文／イギリスの大法弟子

　【明慧日本2025年9月25日】

　慈悲深い師父と同修の皆さまに、心よりご挨拶申し上げます。

　まず初めに、27年間にわたり修煉の道を導いてくださった師父に深く感謝いたします。私は長年、「時間がない」「難しすぎる」といった観念にとらわれてきましたが、師父のご加持のもと、この体験文章を書き留めることができました。

　また、体験執筆を根気強く勧めてくれた、英国法輪大法学会の協調人にも感謝します。彼は、私がセミナーを立ち上げ多くの任務を果たしたことを評価し、「その体験を書けば、他の人たちの励みになるだろう」と言ってくれました。私は最初、二度にわたり断りましたが、彼はあきらめずに励まし続けてくれました。発正念の後、娘が「話してくれれば、私が文章にするよ」と言ってくれました。また、ある同修は「話した内容を録音し、文字に起こす方法がある」と提案してくれ、その内容をメールで送ってくれることになりました。私は、これは師父のご導きだと感じ、この修煉体験を書き上げることができたのです。

　ここからは、私が法輪大法の修煉を始めたきっかけについてお話しします。

　私は共産主義体制下のチェコスロバキアに生まれ、幼い頃からその現実を目の当たりにしてきました。その後ロンドンへと逃れ、現地で学びめました。気功教室にもいくつか通いましたが、1997年の時点で、それらから精神的な救いは得られず、大きく失望していました。当時、夫と私は自らもそうした学びを人に教えていました。そんな中、ロンドンで開かれた「心・体・精神の展示会」に参加しました。私たちもブースを出し、講演を行い、知人たちと交流していました。会場内を歩いていると、「法輪功」と書かれた小さなブースが目に留まりました。そこでは小さなテレビで功法の映像が流れており、英語の書籍はありませんでしたが、綴じられた資料が置かれていました。私たちはその資料と1本のビデオテープを購入しました。価格は1ポンドか2ポンドほどと手頃で、他のブースの20ポンド以上と比べて印象的でした。ロンドン市内で法輪功の学習会があることを知り、夫が参加することにしました。そこで功法を学び、『轉法輪』を購入しました。私もそれまでの修行に失望していたため、夫の勧めでビデオを観て、『論語』を読みました。そして、「これこそ、ずっと探し求めていたものだ」と確信したのです。

　私が修煉を始めた当初は、中国での迫害はまだ始まっておらず、精神的な修煉に専念できる純粋な時期でした。しかし1999年7月、突然、中国共産党（以下、中共）が法輪功学習者（以下、学習者）への迫害を始めたというニュースが飛び込んできました。当時、師父も約1年近く説法を発表されておらず、私たちはそれぞれが「この状況にどう向き合うか」を真剣に考える必要がありました。私と夫は、「これほど素晴らしい功法が迫害されていることを、もっと多くの人に知らせなければ」と強く思いました。私たちは共産主義の実態をよく理解しており、そこから逃れてきた経験もあります。イギリスやチェコの人々に迫害の真実を伝え、共に止めていく道を探りました。ちょうどその頃、私たちの友人で元勲爵士の方に法輪功と迫害の実態を伝えたところ、「議会でセミナーを開催してはどうか」と提案されました。その瞬間、私は「これは私の使命だ。迫害が終わるその日まで、政治家たちの意識を高め続けなければならない」と強く感じました。それ以来、私はほぼ毎年、議会関連のプロジェクトに関わり、多くの学習者と共に活動してきました。また、チェコ共和国の政治家にも働きかけ、現地でのセミナー開催にも協力を得ることができました。

　多くの困難を経験する中で、私は心性の向上と発正念の重要性を、より深く実感するようになりました。たとえば、あるセミナーでは、担当する同修が開催1週間前になっても準備を終えていないことが判明しました。私は急いでメールで協力を呼びかけ、当日は夫に隣で発正念をしてもらいながらセミナーを進めました。その結果、無事に開催することができました。

　今年のセミナーは特に忙しく、多くの参加希望者が集まりました。会場となった上院の部屋が45名までしか収容できないと知らず、一部の参加者には別室へ移動してもらう必要がありました。幸い、議会に勤めている知人が30人ほどを別室に案内し、そこでも音声が聞こえるよう手配してくれました。全体として、セミナーはうまく進行しました。

