文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年9月12日】病業に苦しむ母の姿を見ながら、これまで母に何度も忠告してきたことや、思いやりの言葉をかけてきたことを思い返しました。しかし母はまったく耳を貸さず、また、過去に母が私にしてきたことを思うと、私は心底残念に思い、心の中は不満と悲しみでいっぱいになりました。「もういい。これからは母を常人と思って接し、娘としてやるべきことだけをやればいい。あとは自然に任せよう」と思いました。けれど、母の世話をする中で、私の心の中の不満や恨みがそのまま態度に出てしまい、病業に苦しむ母にさらに試練を与えることになってしまいました。母は辛そうに「他の同修たちが言ってたよ。あんた、なんでまだ報いを受けてないの？」と言いました。

　その時、私の心は不思議なくらい静かで、その言葉を口にした同修に対して、私は少しの恨みも抱きませんでした。きっと母が同修の前で、私のことをいろいろと悪く言ったのでしょう。だから彼女はそんなふうに言ったのだと思います。同修も、法を学びながら法理の上で向上していけば、きっと人間的な感情ではなく、修煉者としての心で同修との摩擦を見つめるようになるはずです。それもまた、修煉の一つの過程なのだと思います。そしてこの瞬間、私は修煉の厳しさと難しさを、より深く実感しました。師父が私たちに「善意と思いやりを修めなさい」と説かれる理由も、改めて理解できた気がしました。私自身、修煉の中で長く取り除けずにいた漏れがあったからこそ、同修はずっと私と母を助けようとしてくれていたのかもしれません。そして、同修自身にもこの部分で修めるべき課題があったからこそ、その言葉が出たのだと思います。今の自分の修煉の段階から見れば、その言葉を言わせたことによって私が同修に業をつくってしまったと感じています。

　目の前の母を見つめながら、ふと深い哀れみの心が湧き上がってきました。かつては美しく気品があり、周囲からは憧れの対象であった母が、病業に苦しみ、今ではすっかり変わり果てた姿になってしまったことがとても悲しくてなりません。その瞬間、私の心には悲しみと同情だけがあり、普段抱いていた母への責める心や恨みは、まったく浮かんできませんでした。ただ心から「お母さん、もしできるなら、どうか心性の面でこの試練を乗り越えて、さらに高まってほしい。そしていつの日か、私たちが手を取り合って、天国の故郷へ一緒に帰れるように」と願ったのです。

　その瞬間、私は母が何十年にもわたって私に与えてきた心の傷や、彼女の中に染みついた党文化的な言動への恨みが、ふっと消えていくのを感じました。

　過去の年月の中で、私は母への恨む心を根本から取り除こうと、ずっと懸命に修煉してきました。何度も、少しずつ、心を整えてきましたが、それでもその恨みの根がなかなか抜けず、絶望的な気持ちに陥ったこともありました。そんな私を、師父は何度も導き、励ましてくださいました。

　数日前、母への恨みという物質が、再び強烈に私の頭の中に現れました。私は「どうしてこの関はいつまでも越えられないの？　もう何年も経っているのに、こんなにも簡単に私の思考を左右するなんて，私のどこに漏れがあるのだろう？」と思いました。。その時、ふと数日前に読んだ同修の交流文章を思い出しました。その内容は、「法を正す時期の大法弟子は、すべてを法を実証し、衆生を救い済度することを第一にすべきだ」というものでした。そうだ、私は法を正す時期の大法弟子だ。すべては法を実証し、衆生を救い済度するためにある。この恨みの心は、まさに旧勢力が強制的に押しつけてきた干渉と迫害なのだ。それは私を、母を、そして私たちに関わる衆生を破壊しようとしている。私はそれを認めない。すぐにこれを解体する。師父が定めてくださった修煉の道を、私は全力で精進して歩んでいくと、気づいた瞬間、まるで全身が震えるような感覚があり、正念が強くなったのをはっきりと感じました。空間場全体が明るくなったように感じられました。それ以降、発正念をしてこれらの腐敗物を取り除く時も、法を学び煉功する時も、母への恨みという悪い生命体は、私の空間場に一切現れなくなったのです。

　そして母が私に前述の「なんでまだ報いを受けてないの？」という言葉を口にした時、私の中に慈悲の心が自然に湧き上がると同時に、師父がその執着心に対応する情の物質と要素を取り除いてくださったのを、はっきりと感じました。母との間の恩讐も数十年に及びましたが、ようやくそれを徹底的に修め終え、その悪根を取り除くことができました。目の前の母に対して、もう母を変えたいという心も、見下したり嫌う心もなくなりました。また、長年身についていた母に対して強い口調で話す習慣を改めなければならないと気づきました。私はただ善意と孝心をもって、少しずつ母をこの苦難から助けたいと思うようになりました。目の前の母をこんなにも大切に思う自分にふと気づいたのは、情ではなく、無理して優しく接しようとするものでもなく、ただ非常に落ち着いた、平和な心の状態であり、まるで自分を待っている衆生を慈しむかのように、母を大切に思う心なのでした。

　母に対する怨恨の心を修め取り除く過程で、私はとても苦しみました。何度も何度も繰り返し修めようとしました。しかし今、「法を正す時期の大法弟子はすべてにおいて大法を実証し、衆生を救い済度することを第一とすべきだ」と悟ったことで、旧勢力の按排を打ち破ることができました。慈悲なる師父は、私が悟りに至り、正しく悟ったのを見て、この怨恨の物質と、それを生み出していた根源――すなわち情――を取り除いてくださったのです。根本から怨恨の物質を修め去ったことで、怨恨の心がなくなったあの感覚は、本当に超然として美妙でした。師父の一路にわたる慈悲なるご加護と啓示に、心から感謝いたします。

　この文章は、私と同じように修煉する中で、ある心を長い間どうしても取り除けずにいる同修の方々に向けて書きました。どうか法を正す修煉の基点に立って悟り、探してみてください。その執着心の悪根を養っている根本的な執着とは一体何なのかを見つけてみてください。

　次元の限りがあるため、不適切な点があれば慈悲なるご指摘をお願いします。

　合掌

　（編集責任者：任嘉）