文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年9月13日】（前文に続く）

　もし、私たちが法の中においてこのような存在であるならば、広大な宇宙にいる、さらに多くの、さらに多くの生命たちの現在および未来の一切に対して、地球上の小さな人間世界にいる私たちがどうして口出しできるというのでしょうか？　そのようなことをしようと考え、念を起こすこと自体が堕落した人心であり人の観念なのです。その上、背後では旧勢力の黒い手（私は、師父が法の中で私たちに説かれた、ボールペンの先のような黒い手を長年見ていませんでしたが、最近、文章を書いている時にパソコンの画面をよぎり、普段も時折、目の前をよぎることがある）と卑しい鬼たちが私たちの隙に付け入ろうと、今か今かと待ち構えているのではありませんか？

　台湾の国民党と民進党の問題、そして大規模リコールやトランプ陣営の件に話を戻します。常人社会の政治的な舞台で、中心的な役割を担っている人々もまた、この時期に師父と契約を交わし、幾世にもわたる輪廻転生での魔難を経て、今日、師父が人間世界で法を正されるこの時期に人間となる機会を得て自らの誓約と使命を果たそうとしているのです。常人社会の政治的な舞台で、中心的な役割を担っている人々に対する師父のお気持ちは、私たちに対するお気持ちと何ら変わりはないのではないでしょうか？　ただ、生命としての按排が異なり、異なる時期に異なる事柄を行っているに過ぎないのではないでしょうか？

　では、私たちにできることは何なのでしょうか？　私の理解では、私たちが師父の法の教えに厳格に則り、迷いの中で内に向けて探し心性を向上させ、三つのことを行うこと、それ自体が衆生を救い済度していることであり、師父と共に法を正す時期の大法弟子が果たすべき事を果たすことなのです。師父の法の教えに厳格に従うことこそが師父が望んでおられることであり、最善のことなのです。ただ、私たちが行う一切の威力と効果は他の空間に現れるのであり、この世の栄誉や名声、威信、富などではありません（これらはむしろ、私たちが修煉の過程で淡泊に捉え、徐々に放下していくべきものなのである）。

　私たちが行う一切が、他の空間において具体的にどのような姿であり、その連動する範囲や様々な生命活動と具体的にどのような関係にあるのか、私たちは知ることができません。であるならば、迷いの中で修煉し、迷いの中で信じ、迷いの中で悟るのであり、私たちが現在の段階において師父のお言葉に従い自分たちの最大の努力を尽くして三つのことを行うこと、それこそが最善なのです。台湾の大規模リコールがどの程度の段階に達するべきか、ひいては、一人ひとりの立ち位置がどうあるべきか、といったことまで、私たちが余計に考える必要はありません。トランプ氏が今日、中国共産党（以下、中共）に恥をかかせたかと思えば、明日には習近平氏と友好的な言葉を交わし、水に落ちた犬を打つ（訳注：徹底的に追い打ちをかけて二度と立ち上がれないように叩きのめす）ように中共を徹底的に叩きのめさなかったからといって、どうだというのでしょうか。人間社会で起きる様々な出来事は、本当に私たちが人間の眼や人心で計画できることではないのです。それに付いていけば、世間の情勢や人心に引きずられ妨害されるだけです。

　今日すでに三退した衆生でさえも彼らが本心から三退したのか、どの程度本心だったのか、その生命自体にどのような因縁があるのか、未来において法が彼らをどのように判定し、どのように評価するのか、そして彼らが三退した後にまたどのようなことをしたのか、といったことまで、私たちは追跡することも、評価することも、彼らの未来を決定することもできるのでしょうか？　明らかにできません。それらもまた、すべて師父の法が評価されるのであり、私たちはただ自分ができること、そして行うべきことを行うだけなのです。

　人間世界で起きるいかなる事柄も偶然ではありません。大法弟子は内に向けて探し、妨害を排除し、機会をうまく利用して真相を伝えればよいのです。その上、真相を伝えるといっても「私はただ、あなたにこれやあれを知ってほしいのだ」、「私はこれがあなたのためになると考えているのだから、あなたが聞きたくなくても、私はあなたに伝える。なぜなら、これはあなたのためなのだから」というものであってはなりません。相手の社会的階層、文化的水準、認知レベル、そして人生経験がどうであれ、私たちは、全く相手の立場に立って考えようともせず、ただ自分がやりたい事をやろうとする（人心や人の観念で意地になって何かをしようとすることと、正念の中で大法弟子として行うべき事を成し遂げようとすることは全く別のことである）、相手の状況を一切考慮しない自己中心的なやり方は、師父が法の中で私たちに説かれたこと、私の理解では、中国から出てきた同修が高級住宅街で神韻を広めたり真相を伝えたりする時のやり方と同じように、かえって逆効果を生んでいるのではないでしょうか？

　人を救うとは、真相を唯一の手段として人の心を救うことです。大法弟子が修煉において基準に達し、救うべき人がみな救われたならば、常人が何をしようとも中共の解体を止めることはできません。逆に、大法弟子の修煉がめちゃくちゃで救うべき人が救われていなければ、常人がいかに中共を包囲し、いかに高い関税をかけ、いかにハイテクな手段を封鎖しようとも、中共は腐りきっていながら崩れず、瀕死の状態でありながら死ぬことはありません。なぜなら、卑しい鬼たちが中共を支えており、師父がまだこの事態を終わらせておらず、依然として私たちに、そして衆生に機会を与え、私たちのために耐え忍んでくださっているからです。法の中から私が理解したのは、常人社会のすべての出来事、ひいては人々の心の動き一つでさえすべては神の完全なコントロール下にある、ということです。神が制御下にあるあらゆる事象を乱れさせようとすれば、乱れたくなくとも乱れざるを得ません。また、神が制御下にあるあらゆる事象を乱れさせまいとすれば、乱れたくとも乱れることはできないのです。

