文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年10月21日】長い間、心性を高めることにおいて、私は嫉妬心、恨む心、闘争心、顕示心、色欲心などを修めることに注意してきました。これらの執着心は比較的見分けやすく、時には感情を抑えきれないこともありますが、後から内に向かってそれらの心を見つけることができます。しかし、同修や家族からは、私にはいつも「何か勢いのようなもの」があって、周囲に不快感を与えていると言われます。ただ、彼らもそれが何なのかはっきりとは言えず、傲慢、独りよがりな心、思い上がりのようでもあるが、どれも決定的ではなく、少し奇をてらったようなものも混じっていて、心性の向上が遅いように感じられると言われます。私は内に向けて「自分の心より魔が生じること」(『轉法輪』)を見つけました。そしてしばらくの間、発正念してそれを取り除こうとしましたが、どうしても根本が見つからないのです。

　最近、集団で法を学んでいるときに、「歓喜心」の節を学びました。そこで私は、長い間心性を修めてこなかったことが、「自分の心より魔が生じること」の現れになっていたのではないかと気づきました。そして、その原因は歓喜心にあるのかもしれないと思ったのです。　　

　子供の頃、家庭の影響を受けて、良い人になるべきだ、正直者であるべきだと教えられました。善い事をすれば善に報いられ、悪い事をすれば悪に報いられる。損をすることはむしろ福であると。しかし現実の中で、私は良い人ほどいじめられやすく、損をしやすいことに気づきました。そして、多くの人がこのような考え方を持っていないことにも気づきました。彼らは「損をしてはいけない」、「正直者はバカだ」と考えているのです。そうして私は、次第に自分の価値観に疑問を持つようになり、この世界と自分がかけ離れているように感じ、心の中はいつも葛藤に満ちていました。

　私が大法に触れたとき、人生で抱えていた多くの困惑が一気に解け、自分の考え方は正しく、他人のほうが間違っていると感じました。そうして、すぐに歓喜心が湧き上がりました。「顕示心にさらに歓喜心が加わると、魔の心に最も利用されやすいのす」（『精進要旨』定論）とありますが、まさにその通りで、「自分の心より魔が生じる」状態になり、自分はすごい、自分は法に即していて、普通の人とは違うと思うようになりました。まるで泥の中から咲いた蓮の花のように感じ、他人はただの泥だと思い、自分は特別だと考えるようになったのです。その結果、言動において常に他人より優れていたいと思い、何か特別なことをしようとしがちで、とにかく人と同じにはなりたくないという気持ちが強くなりました。自分の考えが法に合っていると思っているため、「自分は正しい」という一念が生まれ、他人の批判を受け入れられず、内に向けて探すことができず、心性の向上に支障をきたしました。表面的には、少し指摘されただけで感情的に爆発し、自分勝手な振る舞いをしてしまいます。自分を傍観者や審判のように位置づけてしまい、自分こそが正しいと思い込んでいるのです。さらに、主意識がはっきりしない状態になり、功を煉る時や発正念をする時に意識がぼんやりし、法を学んでも心に入ってこないという現象が現れました。

　この「歓喜心」は、本来なら大法に入った時点で生じるべきものだったのに、私は修煉して20年以上経ってからようやく気づきました。この歓喜心を見つけたことで、「自分はなかなか良い修煉者だ」と思っていた気持ちも消え、いつも自分を誇示したいという心も薄れてきました。今になってようやく、私は長年にわたって真の修煉者になってないし、心から内に向かって探すこともできていなかったのだと気づきました。この教訓は本当に深いものでした。