文／黒竜江省の大法弟子　　

　【明慧日本2025年9月21日】長年修煉を続けてきて、情を捨てることについてはある程度できていると思っていました。修煉を進める中で多くの情を放下してきましたが、その中でも最も難しいのは親への情でした。自分でも次第に淡白に見られるようになり、父が亡くなった時も、常人の一生は生老病死を避けられないと分かっていたので、それほど大きな悲しみはありませんでした。ただ、自分の修煉が足りず、父を大法に導けなかったことに少し後悔がありました。それ以外に深く考えることはなく、自分は情を放下できていると思っていました。

　ところが父の死から半年後、夫（同修）が病業で亡くなりました。あまりの苦しさに何も手につかず、毎日涙に暮れ、学法しても頭に入らず、夜も眠れませんでした。痛みと寂しさを紛らわせるために、ただ携帯電話を見るしかありませんでした。昼間は外に出られませんでした。どこへ行っても彼の影があるからです。小川のほとりや林の中で一緒に学法したこと、月の下で資料を配り人を救ったこと、大通りや路地裏で彼がバイクや車を運転して共に真相を伝えたこと……。すべてが昨日のことのように思い出されました。

　今の私はひとりぼっちで街を歩いても、車はたくさんあるのに私たちのものは一台もなく、無数の運転手の中に彼はもういません。そう思うと涙で前が見えなくなりました。その頃は街に出られず、家に閉じこもり、外に出たくありませんでした。いつも一緒に学法し、煉功し、真相を伝えた日々を思い出すからです。彼がいた時には家の中に咲いていた小さな花も、彼が去った今はすでに枯れてしまいました。思い出すたびに胸が張り裂けそうで、今も心の中で引きずっています。

　自分でもこの状態が正しくないと分かっていました。修煉者はこうあってはならないと、正念を発して排斥したこともありましたし、学法や煉功でこの状態に抗おうとしましたが、その効果はわずかでした。痛みに向き合いながら、自分にまだどんな心が残っているのか探してみると、依頼心、面倒を避ける心、不満を抱く心などがありました。私はまだ自分を正す機会がありますが、彼にはもうそのような機会はありません。

　この言葉を読んで、私はとても恥ずかしく思いました。長年修煉してきても、情に執着してまだ断ち切れず、なぜこんなにも放下が難しいのかと、自分に問いかけました。夫は刑務所で10年近く迫害されても「転向」せず、法に対して岩のように堅かったのに、なぜ環境がよくなってから病業で逝ってしまったのか。何が違ったのか。なぜ彼は去ることになったのか。同修で妻である私に責任はなかったのか。

　私は苦しく考え続けても答えは出ず、思うたびに胸がえぐられるようでした。私の修煉があまりに劣っていて、法の上で彼を助けられなかったからこそ、これほど苦しいのだと……。

　『轉法輪』を大半まで暗唱した頃に、多くの執着心を取り除くことができました。焦る気持ちは少なくなり、主意識も強まり、苦を受け入れる力もつき、食べ物への執着もなくなりました。同修との矛盾に直面しても、表面的な是非ではなく、法を基点にして問題を見ることができるようになりました。法を暗唱することは本当に素晴らしいことでした。

　ある日、私は法の中で悟りました。私の思念や苦しみの根源は「私」だったのです。彼が亡くなったことで、一緒に学法や煉功をする人も、人を救うために共に行動する人も、生活を共にする人もいなくなりました。二人の生活に慣れていた私は、「これも一緒にしてくれる人がいない」、「あれも一緒にしてくれる人がいない」と、すべてが「私、私、私」ばかりでした。痛みの根源は、私に付き添ってくれる人がいなくなり、一人になった寂しさから来ていたのです。だからこれほどまでに悲しんでいたのです。なんと強い「私」でしょう。私が気にしていたのは、自分自身のことだったのです。思念の「思」と利己的な「私」はつながっていました。どちらも「私」なのです。どうして今まで悟れなかったのでしょうか。師父の啓蒙に感謝します。私は、この「私」を修めてなくすと決心しました。

　学法と法の暗唱を通じて、法に対して層ごとに異なる理解を得られるようになりました。以前は嫌だと思っていた人に対しても何も感じなくなり、意見が違ったりおしゃべりな同修に対しても反感がなくなり、心の中で文句を言わず、彼女の話を辛抱強く聞き終えてから、穏やかに交流できるようになりました。交流がうまくいかない時も、家に帰ってから静かに正念を送り続け、師父に彼女の正念を加持していただくよう願いました。今では、何を食べるか飲むか、誰が良いか悪いか、誰が修めている修めていないといったことは、私にとっては水に落ちた羽毛のように、波紋ひとつ起こしません。ただ三つのことをどうすればよくできるかだけを考えています。そのほかのことは問題ではありません。師父が常に弟子を守り、啓示してくださることに感謝いたします！

　自分がなぜここに来たのかを理解したとき、心の痛悔は言葉に尽くせませんでした。同修の皆さん、早くすべての執着を放下しましょう。衆生を救うことこそが最も重要です。私は三つのことをしっかり行い、史前の誓約を果たし、師父が巨大な苦難を背負って延ばしてくださったこの時間に報い、師父の慈悲のご苦度に背かないようにしたいと思います。

　この文章は現段階での悟りを書いたものであり、次元が限られています。法に沿わないところは、どうか同修の皆さま、慈悲でご指摘ください。

　合掌