　その上、全世界には、中国を除いて、悪魔にコントロールされている非常に多くの生命がいます。悪魔にコントロールされている生命たちも、また救い済度されるべき対象ではないでしょうか？　ただ中共を打倒しさえすれば、悪魔にコントロールされている生命たちは瞬時に救われるというのでしょうか？　米国が現在、実力をもって平和を求め、貿易をもって平和を求めているように見えますが、米国の一連の行動も、神が米国に、今日の市場規模、そして軍事・科学技術におけるあらゆる方面での優位性を授けられたからこそ、トランプ氏が神の意思を実行し、人々を伝統へ、良知へ、そして神の教えへと力強く回帰させることができているのではないでしょうか？

　伝統的な道理に背き続け、米国の恩恵をことごとく享受し便乗してきたEUやその他の国々（台湾も含む。最近の関税問題や、その他、中国と未練がましく繋がっている、あるいは、陰に陽に中共を助ける行為など、その振る舞いはとても中華の伝統道徳の継承者たる風格があるとは思えない）を見てください。EUやその他の国々は関税交渉の場で少しも負い目を感じていないのではないでしょうか？　公然と道徳に背いていながらむしろ正当性を主張し、道理をわきまえない態度を取る一方で、かえって一部の発展途上の小国の方がまだましな態度を示しているのではないでしょうか？

　例えば、米ロ首脳会談について、EU、イギリス、そしてゼレンスキー氏は今日に至るまで、依然として強硬な発言を続け、トランプ氏にあれこれと要求しています。ベッセント財務長官はインタビューの中で、EUに対し、首脳会談の前は口を閉ざすか、あるいは我慢してほしい、と要請しました。なぜなら、EUは一方であれこれと強硬に要求しながら、今なお、米国の二次的関税制裁の対象となっている、インドがロシアから購入し再精製したガソリンを買い続けているからです。その上、ベッセント氏がEUと話し合い「もし今回、停戦合意に至らなければ、あなた方が繰り返し強硬に要求している制裁の中で、米国は100%あるいは200%の二次的関税を課すことになる。その際には、効果を出すために、あなた方も追随しなければならない」と伝えたところ、ドイツの首相はうつむいて自分の靴を見ていた、とのことです。

　つまり、私たちは自らの人心や人の観念の中にある、あの小さな範囲だけに目を向けていてはならないのです。米国が直ちに関税や、あるいはその他のいかなる手段を用いて中共を打倒したとして、その後、私たち法を正す時期の大法弟子は一体何をするというのでしょうか？　心地よく常人の生活を享受するのですか？（人心が取り除かれていなければ、師父について行き本当の家に帰ることもできません）。全世界にいる、悪魔にコントロールされた救われていない非常に多くの衆生を、私たちは見て見ぬふりをし、顧みないというのでしょうか？　自らの胸に問うてみてください。その時、私たちはまだ、内面的な思考・感情から外面的な振る舞い・行動に至るまですべてが「師父と共に法を正す時期の大法弟子」の存在にふさわしい、と敢えて言うことができるのでしょうか？

　師父が私たちに説かれたことについて、私の理解では、今日の常人社会の一切は大法弟子の心によって促されて生じたものであり、一切の出来事はまた私たち個人の修煉、および全体の修煉という、この一部分と関係しています。例えば、私たちがよく修煉できていれば、私たちの心に連動する一切は良い方向へ変わります。私たちがよく修煉できていなければ、私たちの心に連動する一切もまた良い方向へ変わることはできません。つまり、私たちが影響を及ぼせる範囲はただ、師父が私たちに按排されたこの一部分だけであり、堕落した観念や人心が考えるように「最も栄誉ある称号を持つ最も偉大な生命なのだから、何にでも影響を及ぼしたいと思えば及ぼせる」というようなものではないのです。私たちは、自分たちと連動する一切が何であるのか、それを知ることもはっきりと見ることもできません。迷いの中で修煉し、迷いの中で信じ、迷いの中で悟るのであり、私たちが法を師として一切を照らし合わせ、師父が要求された通りに行うこと、修煉者としての行いの一切こそが最善なのであって、私たちの個人的な欲望や人心から生まれるものではない、ということを理解すべきではありませんか？

　実のところ、私の本意としては、本当に「狭隘（きょうあい：人間が持つ視野の狭い考え方）」という言葉は使いたくありませんでした。大法の同修はみな、師父の偉大な大法弟子であり、みな偉大な過去を持ち、そしてまた今生において師父のお手伝いをして法を正すという偉大な輝きを持っています。しかし、これらすべてが私たちの現在と未来の代わりになるわけではありません。もし私たちが法の中で精進し続けられないのであれば、修煉とは流れに逆らって舟を進めるが如く、進まなければ退くことになるのです。私たちはもう、自分本位にこうあるべきだと考えてはならないのです。

　（完）