文／米国の法輪功学習者

　【明慧日本2025年12月15日】私はアメリカ・ジョージア州アトランタの学習者で、大法を修煉して5年になります。2025年11月の第一週、仕事を終えて車で家に帰る途中、家まであと数分のところで、私は突然天目である光景を見ました。そしてその瞬間、師父が弟子の業力を耐えてくださっているその痛みが、どれほどのものかを、非常に透徹に理解したのです。

　師父が弟子の業力を耐えてくださっているということは、以前から同修との交流や、『轉法輪』および多くの法会での講法を読み、理解したつもりでいました。しかし、それらすべては耳で聞き、文字を読み、表面で「分かったつもり」になっていただけで、本当の意味で理解してはいませんでした。しかし今回、私が体験し感じたことは、まるで本当に師父のご苦労を「知り」、そして「透徹に感じ取った」かのようでした。

　その時、師父が耐えておられる姿を見た私は、その痛みを感じ取りました。言葉では表せない、極めて極度の痛みです。私は、師父が弟子の業力を耐えてくださっているだけではないことも見ました。一層一層の空間、無数の生命、一層一層の宇宙、計り知れないほど多くの生命のために、師父は低い次元から最高次元までのすべてを承受されていたのです！　高次元の業力は、私たちが想像するよりもはるかに恐ろしいものです。

　私は突然、その理由を透徹に理解しました。師父は万物が滅されることを望まれず、救い済度したいと願われているため、すべてを引き受け、法を正す進展を維持し、加速させておられるのです。私たちは皆、師父が「私たちが想像できる宇宙の最高次元ですら、すでに退廃している」と説かれたことを知っています。師父は滅ではなく法を正すことを選ばれ、そのためにすべてに耐えてくださり、この偉大な過程を開始させられたのです。

　その体験からすでに一週間以上が経ちました。今こうして落ち着いて書きながら、当時見た情景から悟った細部を、少し整理し補足しています。しかし、あの瞬間に私が見た光景を、ここでそのまま分かち合いたいと思います。私は、師父が引き受けている痛みが、イエスが受けた苦難よりも、どれだけ多く、どれだけ巨大であるかを見ました。その一瞬、私は全身が震え上がり、痙攣のように震えが止まりませんでした。その後、声を上げて泣き出し、抑えられず、大声で泣きました。まるで父を失ったかのように泣き崩れました。

　しばらくして、私は電話を取り上げ、よく交流している同修のQさんに電話をかけました。彼と分かち合いたかったこと、そして注意をそらして少しでも落ち着きたかったからです。Qさんは電話に出ると、私の声の様子がおかしいことに気づき、何があったのかと尋ねました。しかし私は、師父がイエスよりもはるかに大きな苦難を引き受けておられるのを見た、としか言えず、再び涙があふれてしまいました。そこで「あとでまたかけ直します」とだけ言って、電話を切りました。電話を切った後も、私はしばらく泣き続けました。

　イエスの受難は、人類のこの一劫の中でも最も苦しいものと考えられています。しかし、誰も、師父がこの人間の身でどれほどのものを引き受けておられるか、知りません。私は想像できませんし、思い描くことすらできません。師父のこの身体が、全宇宙の最底次元から最高次元までの業力を耐えてくださっているということを。これを書きながら、また涙がこぼれてきました。声を上げて泣いているわけではありませんが、涙が止まりません。あの時、私は本当に強い衝撃を受け、頭がこの巨大すぎる出来事を全く受け止められなかったのです。

　その後数日間、私はずっと心ここにあらずという状態でした。精神が抜け落ちたようで、何も手につきません。私は普段、同修と共に様々な大法プロジェクトに参加し、できる限り支援し、関わるようにしています。しかしこの期間中、まるで呆然としていて、何もできませんでした。なぜなら、私がどれほど何かをしても、師父を助けることなど一分一秒すらできない、と感じてしまったからです。師父の犠牲はあまりにも偉大で、「偉大」という言葉すら足りないほどです。私にはそうとしか言いようがありません。言葉とは、その程度にしか表せないものだからです。私は何もできず、何の貢献にもならず、完全に無力だと感じました。ただそこに座って、師父が引き受けられている苦しみを見ていることしかできない。私がどれほど努力して何かをしても、それは大海に投げ込んだ一粒の塩のようなもので、本当に無力でした。丸一週間、私の心境はずっとそうでした。師父は私に何かを悟らせるためにあの光景を見せてくださったのだと分かってはいますが、この件に関しては、本当に呆然とするばかりで、何をしたらいいのか分からなくなってしまいました。

