文／中国の大法弟子　　

　【明慧日本2025年9月26日】映画の途中に歌を挿入すると、人々に映像技法が未熟だという印象を与えます。

　20世紀80年代、90年代、映画が出始めたころ、人々の審美は未熟であり、新鮮さ・見たことがないもの・科学技術への崇拝といった心理に支配され、夢中になって追いかけて観ていました。その頃の監督の技法も未熟でした。映画の冒頭には必ず一曲、そして途中にも一曲、さらに結末にも一曲挿入されます。さらにはテレビドラマでは、少し進行するたびに強烈な歌唱や音楽が再び流され、とりわけ台湾ドラマではその傾向が最も深刻でした。

　しかし、時が経つにつれ、人々が映像作品を数多く見て経験を積み、成熟してくると、今になって80年代、90年代の映像作品を振り返れば、多くの人々は当時の映像手法を稚拙だと感じます。あの頃に流行した歌のMVを見ると、なおさら監督の観念や映像技法がいかに低かったかを感じさせられます。

　ところが、現在、私たち大法弟子が制作する映画の中には、まさに20世紀80年代、90年代初期の映画技法や感覚をコピーしているものがあります。途中に歌を挿入し、結末に歌を挿入しています。これは現代人にとっては、私たちの監督のレベルが未熟だと感じさせ、ひいては作品への評価に影響します。監督たちは伝統に立ち返ろうとしていますが、80年代、90年代の道徳水準や映画技法は伝統ではなく、立ち返るべき場所を誤っています。私たちが伝統に戻るというのは、大法が人間世界において展現する世界観に戻るということなのです。

　漢・唐・宋の時代を見てみましょう。当時の芸術に80年代、90年代の観念があったでしょうか？　漢代には音楽や舞踊はありましたが、歌曲はなかったように思えます。唐代にも歌曲はなかったようです。宋代には現れたようですが、それも「下士」の間で流行したに過ぎず、現代のものとは異なります。私たちの神韻はコンサートの形式であるため、歌曲はありますが、それは独立して存在し、舞踊に混ぜ込まれてはいません。

　私個人の意見としては、結末に歌を挿入するのはよいですが、途中には入れるべきではありません。そして結末でも、できれば歌曲ではなく音楽で代えるのが望ましいのです（ただし場を完全に掌握できる要素の強い歌曲なら使ってもよい）。映画における歌曲は、現代人の観点からすれば「幼稚・軽い・厳粛さに欠ける」という印象を与えます。現代のトップレベルの映画技法を見てみれば、歌曲を入れているものがいくつあるでしょうか？　もちろん私たちは彼らに学ぶわけではありませんが、私たちの伝統はそれよりもはるかに力強いのです。監督たちはそれを見出し、作品に反映させなければなりません。

　本稿は善意の提起であり、参考に供するものです。