　【明慧日本2025年8月12日】四川省成都市の成華区裁判所は7月25日午前11時20分、法輪功学習者である綿陽市の王苹さん（女性）および温江市の楊益凡さん（54歳男性）に対し、不当な裁判を開いた。審理は1時間20分にわたり、最終的に裁判官・浦黎は、2人それぞれに2年6カ月の不当な懲役刑および1万元（約20万円）の罰金を言い渡した。王苹さんは法廷で直ちに控訴を表明した。

　当日午前、成華区裁判所には厳重な警備が敷かれ、傍聴者は2度のセキュリティチェックを受け、携帯電話は法廷に持ち込めず、法廷外のロッカーに預けなければならなかった。傍聴者は合計9人で、全員の身分証が登録され、写真撮影も行われ、携行品も徹底的に検査された。

　王苹さんの息子は親族弁護人として母親のために無罪弁護を行った。しかし、楊益凡さんの弁護士は無罪弁護を請け負って受任したにもかかわらず、法廷では軽罪弁護に切り替えた。楊さんは聴力障害があり、検察官や裁判官、弁護士の発言をはっきりと聞くことができなかったが、自ら法廷で無罪を主張した。

　王苹さんが受けた迫害の経過要旨

　王苹さんは2023年5月10日、自宅付近で成華区青竜派出所の警察に連行され、その後自宅（賃貸住宅）へ連れ戻されると、すでに十数人の警察官が不当に家宅捜索を行っていた。警察は王さん所有の多くの物品であるプリンターや法輪功の書籍などおよび3万元（約60万円）の現金を押収したが、この現金は押収品リストに記載されていなかった。

　王さんは法廷で、家に誰もいないときに、その集団が私有住宅に不法侵入したと陳述した。

　王さんは青竜派出所に連行された。翌日、黒い頭巾を被せられて不明な場所に連行され、数カ月後に初めて、その場所が新津の「洗脳班」であったと知った。洗脳班では、24時間体制で身元不明の女性2人に交代で監視された。6カ月後、成都市留置場に移され、不当に逮捕された。この間、王さんは一度も拘留通知書や逮捕通知書を受け取っていない。また、家族への連絡を警察に求めたが拒否された。全過程において、警察は完全に法律を無視していた。

　家族は長期間、王さんと連絡が取れなかったため、賃貸住宅のある青竜派出所に捜索願を出したが、派出所警察は事件を把握していないと偽りの応対をし、逆に家族に戸籍地での報告を求めた。その後、家族は成華区公安分局や成華区政府へ様々な申請書を提出して失踪者の捜索を依頼した。成華区検察庁に「刑事立案監督申請書」を提出した際、成華区公安分局が「国家政権転覆罪」を口実に、6カ月にわたり新津の洗脳班に王さんを拘禁し、その後、成都留置場に移送、不当に逮捕したことを初めて知った。

　こうした「事件」は警察によって長期にわたり引き延ばされていた。2024年7月、王さんの息子は親族弁護人として成華区裁判所の主審裁判官・浦黎に関係書類を提出し、数十回にわたり裁判所に出向き閲覧請求や当事者との面会、証拠の確認を求めたが、いずれも裁判所に拒否された。

　王さんが連行・拘禁されてから1年10カ月後、成華区裁判所の裁判官助手が2025年7月10日になって初めて親族弁護人に連絡し、7月14日に裁判所での閲覧を許可し、同時に7月25日の開廷通知書を渡した。弁護人に与えられた準備期間はわずか10日であった。さらに、閲覧時には内容の閲覧と抜粋のみが許され、コピーや撮影は禁止された。

　7月18日、王さんの息子は仕事を休み、綿陽から成都市留置場に赴いて母親との面会を試みたが、留置場警察は「出廷通知書に弁護人の氏名・住所・電話番号が記載されていない」として面会を拒んだ。弁護人が直ちに裁判所に赴くと、裁判官助手は「その証明書は発行できない」と回答した。最終的に裁判官は開廷前の面会を許可すると約束したが、結局開廷まで面会は認められなかった。中共の法曹機関はこのような手段で国民の基本的人権を奪っている。