　その時、自然に、私のすべての執着が消えてしまったように感じました。何も欲しくなく、心が全く動かず、どんな反応も起きませんでした。たとえ妻が怒って、以前なら私が聞くと必ず反発してしまうような言葉を言ったとしても。以前は、もう感情的に争うことはなくても、心のどこかで少しは不快に感じていました。しかし今は、心が全く動かず、少しの不快すらありません。今日も、妻がいくつか言ってきましたが、私の心はまるで動きませんでした。師父があれほど巨大な犠牲を払ってくださっているのに、私はたった一つの小さな執着すら完全に取り除けていなかったのだ。そう痛感すると、以前のような反応が起きるはずもありません。もちろん、師父が説かれているように、修煉には段階があり、新しい次元に突破する際には関や試練があり、執着心も一朝一夕に去るわけではないことは分かっています。しかしそれでも、私は自分が何もできていないと深く感じていました。今の私の顕示心は、完全に無くなったどころか「マイナス」だと感じるほどで、本当に恥ずかしく、申し訳なく思っています。何も成し遂げていない自分が、何かを見せようとしていました。そう考えると、本当に恥ずかしさと悔しさが溢れてきます。一方で、師父は全宇宙の、最底次元から最高次元に至るまでのすべてを引き受けておられるのに、誰もそれを知らないのです。

　もちろん、実際には多くの同修が分かっており、知らないのは私だけかもしれません。ここでは、当時の私の心境をそのまま表現しています。また、師父があれほどの苦難を引き受けてくださっているにもかかわらず、その中に一言の怨みも責めもありません。それなのに私は、少しでも不当な扱いを受ければ怨恨の心を抱いていました。以前よりはずっと少なくなったとはいえ、今回の体験を通して、私は自分が何もできていなかったことがはっきり分かりました。

　今回初めて、「他人から殴られても殴り返さず、罵られてもやり返さず」（『轉法輪』）とは本当はどういう状態なのか、根本的に理解しました。以前は、私はすでにできているつもりでした。しかし実際は、ただ表面上の抑えにすぎず、別の空間ではもう相手に向かって衝突し、争っていたのです。また、表向きは穏やかな言葉を使っていても、その中には暗に反発を含む心があり、つまり「良くないエネルギー」が依然として混ざっていました。ただ紙やすりで表面を磨いて、きれいに見せていただけだったのです。確かに以前よりずっと穏やかにはなっていましたが、それでも依然として良くない成分が残っていました。今回の出来事を通して、私はまだ、真の修煉者が達するべき基準に全然届いていないことを知り、本当に深く後悔しました。

　私はまた、自分の思想業も見ました。そして今になってはっきり理解できたのです。なぜ「ただの思考」であっても業を造ってしまうのか、その理由を。私は誰かを好きではないと思った瞬間、この空間ではただの「思考」に見えても、別の空間では、すでに「もう一人の私」が相手を攻撃し、挑発していたのです。そして、その他の良くない念、ここでは自分では「良くない」と認識できないような考えであっても、別の空間では、すでにその「悪いもの」が行動に移していました。これに気付いた時、私は本当に恐ろしくなりました。だから今では、私は不注意に念を動かすことすら怖くてできません。法を学び、経文を読む時だけ、私は心が安定し、落ち着くことができます。家事をしている時も、以前はいつも「なぜ妻はこれをやらないのか、あれをしないのか」とイライラしていました。しかし今では、そういう念が少しでも湧いた瞬間、私は慌ててその念を排斥し、心を静めて、喜んで家事を続けるように努めています。そうして初めて、私はこれまで家庭や外の人々に対して、どれほどよくない心を抱いていたのかが分かったのです……。

　今回の体験を通して、自分自身について悟ったことは本当にたくさんあります。しかし、そのすべてを覚えて書き記すことはできません。あまりにも多く、まるで自分の容量が追いつかないようで、すべてを記憶しておく力もありませんでした。だから、その一部分だけをこうして分かち合っています。

　今の私は、ただ師父に向かって「これからは非常に努力し、厳粛に修煉し、本当に執着を取り除き、人心を捨て、もう二度と以前のように“自分を表現したい心”を抱かないようにします」と申し上げることしかできません。私は以前、「自分も大法の仕事をしている、自分もこうして、ああして大法を手伝っている」などと思ったこともありました。しかし、今の私は、そのように思った自分が本当に恥ずかしいのです。なぜなら、私がどれほど何をしたとしても、それは師父のされていることに比べれば、「何にも値しない」からです。

　師父は、本当に「偉大」という言葉よりも偉大なお方です。私は本当に、あまりにも幸運です。どんな言葉を使えば、この感謝を表現できるのか分かりません。ただ師父に、心からあらゆる事に対する感謝を捧げ、大法の中で修煉させていただいていることに、深くお礼申し上げるばかりです。以上は、私の個人的な体験であり、何の修飾もせず、そのまま書きました。同修の皆さま、どうかご理解ください。