　【明慧日本2025年10月19日】日本在住の法輪功学習者（以下、学習者）の張一文さんと劉月（通称：劉希月）さんが10月17日、東京の中国大使館前で抗議活動を行い、中国共産党（以下、中共）に対し、中国で不当に拘禁されている家族の即時釈放を求めた。SMGネットワーク（Stop Medical Genocide）の代表で、逗子市議会議員の丸山治章氏が抗議活動の場に足を運び、支持を表明した。

『忠告書』を読み上げる丸山治章議員（左から2番目）

　丸山氏は中国大使館前で中国政府宛ての『忠告書』を厳粛に読み上げ、その後、大使館の郵便受けに投函した。

　『忠告書』は、中共による26年にわたる非人道的な迫害を厳しく糾弾し、以下の内容を断固として要求した。

　・法輪功学習者に対する弾圧、監禁、虐待を直ちに停止し、基本的人権を尊重すること。

　・「再教育施設」の名の下に行われている、すべての大規模強制収容所を即時閉鎖し、不当に拘禁されている学習者を全員無条件で解放すること。

　・国家ぐるみの生体臓器収奪という犯罪行為を直ちに停止すること。

　・張一文さんの母親である王乖彦（おう・かいげん）さん、劉月さんの妹である劉聰（りゅう・そう）さんを含む、不当に拘束されているすべての学習者を無条件で即時に釈放すること。

　丸山治章議員、中共の暴挙を痛烈に批判

丸山治章議員

　「中国共産党政府のやっていることは、世界中の人が知るところとなっている。人類の歴史から見ても許されざる行為、残虐な行為、非道な行為、有史以来のひどい行為だ、ということが、もう分かっているわけです」と丸山氏は述べた。中共政府が行っている行為は、人類の法と道徳に照らしても紛れもない犯罪である、と指摘した。

　さらに、「学習者たちは自分たちの体を鍛え、良い人格を求めて修煉しているだけですけれども、それがどんな犯罪になるのか。人類の歴史において、そのようなことが犯罪になるということは、一度もなかったわけです」と述べ、国際社会に対して足並みをそろえて、中共を非難するよう呼びかけるとともに、日本の人々および事情を知る者は皆、勇気をもって、声を上げるべきであると訴えた。

　そして、最後に丸山氏は「こういう抗議活動を通してこれからも訴えていきたいと思っています」と力強く表明した。

　日本在住の劉月さん　中国大使館前で涙の訴え「妹を返してください！」

　「妹を返してください！」。10月17日、中国大使館前で、日本在住の学習者、劉月さんが中国で不当に拘束されている妹・劉聡さんの即時解放を中共に対して求めた。

　劉月さんの妹、劉聡さん（45）の遼寧省葫芦島市の自宅に警官らが押し入り連行されたのは昨年7月12日の早朝のことだった。警察が、劉聡さんを逮捕するためにこじつけた口実とは「劉聡さんが不当な判決を受けた夫の無実を証明したいと訴えた」とするもの、国民として当然、認められているはずの正当な権利を行使したこと、ただそれだけであった。

　劉聡さんの夫、欒長輝（らん・ちょうき）さんは、葫芦島市の渤海造船所に勤める優秀なエンジニアであったが、法輪功を学んでいるという理由だけで2021年、職場から連行され、懲役4年の不当判決を受けた。劉聡さんは夫の無実を信じ、司法機関に手紙を書き、法廷で弁護を行ったが、その結果、彼女自身も中共の新たな標的となった。

　2024年7月12日の早朝5時「下の階で水漏れがしている」という警官の嘘の口実でドアを開けさせられた劉聡さんは、家に雪崩れ込んできた10数人の警官に連行された。令状の提示もないまま家宅捜索が行われ、夫の無実を訴えるための訴状やパソコン、携帯電話などが押収された。

　その後、劉聡さんは葫芦島市留置場に拘束された。日本在住の姉の劉月さんが日本から現地の派出所や国内安全保衛部門（法輪功迫害の実行機関）に電話で安否を尋ねると、「劉聡という者は知らない」「本当に知りたければ、こっちへ来て直接聞け。そうしたらすぐにお前を逮捕してやる」などと取り合わず、脅しを受けた。

　2025年2月と6月の2度にわたり、形ばかりの裁判が開かれた。劉聡さんは法廷で「信仰は犯罪ではありません。夫の冤罪を晴らすことは憲法が私に与えた権利です」と堂々と無罪を主張したが、裁判官に強引に遮られ、6ページの陳述書のうち読めたのは3分の1にも満たなかった。そして、証拠不十分で一度は案件が差し戻されたにもかかわらず、最終的に懲役4年という重い判決が劉聡さんに言い渡された。

