　【明慧日本2025年8月30日】（黒竜江省＝明慧記者）ジャムス市の法輪功学習者・李慧慧さんと祖母の邱志雲さん（82）は8月6日、ジャムス市東風公安支局佳東派出所の警官により連行された。およそ10人の警官が家宅捜索を行い、私有財産を押収した。8月7日未明、祖母の邱さんは、「法律の実施を妨害した罪」の疑いで「保証人を立てて尋問を待つ」という条件付きで保釈され、一時的に自宅へ戻された。一方、李慧慧さんは、同日午後に「批判教育」を受けた後、帰宅した。

　不当な連行・家宅捜索の経緯

　8月6日午後1時頃、李慧慧さんは自宅近くの「韻達宅配」にいたところ、佳東派出所の警官・呉広超らにより佳東派出所まで連行された。そこで、50歳前後と見られる男性警官が極めて横暴な態度を取り、女性補助警官の王虹に命じ、李慧慧さんの身体検査を行わせた。李慧慧さんが「私たちは敵ではありません」と言ったところ、王虹は「お前らはまさに敵だ」と言った。

　検査終了後、男性警官は李慧慧さんを鉄の椅子に無理やり座らせ、尋問を開始した。「あなたの家は2年間貸し出していたようだが、その間どこに住んでいたのか」と問い詰めた。彼らは李慧慧さんの住所や所有する車の台数など、非常に詳しい個人情報を把握していた。

　午後2時過ぎ、佳東派出所の警官・李鑫鵬が李慧慧さんに対し尋問記録を取り始めた。李慧慧さんが鉄の椅子への着座に抗議したため、通常の椅子に座らせた。李鑫鵬は「連絡が取れなかったので、最近の様子を聞くだけだ。問題なければ帰ってもらう」と話したが、李慧慧さんの返答に不満を感じ、再び鉄椅子に座らせた。

　午後4時半頃、佳東派出所、佳東支局、市公安局の反邪教チームの梁華偉ら約10人が（訳注：中国の法律では法輪功が邪教であるとは言っておらず、江沢民による誹謗中傷である）、車を走らせ、李慧慧さんを同行させ、李慧慧さんの所持する鍵で侵入して家宅捜索を行った。警官は李慧慧さんがどの部屋に住んでいるかも完全に把握していた。警官・王洪雨は部屋に入るとすぐに写真を撮影し、物品が多く見えるように並び方を指示した。

　家宅捜索のとき、家にいた祖母の邱さんは、警官に法輪功は心身の健康に良いものだと伝え、法輪功創始者の写真に手を出さないよう阻止した。警官らは法輪功の書籍約30冊、ノートパソコン2台、約5,000元の真相紙幣（法輪功の文言が印刷してある紙幣）などの私有物を押収した。捜索が午後5時頃に及んだ。李慧慧さんと祖母は佳東派出所に連行された。深夜0時に邱さんは解放されたが、教導員・李華瑞は家族に対して「祖母は保釈中で、懲役3年、執行猶予3年だ」と告げた。李慧慧さんは8月7日午後に帰宅した。

　信念を貫き、熱心に人を助けたことで繰り返し迫害される

　邱さんと孫の李慧慧さんは、いかなる法律にも違反しておらず、法輪功を学んでいるという理由だけで、警官による連行や家宅捜索を受けた。4年前の同じ日、すなわち8月6日、邱さんの娘である李桂月さんは中国共産党（以下、中共）による迫害の中で亡くなった。李桂月さんはジャムス市の長勝派出所、東風支局、市公安局の警官により連行され、懲役5年の不当刑を言い渡された。刑務所から帰宅して1年後の2021年8月6日に死亡した。邱さんは娘を失い、白髪の母親が黒髪の娘を見送るという深い痛みに包まれているが、いま再び迫害に直面している。

　邱さんが迫害の中でも法輪功を学び続けるのは、邱さんの波乱に満ちた人生と深い信念に根ざしている。邱さんの故郷は遼寧省であり、学生時代には大躍進政策と大飢饉を経験し、餓死した人々の姿を目の当たりにした。中国の国民は食べる物にも困窮していた一方で、中共政府は大量の食糧を海外援助に回しており、真実を知る人たちは理不尽さを理解できず、誰も声を上げる勇気はなかった。

　1962年に結婚後、邱さんは奇病を患い、目を閉じて眠ると恐ろしい幻覚が現れ、悲鳴を上げて目覚める日々が続いた。医師の診察を受けても回復せず、これは「臆病」と呼ばれる病であった。その後も心臓病や胃病を患い、教師として勤めていたが、授業中に突然倒れることもあり、生徒は大変驚いた。

　30歳で精神障害を発症し、記憶を失い人の顔も分からなくなった。さらに肝腹水を患い、横になることができず、机にもたれてわずかな仮眠しかできなかった。この状態が30年以上続き、体重は65キロから45キロ以下にまで減少し、激しい病苦に苦しんでいた。

　1996年、娘の李桂月さんが法輪功を学んで健康が大きく改善したことから、母親にも勧めた。邱さんは煉功を始めてわずか1カ月で、長年患った病がすべて奇跡的に全快した。法輪功の超常さと素晴らしさを体験し、それ以来、邱さんは揺るぎなく法輪功を学び続けるようになった。

　法輪功を学んだ後の邱さんは、より善良で寛容、名利に執着しない人間となった。たとえば、隣人が高い金利で借金して治療費に苦しんでいた際、邱さんは自分のお金を貸して高い金利を利用しないよう助けた。また、夫を亡くして生活が困窮していた別の隣人には、豆腐作りの道具と資金を提供し、隣人が自立できるよう支援した。さらに、別の隣人の義父が病に倒れた際にも、親戚からお金を借りてまで援助した。このような事例は数え切れないほどあり、20年以上経った今も借金を返していない人もいるが、邱さんは取り立てず、相手のことを思いやり、損得にこだわることはなかった。

　以前、邱さんの住む依蘭県の村では、村幹部選挙を巡る利権争いが原因で放火事件が頻発し、3年間で50回以上もの火災が発生した。火災が起きるたびに、邱さんと地元の学習者たちは率先して消火活動に参加した。また、自費で砂利を購入して約4キロの距離の道路を修繕した。村民たちは「やはり法輪功の人たちは素晴らしい」と称賛した。

　法輪功を修煉してからの邱さんは、真・善・忍の教えに従って自らを律し、病から解放され、徳を重んじ他人を優先に考える人間となり、心から法輪功の先生に感謝しており、その信念は揺るぎないものである。

　しかし、このような無私で心優しい邱さんでさえ、中共政権による法輪功への誤った弾圧により、家族と共に繰り返し迫害を受けてきた。娘の李桂月さんも、迫害の実態を伝えたことで何度も迫害を受けた。李桂月さんはかつて1年間の労働教養を科され、悪名高い万家労働教養所に拘禁され、洗脳、強制労働、独房監禁、拷問などの迫害を受けた。また、男性チームに拘禁されたことがある。2011年には家宅捜索を受けた後、李桂月さんはやむを得ず放浪生活を余儀なくされた。2015年には迫害の実態を伝えたとして再び連行され、懲役5年の不当刑を言い渡され、黒竜江女子刑務所に拘禁された。邱さんは、娘のために正義を求めて3人の孫娘とともに関連部門へ陳情に行ったが、その際自らも孫たちも殴打され、不当に拘束された。

　長年来、自身と家族が中共当局から残酷な迫害を受けながらも、邱さんは迫害の実態や、法輪功の良さを人々に伝え続けている。