　　【明慧日本2025年9月8日】（明慧記者・瀋容のインタビュー）癲癇（てんかん）を患う娘のそばを、昼夜を問わず何十年も離れずに見守り続けた母親の人生とは――。多くの人にとって、それは重く過酷な運命に思えるかもしれません。しかし、陳月娥（チェン・ユエア）さんは法輪大法の修煉を通して、まったく異なる答えを見出しました。今回は、彼女と娘・意晴（イーチン）さんの物語をご紹介します。

　現在68歳の月娥さんは、かつて小学校教師として穏やかな日々を送っていました。しかし、結婚後に授かった意晴さんの病気が、彼女の人生を一変させました。

　生後わずか4カ月で、意晴さんはてんかんと診断されました。検査を重ねても原因は分からず、小学6年生以降は発作が激しくなり予測もできなくなりました。娘を守るため、月娥さんは片時もそばを離れず、外出時には腕を組み、常に支えられるよう備えていたといいます。

　「私たちは常に一緒に行動しなければなりませんでした。何かあれば、すぐに彼女を受け止めなければならないからです」と語ります。

　娘を治そうと病院を巡る日々。「胸に重しが乗ったようで、喉も詰まり、泣くこともできませんでした。本当に限界を超えると、人は泣くことさえできなくなるのです」と当時を振り返ります。

　不思議な導きと出会い

　2002年、同僚の勧めで参加した教師向けの夏季研修キャンプで、法輪功の功法に初めて触れました。講座の合間、昼休みに目を閉じて休んでいると、突然、大きな二つの目が現れ、じっと自分を見つめていたといいます。不思議と怖さはなく、むしろ深い安らぎを感じました。後に法輪大法の著書『轉法輪』を読み、その現象が「天目」が開いたことによるものだと知り、大法への信頼が深まりました。

　当時は毎日、娘を連れて片道63キロ、往復126キロを通勤。家庭も仕事も重くのしかかるなか、心身の疲れを癒やすため、3年連続で法輪功の教師研修に参加しました。しかし、研修が終わればまた現実に引き戻される日々。「ある日、本当に限界を感じたのです。『もうこのままではいけない。本気で修煉に取り組まなければ』と心から思いました」

　2005年、月娥さんは自ら進んで、近所で開かれた「法輪功九日間セミナー」に参加しました。師父の説法は心の奥深くに響き、これまでにない安心感と落ち着きを感じたといいます。「過去に他の修行にも連れて行かれたことがありましたが、落ち着かず、座っているのもつらかった。でもこの九日間は、すべてが自然で穏やかでした。私は心の中で『あなたは正しい道を選んだ』という声をはっきりと聞きました」と語りました。

　生まれ変わったような心と体

　九日間セミナーを終えた直後、月娥さんは不思議な体験をしました。「ある寒い夜、娘と長袖を着て厚手の布団にくるまっていたのに、全身が熱くて仕方ありませんでした。後になって法を読んで、それが師父による加持であり、灌頂を通じて体を浄化してくださったのだと分かりました」

　当時の彼女は、健康な部分がないほど体調を崩していました。後頭部のけいれん、胸の苦しみ、背中の激痛。それに、免疫系も乱れていて、しょっちゅう風邪をひき、時にはその症状が半年近く続くこともありました。同僚からは「がんでは？」と心配されたほどです。

　しかし、法輪大法の修煉を始めてから、まるで別人のように健康を取り戻しました。

　「全身が光に照らされたようで、長年悩んでいた湿疹や水虫も完治し、再発していません。風邪もひかなくなり、他の不調もすべて消えました」

　体だけでなく、心にも大きな変化が現れました。「以前は苦しさのあまり、泣きたくても涙すら出ませんでした。でも今は、毎日が忙しくても心が穏やかで、幸せでいっぱいです。まるで新しい自分に生まれ変わったような気持ちです」

　この体験から、月娥さんは「もっと多くの人に法輪大法の素晴らしさを知ってほしい」と強く願うようになりました。そして、長年貯めたお金で人生初の持ち家を購入。そのリビングを「九日間セミナー」の会場として開放することにしました。

　「娘と一緒に修煉できる今が、人生でいちばん幸せな時間です。だからこそ、この素晴らしさをもっと広めたいのです」

　娘の変化

　現在36歳の意晴さんは、かつては知能が5〜6歳程度にとどまり、学校でも常に先生の見守りが必要な存在でした。しかし母とともに法を学び、煉功をするようになってから、少しずつ確かな変化が現れました。

　発作の頻度が激減し、体調も安定。そして、音楽的なリズム感を活かして、障がいのある生徒向けの太鼓の全国大会で一位を獲得するまでになったのです。

　日常生活でも、意晴さんは大きく成長しました。九日間セミナー開催時には、来場者を案内し、エレベーターを操作し、心を込めて接します。

　「決して頭が良いとは言えませんが、彼女は『轉法輪』や『精進要旨』などの書籍を開き、正しいページを見つけて一緒に読んだり暗唱したりできます。私も気を抜くと負けてしまいそうです」と、月娥さんは笑って話します。

图：意晴（右二）和大家一起集体<span class='voca' kid='88'>学法</span>。

意晴さん（右から2番目）が、皆と一緒に集団学法に参加している

　意晴さんの心の成長も見逃せません。以前は感情をうまく言葉にできず、かんしゃくを起こすと長引いていましたが、今では「真・善・忍を実践しようね」と声をかけるだけで、すぐに落ち着きを取り戻せるようになりました。

　ある日には、道端で母に抱きつき、「ママ、私をこんなに賢く産んでくれてありがとう」と言い、母が転んだときには「早く『法輪大法は素晴らしい、真・善・忍は素晴らしい』を唱えて！」と教えてくれる場面もありました。

　以前は幼い子どもとしか接せなかった意晴さんも、今では年齢の違う子どもたちの面倒を見たり、学法に来ていない同修のことを気遣ったりと、思いやりの心を育んでいます。おいしいものを母のために取っておき、自転車で出かける母には「気をつけてね」と声をかけるなど、日常の中で愛情を表現するようになりました。

　卒業後、久しぶりに彼女と再会した先生たちは、「えっ、これが意晴さん？　別人みたい！」と皆驚きの声を上げます。時々、「どうしたらこんなに立派に育てられるのですか？」と聞かれることもあります。

　そのたびに月娥さんは、「これは自分の力ではなく、すべて師父の慈悲と大法の力によるものだ」と心の中ではっきり分かっています。

　振り返れば、かつては押しつぶされそうな苦しみと重圧に耐える日々でしたが、今、あの道のりは「返本帰真」への階段だったのだと実感していた月娥さん。「師父が私たち母娘に新たな命を授けてくださり、明るい道を与えてくださいました。本当に感謝しています。もし大法に出会っていなければ、今の私たちはなかったと思います。今では、生活も仕事も修煉もすべて両立でき、かつての自分では考えられないような日々を送っています」

　「私と同じように、困難に苦しんでいる方々にも、ぜひ法輪大法を知っていただきたい。そしてその素晴らしさを実感し、本当の幸福を見つけてほしいと、心から願っています」