文／中国の大法弟子（本人口述・同修整理）

　【明慧日本2025年9月24日】私はかつて、薬物に溺れた人生を送っていました。十数年にわたり深刻な依存に苦しみ、生きる希望がありませんでした。もし法輪大法に出会っていなければ、今この世にいなかったかもしれません。この記事で、自らの体験を通じて法輪大法の素晴らしさを伝え、李洪志師父への深い感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。

　一、幼い頃から道を踏み外す

　私は1970年代に生まれました。父は当時の中国共産党（以下、中共）の政策で農村へ下放された知識青年で、現地で母と結婚しました。私は都市部に住む祖母のもとで育ちましたが、祖母は教育を受けておらず、しつけも十分ではありませんでした。両親は遠くにいたため、私を見守る存在がいなかったのです。

　その結果、小学校3〜4年生頃から非行に走るようになり、ケンカや窃盗を繰り返し、派出所の常連となりました。学校にもほとんど行かず、小学校を卒業するのに8年かかりました。中学も1カ月で退学し、強盗で収容所に送られましたが、未成年だったため、父に引き渡されて帰宅することになりました。それ以降、私は完全に学校に通わなくなり、社会の片隅でさまよう日々が始まりました。

　1995年にはヘロインに手を出し、強盗で懲役2年、薬物使用で二度、計4年の労働教養処分を受けました。さらに、強制リハビリ施設にも4回入れられましたが、出所後わずか数日で再び薬物に手を出す始末でした。当時の私は、人生に希望も見通しもなく、定職にも就けず、収入も不安定で、ただ空虚な毎日を過ごしていて、まさに地獄に陥ったようでした。

　二、法輪大法に出会ったがためらう

　2011年、最後に労働教養所から出たとき、かつて一緒に薬物を使っていたAさんと再会しました。彼も薬物が原因で労働教養処分を受けていましたが、収容中に法輪功修煉者と出会い、大法を修煉することを決めました。釈放後、本格的に修煉を始めたAさんは、すぐに薬を断ち、普通の生活を取り戻しました。彼はかつて警察から逃げるために二階から飛び降り、脚に障がいを負っていましたが、修煉を始めた後は驚くほど回復し、今では普通に歩けるようになっています。

　彼の話は、私の心を大きく揺さぶりました。彼が薬を完全に断ち、それ以来一度も再使用していないという事実に、深い衝撃を受けました。私も『轉法輪』を読み始め、その中に説かれている法理に強く感銘を受けました。「自分とは何か」、「なぜ人は生まれてくるのか」などがはっきりと理解できたのです。人は尊厳をもって生きるべきであり、「真・善・忍」という宇宙の特性と同化し、徳を積んで正しく生きることが大切だと知りました。

　とはいえ、私はすぐに修煉を始めることができませんでした。当時、ヘロインはやめていたものの、新しい種類の薬物を多く使用しており、依存状態が続いていました。これらはヘロインほど中毒性がないものの、身体への害はむしろ深刻でした。さらに、喫煙と飲酒もやめられず、法輪大法の修煉者として修めるべき行為であるため、「まずは全部断ってから修煉を始めよう」と思っていたのです。

　しかし、それはそう簡単なことではありませんでした。

　2017年、ある夜に見た夢が転機となりました。夢の中で私は、宇宙人のような邪悪な存在に追われ、山を登って逃げていました。山頂までたどり着いたものの、追いつめられ、「もうダメだ」と覚悟を決めて飛び降りようとしたその瞬間、奴らが足をつかみ、引き戻そうとしたのです。私はとっさに「師父！」と叫びました。すると目が覚め、「今こそ修煉を始めるべきだ」と強く感じたのです。法輪大法を修煉することでしか、この闇と苦しみから抜け出す道はないと確信しました。

　三、本格的な修煉で生まれ変わる

　本格的に修煉を始めた私は、Aさんと同様、まもなく薬物依存から完全に抜け出すことができました。あわせて、喫煙や飲酒など、あらゆる悪習ともきっぱり縁を切り、かつての荒れた生活に終止符を打ちました。

　それ以来、違法なことに手を出すこともなく、誠実な労働で生計を立てました。警備員や配送の仕事を経て、現在はタクシー運転手として働いています。

　修煉を続けるうちに、体にも大きな変化が表れました。長年の薬物乱用でボロボロだった身体は、師父に浄化され、生まれ変わったかのように健康を取り戻しました。依存に苦しんでいた当時は、骨と皮ばかりで体重はわずか40キロほどでした。それが今では顔色も良くなり、体重も65キロにまで回復しました。タクシーの仕事は体力を使いますが、昼夜働いてもほとんど疲れを感じません。