　「妹は、強制労働をさせられるだけでなく、生きたまま臓器を摘出されてしまうかもしれません」と劉月さんは悲痛な思いを語った。

　「中共による学習者への扱いは人権も法律も存在しない、まさにジェノサイドです。私はその無数の被害者家族の一員として、そしてこの犯罪の証人として、その責任を最後まで徹底的に追及します。中共と共犯者を必ず正義の法廷に立たせなければなりません」

　抗議文を読み上げた劉月さんは、妹・劉聡さんを含む、不当に拘束されているすべての学習者の即時解放と、迫害の停止を強く要求。そして、世界中のすべての人々が信仰の自由を享受できる、平和な社会の実現を訴えた。

　日本在住の張一文さんが母・王乖彦さんの釈放と法輪功への迫害停止を訴える

　「私の母、王乖彦を直ちに解放してください」。10月17日、中国大使館前で日本在住の張一文さんは、中国大使館前で切実な声で訴えた。中共が国際的な人権基準を無視して行っている不当な人権侵害の犠牲となっている母を救うため、張一文さんは、日本と国際社会の良識ある人々に支援を求め、大使館のポストに抗議文を投函した。

　張一文さんの母・王乖彦さんは、法輪功を修煉しているというだけの理由で、陝西省宝鶏市金台区裁判所により不当に懲役4年の判決を受けた。しかし、張一文さんは抗議文の中で、この判決がいかに法的根拠を欠いたものであるかを強く訴えた。

　「法輪功を修煉すること、その書籍を所持することは、現在の中国の法律下において、完全に合法です。そもそも法輪功は、公安部が定めた14種の邪教リストには含まれていません。弾圧の根拠となっているのは、江沢民元主席の個人的な発言や、法的効力のない内部通知の悪意ある拡大解釈に過ぎないのです」

　王乖彦さんは、産後の難病を患っていたが、法輪功の修煉によって健康を取り戻し、心身ともに向上した。修煉は彼女の心をも変え、バイクに衝突されても相手を許すほどの善良で、寛容な人になった。しかし、中共はそのような善意に満ちた人でさえも体制の脅威と見なし、残酷に弾圧しているのが現状である。

　1999年の迫害開始以来、王乖彦さんは何度も不当に拘禁された。「母と共に過ごした時間は、私の成長過程で5年にも満たないのです」と張一文さんは語る。拘束中、王乖彦さんは顔に傷が絶えないほどの殴打、髪を掴まれ壁に頭を打ち付けられる暴行、針で体を刺される陰湿な拷問、そして奴隷のような強制労働を強いられた。それでも王乖彦さんは、自らを拷問した警官たちを恨むことなく、善の心で接し続けたという。

　2024年4月11日、王乖彦さんは、他の学習者の家で学法をしていたところを警官に連行された。それから1年以上にわたり、家族との面会も拒否され、不透明な司法手続きの末に重い判決が下された。今年9月、張一文さんの父が刑務所に面会を求めた際、刑務官から「彼女は『転向』しないから、我々には相応のやり方がある」と脅迫されたという。張一文さんは、母が再び残虐な拷問を受けているのではないかと心を痛めている。

　張一文さんは、母の境遇は個別の事例ではなく、現在の中国で数万人規模の学習者が共通して被っている現実であると指摘した。具体例として、姚佳秀（よう・かしゅう）さんが「迫害の実情を伝える資料の作成に関与した」とでっち上げられて、5年の実刑判決を受けたケースを挙げた。訴状に記された「資料を作った」という行為自体が存在せず、立証は極めて脆弱であるにもかかわらず、法廷は無罪を主張する弁護に耳を貸さず、控訴審段階では公開審理すら行われなかった。弁護人でさえ判決書を入手できず、司法は有名無実と化している。

　また、日本在住の学習者の親族である鐘芳瓊（しょう・ほうけい）さんも、信仰を堅持したというだけで、何ら証拠のないまま1年以上も拘禁され、家族との面会さえ許されていない。

　張一文さんは最後にこう訴えた。「どうか善良さを保ち、法輪功学習者に対し人道に基づいて接してください。関係部門に対し、法に基づく審査を促し、王乖彦、姚佳秀、鐘芳瓊、その他すべての不当に拘束されている学習者を解放してください。それが、あなた方自身とご家族のために、素晴らしい未来を選択する道なのです」