　私たちは『大紀元時報』や新唐人テレビのために素晴らしいインタビューを行うことができ、とても良いチームワークを発揮できたと感じています。意見の違いや理解の差はあっても、私は常に内に向かって探し、自身の観念や執着を取り除くよう努めてきました。デービッド・マタス氏もセミナーに参加し、私たちは彼をイギリスの外務・連邦・開発省（FCDO）に案内しました。彼が注目しているのは「国を超えた弾圧」です。現在、西側諸国における迫害も悪化しつつあり、中国本土ではそれがさらに深刻です。人々の認識が高まってきてはいるものの、迫害はまだ終わっていません。だからこそ、私は今の活動を続ける必要があると確信しています。それが私の使命です。

　修煉の中では、多くの魔難や困難に直面してきました。そうした時、私は「いかなる心も動じなければ、全ての変動を制することができます」（『米国中部法会での説法』）という師父の言葉を思い出し、自らを静めてきました。そして、「どんな状況でも、まず師父の法を思い出す」ことの大切さに気づきました。それは、すべての執着や妨害と困難を打ち破る鍵なのです。とはいえ、常にうまくいくわけではありません。夫が亡くなった時、私はもっと彼を支えるべきだったのに、自分の不安に囚われてしまいました。他の地域でも、私が知っていた同修が亡くなったという話を聞きました。

　明慧ネットの記事をもっと読みたいと思いながら、日々の忙しさの中で時間が取れずにいました。そんな時、ある同修が私のスマートフォンに「明慧ラジオ」のアプリを入れてくれました。今では日常の作業をしながら常に聞いており、修煉の助けになっています。魔難に遭ったときや、妨害が生じたとき、誤解されたとき、つらく感じたときには、すぐに内に向かって自分を探し、そうした感情や執着を手放すようにしています。

　少し前、チェコの姉を訪ねた際、思いがけない魔難が起きました。現地での法会にも参加する予定で、ロンドンに戻ってからは議会セミナーの準備や神韻の紹介にも関わる予定でした。しかし、到着時すでに疲労がたまり、また、顔を合わせづらい同修とも再会する場面がありました。過去のわだかまりを完全に手放せておらず、それが心に重くのしかかっていました。そんな中で、姉の家で煉功中、突然強いめまいに襲われ、そのまま倒れて左の臀部を痛めました。激しい痛みで動けず、必死に携帯を取り姉に連絡しました。救急搬送された病院で「左の恥骨骨折」と診断され、1週間の入院を余儀なくされました。

　入院中、師父の説法の録音を聞き、『轉法輪』を読みながら、医療スタッフに迫害の事実を伝え、神韻のチラシも配りました。その後は歩行器を使ってのリハビリに取り組み、姉の家でさらに回復を進め、杖を使いながら再び煉功も始めました。約2カ月のチェコ滞在を経て、保険会社の手配でロンドンに戻り、娘の家でしばらく療養しました。

　クリスマス前には自宅へ戻り、ついに坐禅も再開。達成できたとき、深い充実感がありました。この魔難の中で、私は何度も「私の執着は何だったのか？」「なぜこの状態に陥ったのか？」と自分に問いかけました。『轉法輪』第九講にある「韓信、胯下の辱めを受ける」という話を読み、まさに今の私に必要な教えだと感じました。他人から傷つけられたときに他人を責めるのではなく、自分の内を見つめ、心性を高めるべきだったのです。私は過去の出来事に囚われ、それを手放せないまま修煉を続けていました。外に向かって他人を非難するのではなく、自らの心を見つめるべきだったと分かりました。

　明慧ラジオを通じて、修煉者として「内に向けて探す」ことの大切さを再認識しています。どんなにつらい状況でも、「これは師父が私のために用意されたもの。どのように心性を高めるか？　何を放下すべきか？」と考えるようにしています。それが、魔難を乗り越える鍵なのです。私は、師父と、私の修煉を支えてくれた同修の皆さんに心から感謝しています。

　こうして私は、修煉の次元を少しずつ高め、多くの衆生を救い、法を正す中でより良く行うことができるようになってきました。私たちは師父のために行っているのではなく、自分自身と、自分の世界に対して責任を果たしているのです。私は、師父から託された信頼に、真に応えられるよう努力していきたいと心から願っています。

　師父、ありがとうございます。

　同修の皆さん、ありがとうございます。

　（2025年イギリス法輪大法修煉心得交流会原稿）