　法輪大法は「性命双修（心身両面を修める）」の修煉法です。体が浄化されると同時に、道徳心も高まっていきます。私の住むマンションでは一時期、清掃員が報酬に不満を持っていて、共用部分が汚れたまま放置されていました。そんな中、私の住む階だけはいつも清潔でした。それは、私が毎日自ら進んで隅々まで雑巾がけをし、まるで自宅のように丁寧に清掃をしていたからです。新しい清掃員が来るまで、その役目を黙々と果たしました。

　タクシーの仕事では、渋滞で料金が高くなり、乗客から「いつもより高い」と文句を言われることが多々あります。そんな時、私はいつも「お好きな金額で結構ですよ。お客様が納得する額でいくらでもかまいません」と応えます。大法の教えから「失わなければ得られず」という道理を理解しているため、損得に執着することがなくなり、損をしても平然としていられるようになりました。

　ある日、祖母と孫の二人連れが乗車し、子どもが車内で嘔吐してしまいました。目的地に着くと、祖母は掃除を拒否してそのまま立ち去りました。私は自分で車内を清掃しました。もし修煉前の私だったら、間違いなく口論になっていたことでしょう。

　このような体験は数え切れないほどありますが、すべてを語ることはできません。

　親戚や友人たちは、私の劇的な変化を目の当たりにし、法輪大法の力によるものだと理解しています。中でも最も感慨深かったのは祖母でした。かつて私を最も可愛がってくれた祖母は、立ち直った私の姿に心から喜び、法輪大法の素晴らしさと師父への感謝を口にしていました。祖母は93歳で亡くなりましたが、最期はとても穏やかでした。

　四、真実を伝え、再び拘束される

　2020年、私は法輪大法の素晴らしさと中共による迫害の実態を伝える資料を配っていたことで、警察に連行されました。私は、「真・善・忍」に従って生きることが罪であるはずがない、人々に真実を伝えることは決して罪ではないと信じています。派出所や拘置所で何度も取り調べを受けましたが、署名もせず、罪も認めませんでした。その結果、私は不当に懲役2年の判決を受けました。しかし獄中でも、私は堂々と煉功し、同じ房の人たちに法輪大法の素晴らしさを伝え続けました。刑務官や囚人長も、私が修煉していることを知っていましたが、誰一人それを止めようとはしませんでした。

　ここで強調したいのは、私が受けた迫害の中で、いわゆる「法の執行者たち」が一切法律を守らなかったという事実です。警察は私を拘束しても家族に通知せず、裁判所も家族に知らせないまま裁きました。家族が弁護士を通じて裁判官に問い合わせても、最初は電話に出たものの、その後は一切連絡を断ちました。私が不当に判決を受けるまで、家族も弁護士も何も知らされなかったのです。そして、出所の際も、家族には一切通知されませんでした。私が自ら叔母に電話をかけたとき、彼女は驚きのあまり「脱走してきたんじゃないか」とさえ思ったほどでした。

　弁護士を依頼することができたのは、ある同修が偶然、親族が落とした携帯電話を拾ったことがきっかけでした。持ち主を探す過程で私の拘束を知った彼は、親族を説得して弁護士の依頼を勧めてくれたのです。この知らせを受けた他の同修たちもすぐに協力し、弁護士費用が集まりました。こうして弁護士が介入したことで、家族はようやく私の拘束先と裁判の事実を知ることができました。

　結果として弁護士の介入によって私が釈放されることはありませんでしたが、家族は、大法弟子たちが見返りを求めず、知らない人のために全力で助け合う姿に深く感動し、法輪大法が人々の心をいかに善に導くかを実感したのです。

　結び

　かつて私は、薬物使用や強盗によって労働教養や懲役刑を受けました。けれど今、ただ「善良な人間になろう」と修煉を続けているだけで、再び牢獄に入れられました。

　中共は、善人の存在を許しません。なぜなら、中共の本質は、法輪大法が説く「真・善・忍」と真っ向から対立し、決して相容れないものだからです。

　私の体験を聞いてもなお、中共が法輪功を迫害するために流している虚偽の宣伝を信じ続けますか？　善悪を逆転させ、嘘と暴力を繰り返す政権に、まだ何かしらの期待を抱いていますか？　そして、大法弟子たちが真実を伝える資料に、これからも無関心でいられますか？

　今、世界はかつてない歴史の分岐点に立っています。すべての命が、善と悪のどちらに立つかの選択を迫られています。それは、誰も避けることのできない問いです。

　私の歩んできた道が、あなたの選択に少しでも光を灯し、希望ある未来へとつながることを心から願っています。