　2025年7月25日の法廷審理において、王さんの息子が親族弁護人として母親のために無罪弁護を行った。王さんは法廷で、警察が家宅に不法侵入し3万元の現金を盗み取り、押収品リストに記載せず自身も署名していないことを質した。裁判官はこれについて調査する意思を示さず、「その3万元は家で紛失したもの」と誘導しようとした。弁護人は直ちに法廷で家宅捜索の映像の再生を強く要求したが、裁判官はこれを拒否した。

　主審裁判官・浦黎が親族弁護人の要請に応じなかった事例には、開廷前に審査機関職員の出廷申請や複数の鑑定意見書の取り寄せ、公訴機関に対する法輪功を誣告する法的根拠の提示要求などがあったが、いずれも無視された。そのため親族弁護人は法廷で裁判官の忌避を申し立てたが、不当に却下された。

　王さんは自ら法廷で弁明し、警察の捜査手法を説明した。警察は王さんがBluetoothを使用して法輪功の宣伝メッセージを3通送信したと主張したが、実際には警察が連行した時点で発信者を特定できておらず、「サーバーで3通送信してみてほしい」と誘導され、2人に受信させた上で「犯人はおまえだ」と断定し、これをもって有罪とした。これについて親族弁護人は何度も検察官に法輪功を誣告する法律的根拠の提示を求めたが、裁判官は親族弁護人の発言をたびたび遮り、「現在は証拠調査期間なので、弁護期間に改めて意見を述べよ」と虚偽の説明を行った。ところが証拠調べの段になると、裁判官は弁護人による証拠調べを認めず、弁護権を剥奪した。

　裁判官が双方に新たな証拠提出の有無を確認した際、親族弁護人は（2000）公通字39号文書を提出した。裁判官は公訴人に証拠調べを促し、公訴人の発言前には「この文書の効力についてだけ意見を述べなさい」と指示した。公訴人は文書を確認した上で「この文書には公印がなく、真正性はない。本件とは無関係だ」と虚偽の答弁をし、検察官は意図的に被告を陥れた。

　楊益凡さんが受けた迫害の経過要旨

　2023年5月19日、楊さんは成都市下轄の簡陽市で賃貸住宅に住んでいた際、市公安局刑事警察大隊および簡城派出所の警察に連行された。その後、外部との連絡は一切遮断されたままだったが、2024年12月になって成都市郫都区安靖鎮にある成都市留置場に拘禁されていることが判明した。

　2025年7月25日、楊さんは成都市成華区裁判所で不当な法廷審理を受け、懲役2年6カ月の不当な判決を宣告された。

　特筆すべきは、楊さんの家族が雇った弁護士が家族の意向に反し無罪弁護を行わず、軽罪弁護に転じたことである。法廷ではほとんど意見を述べず、公訴人および裁判官の意見に同調した。当日は楊さんの母親が重病であることを証明する2冊の診断書を提出し、情状酌量を求めた。結果として、家族が費用を払って雇った弁護士は家族の期待に全く応えなかった。

　楊さんは聴力障害のため、検察官・裁判官・弁護士の発言を正確に聞き取ることができず、法廷での弁護活動や弁護士への指摘・解任などの対応が極めて困難であったが、自身で無罪を主張した。

　法輪功は法輪大法とも呼ばれる心身修養法であり、1992年に李洪志先生によって伝え出された。「真・善・忍」を理念とし、シンプルで穏やかな5つの功法の動作がある。学習者は短期間のうちに心身の健康や道徳の向上を得ることができる。法輪功学習者が正しい信念を堅持し、真実を明らかにし続けることは、単なる被害者として正義を求めるだけでなく、社会正義や良知を守る行為でもある。