文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年11月1日】僕の母は不当な判決を経て、2022年に釈放されました。そのとき僕は母を迎えに刑務所へ行きました。当時、地元では邪悪な迫害政策が敷かれており、出所する大法弟子は、必ず政法委の「610弁公室」、地域コミュニティ、そして地元の警察署に引き渡され、これらの関係者がそろって記念写真を撮影してからでないと釈放されないという決まりがありました。その日、地元の警察署からは4、5人の若い警察官が来ていました。私は彼らとやり取りをして、態度が比較的穏やかだったので、大法の真相を伝えました。母を引き取るときも、彼らはついて来ませんでした。

　これで全て終わったと思っていたのですが、10月になって突然、警察署から電話がかかってきて、「お母さんに会いに家へ行きたい」と言われました。その話を聞いた瞬間私は、邪悪が隙を狙って再び大法弟子を迫害しようとしているのだと悟り、すぐに座って発正念を始めました。しばらく発正念をしているうちに、「彼らを単なる迫害者として見てはいけない」と気づきました。彼らは警察ではありますが、同時に僕たちが救うべき衆生でもあるのです。「必ず、彼らを救おう」と心に決めました。そのとき、再び警察から電話があり、「今すぐそちらに向かいます」と言われました。当時は邪悪が「伝染病」の名目で封鎖を行っており、電話番号や住所が把握されていました。そのとき家には同修がいたので、私は「今は、都合が悪いです。夕方の5時か6時ごろに来てください」と伝えると、彼は「わかりました」と答えました。

　同修を送り出したあと、私は静かに座って発正念を続けました。このときの発正念は、修煉を始めて以来、最も良い状態でした。心が非常に静まり、身体は微動だにせず、はっきりと師父のご加持を感じました。その瞬間、自分の空間場から無色透明の光のようなベールが飛び出し、2人の警察官を包み込みました。実際、何人来るのか正確には分かりませんでしたが、そのベールは、人を操る共産邪霊の働きをすべて遮断するものだと感じました。こうして、2時間ほど発正念を続けました。

　ほどなくして、警察がドアをノックしました。僕は彼らを家の中へ招き入れ、お茶を入れてもてなしました。彼らはとても礼儀正しく、僕に対しても敬意をもって接してくれました。そこで僕は、「まずその法執行記録用のカメラを切ってください。あなたたちに伝えたいことがあります」と言いました。彼らは素直にカメラを止めてくれました。そして私は「母の件は、あなたたちが担当しているのですか？　法輪功とは何か、ご存じですか？」と尋ねました。 2人は静かに首を横に振りました。そこで私は言いました。「ではまず、法輪功とは何かをお話ししますね」

　まず、天安門焼身自殺事件の真相から話を始め、それがいかに捏造されたものであるかを説明しました。そのあと、母が法輪大法を修煉してから心身に起きた大きな変化について語りました。2人の警察官は全く口を挟まず、静かに真剣に聞いていて、何度も深くうなずいていました。すると、先頭にいた警察官が「私はもともと部隊から転職して警察になったんですが、足の痛みにずっと悩まされているんです。法輪功で良くなるでしょうか？」と聞いてきました。私は微笑んで、「本当に心から信じれば、きっと不思議なことが起こりますよ」と答えました。そして「あなたたちは党や団に入っていますか？」と尋ねました。先頭の警察官は共産党に入っており、もう1人は共青団に入っていると言いました。私はその場で、「党や団を脱退して、自分の未来を守る選択をしてください」と伝え、「法輪大法は素晴らしい、真善忍は素晴らしい」を覚えておくように勧めました。

　2人とも、とても喜んでそれを受け入れました。そのあと、彼らはもう法執行記録のカメラを取り付けることもなく、笑顔で帰っていきました。僕は玄関から2人の後ろ姿を見送りながら、胸が熱くなり、涙がこぼれそうになりました。表面上は、これは邪悪が迫害しに来た出来事のように見えますが、実際には、慈悲で偉大な師父が旧勢力の手配を逆手に取り、彼らを救ってくださったのです。

　師父は、「慈悲は天地を和ませ春をもたらす　正念は世中の人を救う可し」（『洪吟二』「法は乾坤を正す」）と説かれました。この言葉の意味を僕は、初めて心の底から慈悲というものがどんなに深く、どれほど力強いものかを悟り、体感しました。実際、衆生は皆、救われることを心から望んでいるのです。ただ、僕たち人間の観念や執着の心こそが、それを妨げているだけなのです。

　半月ほどたったころ、その警察官から再び電話がありました。「お兄さん、本当にありがとう。足の痛みがすっかり良くなりました。あなたが教えてくれた『法輪大法は素晴らしい、真善忍は素晴らしい』を、毎日唱えています。これからこの件については、僕はもう関わりません」

　その言葉を聞いたとき、僕は心の底から喜びを感じました。しかし、心の奥ではハッキリと分かっていました。実際に行ってくださっているのはすべて師父なのです。僕たちがすべきことは、ただ法の基準に従って行い、自らの心性を高めることだけ。そうすれば、師父は縁ある衆生を僕たちの前へ導いてくださる。すべては師父が精妙に手配してくださっているのです。僕たちが一歩踏み出すだけで、師父は最も良いものを与えてくださるのです。