文／中国の大法弟子

　【明慧日本2025年12月2日】私は青年弟子で、かつて腫瘍科の医師でした。2019年頃、上海に長く住んでいる昔の同級生が私に病状を相談してきました。彼はすでに2カ月ほど血便が続いており、送ってきた大腸内視鏡検査の結果を見ると、結腸に非常に大きな占拠性病変があり、腸内の腫瘍が腸管の半分を占め、内視鏡すら通らなくなっている状態でした。私は驚きました。腫瘍科で、ここまで大きくなるまで放置された大腸がんは滅多に見ません。これほど大きいと、早期という可能性はほぼなく、たとえ手術ができたとしても、中央値の生存期間はおそらく2年ほどだと思いました。

　20年来の同級生でもあり、彼の命の危険を心配しました。自分は腫瘍科の医師であったとしても力になれず、ここまで大きくなった腫瘍に対して、医学には限界があることもよく分かっていました。運命を変えられるのは佛法だけだと分かってはいても、どうやってそれを彼に理解させればよいのか、と悩みました。同級生は上海に住んでいて、当時の大学受験では211大学（重点大学）に合格し、仕事も生活も順調でした。まだ29歳という、まさに意気盛んな年齢で、どうしてこんな若さで大腸がんになってしまったのだろうか、と不思議に思いました。

　会話の中で、彼の子どもの頃の話を知りました。彼の祖母は胃がん、祖父が肺がんになり、彼は家でひざまずいて「自分の寿命を祖父母に分けてあげてください」と天に祈ったそうです。すると祖母は本当に60代から90歳まで生き延びましたが、彼は29歳で結腸がんになってしまいました。私は彼に、「自分の命を使って誓いを立てるようなことは、むやみにしてはいけない。福分も業力も、誰のものでもなく、最初からその人のものなのです」と伝えました。しかし、微信（WeChat）通話では大法のことを話すことができません。ちょうど彼の父親が、彼の手術の世話をするためにこちらから上海へ向かうと知り、私は彼に、大法とは何かと、腫瘍科で起きた奇跡について手紙を書いて、彼の父に託し、持って行ってもらいました。

　同級生は上海で見聞も広く、パソコンにも精通し、ネット規制の突破もできます。私の手紙を読んだあと、すぐにネット規制を突破し『轉法輪』をダウンロードしました。読み終えた後、彼が私に最初に言ったのは「自分は天に選ばれた子のように感じる。本を読み終えたら、自分のすべてが昇華したようだ」でした。

　彼が手術を受ける前、担当医は「腫瘍ができている位置から見ると、肛門を残すのは難しいかもしれない。お腹に人工肛門（ストーマ）を作る可能性が高い」と彼に伝えました。彼はそれを受け入れられず、「ぼくはまだ29歳なのに、手術後に肛門がなくなるなんて」と言いました。常識的に考えれば彼の腫瘍はすでに腸管の半分を塞ぐほどで、中・後期の状態に見え、手術後に2年生きられればもう幸運であること、肛門を残せるかどうかは、すでに重要な問題ではないことをあえて彼には言わず、「今は何も考えないで、昔の自分の命を祖父母に差し出す誓いを、師父に解いてもらえるよう懇願してください。大法の本をたくさん読み、書かれているとおりに実践し、過去に自分がしてしまった悪いことに対し、心から懺悔してください。頭の中に少しでも佛法を多く入れられれば、運命は元々定まっていたよりも、少しは良い方向へ変わっていきます」と言いました。。その頃、彼は本当に熱心に大法の本を読み、大法の音楽を聴き続けていました。手術の結果、肛門は残すことができました。そして術後の病理検査では、なんと、腫瘍細胞が粘膜下までの浸潤のみと報告され、つまり早期大腸がんと診断されたのです。これは手術後ほぼ治癒したことを意味します。当時の私は信じられない思いでした。腫瘍が腸管の半分を占めるほど大きくなっていたのに、常識から考えてどうして早期がんであり得るのか。しかし、術後の病理結果は確かに早期と出たのです。大法は本当に不思議で、超常の科学だと実感しました！

　同級生は手術後、生まれ変わったように元気になり、師父に深く感謝し、大法の不思議に感嘆していました。しかし同時に、欲が出てしまいました。「これからはすべてがうまくいくはずだ」と考え、少しの苦しみを味わうと動揺するようになったのです。手術後、腹腔内に残った液体を排出するためのドレーン管が設置されました。しかしその管からは絶えず便の残渣が出ていました。医師は「腸管がまだ完全に回復していない」と説明しました。すると彼は求める心が生まれ、毎日大法の本を読みながらも、ドレーン管から便が出るかどうかばかりを気にしていました。結局、この状態が半月も続き、ドレーン管から便の残渣がずっと出続けました。このとき、彼の心境は手術前の平穏な状態ではなくなっており、私に「こんなに何日も大法の本を読んでいるのに、腸管はまだ治らない。希望の光も見えないじゃないか」と愚痴りました。私は彼に「どうして希望が見えないなんて言うの？　若くして大腸がんになったということは、あなたの身に相当な業力があるということです。その半月の間に、あなたの運命は手術しても生存期間は2年という状態から、手術を無事終え、生還し、しかも肛門を残せるまでに逆転したのです。これこそ、非常に大きな希望であり奇跡なのです。それほど重い業力を背負っているのに、読書しただけで全てがうまくいき、少しの罪にも遭わずに済むと考えるのは、少し欲張りすぎではありませんか？　読書は読書として、書かれている通りに実践しなければなりません。求める心を抱くのはよくないです。腸管は回復すべきときに自然に回復します。早いか遅いかの問題にすぎません」と話しました。彼はこの話を聞いて、求める心を放下しました。すると翌日、ドレーン管から便の残渣は出なくなりました。さらに2日観察したあと、医師はドレーン管を外しました。この出来事から、私は学びました。誰もが病業の関を乗り越える過程では、何度も試練に直面します。一度に全てがうまくいくことはなく、正念を貫き、何も求めなければ、自然に得られるものがあるのです。

　同級生の事例は、私が世人に真相を伝え、三退（共産党・共青団・少先隊からの脱退）を勧めるときにもよく使います。多くの人は、党・団・隊を退く話を聞くと、最初は政治的な話だと感じ、心の中で拒絶反応を示します。そこで私はまず「私たちはかつて少先隊、共青団、共産党に入るとき、拳をあげて、自分の命を捧げると誓ったことがあります。しかし、自分の命を捧げるような誓いは良くありません。私の同級生のように、自分の命を胃がんの祖母に延命のためにあげると誓った結果、祖母は30年長生きしましたが、彼は29歳で大腸がんになってしまいました。だから私たちは、かつて立てた誓いを解き、誰にも自分の命を捧げてはいけないのです」と話し、そのあと仮名で三退の話をして具体的な事例を示せば、人々も命をかけて誓うことの厳粛さをより明確に理解でき、なぜ三退が必要なのかを理解しやすくなります。

　初めての投稿で、不適切な点があれば、同修に慈悲深く指摘していただければ幸いです。