どんなにお金があっても、健康に勝るものはありません。ここ数年、どんなにパンデミックが厳しくても、私は慌てることなく、心を正し真っ直ぐ生きているので、心が平安で安らかです。市場で私を知っている人たちは、皆私の人柄を敬服しています。彼らにはそれができないのです。なぜなら、私は法輪大法の法理を基に修煉しているからです。私は宇宙の高徳な大法を修めており、慈悲深く偉大な師父がいてくださいます。このすべてが私の永遠の誇りです。私は師父にしっかりと付き、神の道を歩み、煩雑な俗世間から超脱して、まるで、泥より出づるも染まらない蓮花のように高潔であり続けます。市場で私を知っている人たちは、皆私の人柄を敬服しています。彼らにはそれができないのです。なぜなら、私は法輪大法の法理に基づき修煉しているからです。私は宇宙の高徳な大法を修めており、慈悲深く偉大な師父がいてくださり、このすべてが私の永遠の誇りです。