　【明慧日本2025年12月17日】2025年12月10日は、『世界人権宣言』が公布・実施されてから77周年に当たる世界人権デーである。しかし、中国共産党（以下、中共）は政権を奪取して以来、中国国民が本来有する基本的人権、すなわち信仰の自由、言論の自由、恐怖から免れる自由を継続的に踏みにじっている。1999年に中共が法輪功への迫害を開始してから26年にわたり、英国の法輪功学習者（以下、学習者）は常に平和的、理性的、かつ非暴力の方法で迫害の実態を伝え、迫害に反対し続けている。風雨を問わず、その歩みは一度も途切れることがなかった。

12月10日、ロンドン中心部のチャイナタウンの活動拠点で功法を実演

　12月10日、英国の学習者は例年どおり、ロンドン中心部のチャイナタウンで活動を行い、法輪功が提唱する「真・善・忍」という普遍的価値を伝えるとともに、中共の犯罪行為を明らかにした。

　活動中、多くの通行人が足を止めて話に耳を傾け、法輪功迫害の実態を知った後、次々と生体臓器収奪に反対する署名をし、学習者への支持を表明した。当日取材に応じた人々には、英国の地元企業の経営者、看護学を学ぶ大学生、ロンドンを訪れていたスコットランドからの観光客などが含まれている。彼らの言葉は素朴ながらも力強く、正義や人間性、そして信仰の自由を大切にする思いを映し出している。

　取材に応じた人々は共通して、「誰もが自由を持つべきであり、誰一人として抑圧されてはならない」との思いを語り、さらに「真・善・忍こそ、世界が最も必要としている価値である」と述べた。

学習者の反迫害を支持して署名する人々

　「これほど平和で善良な人たちが、なぜ弾圧されなければならないのか？」

　イングランドから訪れた企業経営者レイチェル・ウッドさん（女性）は、光ファイバー通信ネットワーク会社を経営している。中共による法輪功迫害や学習者からの生体臓器収奪の事実を聞いた後、ウッドさんは衝撃と怒りをあらわにした。そして「あなた方はこんなにも平和で善良な人たちなのに、なぜ中国政府はあなた方を弾圧するのでしょうか。誰も迫害を受けたくありません」と語った。

　ウッドさんは、人権デーは自分にとってはおそらくごく普通の一日に過ぎないが、寒風の中でも平和的に迫害の実態を伝え続ける学習者の姿を目にし、深く心を打たれたと語った。「あなた方にとって、この日は『力』と『団結』、そして本来あなた方に属するすべてを取り戻すことを象徴しているのです」

　そばで話を聞いていたウッドさんの夫も、折に触れて自分の思いを付け加え、ウッドさんは笑顔で、「彼（主人）は私に『団結』だと念を押しているんです」と述べた。最後に2人は、中共の生体臓器収奪に反対する署名をし、このように平和的に抗議を続ける人々と共に立つ意思を示した。

蓮の花を手に掲げ、学習者の反迫害を支持する意思を示した、イングランドから訪れた企業経営者レイチェル・ウッドさん

　「私たちは、生まれながらに信じている善のために罰せられてはならない」

　看護学を専攻する大学生のアッシュさんとレイアさんは、中共による学習者からの生体臓器収奪の事実を聞いた後、ためらうことなく生体臓器収奪に反対する署名をした。2人は、看護学生として「生命の尊厳」と「医療倫理」の重要性をより深く理解していると語った。

　アッシュさんは「私たちは尊厳を持つべきであり、自分のために声を上げる権利があります。生まれながらの善なる思いや信仰のために、罰せられるべきではありません」と述べた。

　また2人は、法律や道徳に反しない限り、誰もが自らの信仰を実践する権利を持っていると考えている。「他人を傷つけないのであれば、迫害されるべきではありません」と言った。

　アッシュさんとレイアさんは「真・善・忍」に深い印象を受け、これこそが医療や看護の現場で最も必要とされる価値観だと述べた。すなわち、患者に対する誠実さ、生命への慈しみ、そして困難に直面した際の寛容さと忍耐である。

　「人権とは、愛・包容・受け入れを意味する」

　モロッコから訪れた英語教師アハメド氏は、妻と娘とともにロンドンを旅行中、中共による法輪功迫害や学習者からの生体臓器収奪の告発を支持して、家族そろって署名した。

　アハメド氏は「人権は抽象的な政治用語ではなく、誰もが日々欠かすことのできないものです。私たちには生きる権利があり、信仰を実践する権利もあります。私にとって人権とは、愛、包容、そして受け入れることを意味します。どれほど私たちが違っていても、互いに受け入れるべきなのです」と語った。

　また、アハメド氏と夫人は、目にしたパネルや聞いた迫害の実態を家族や友人に伝え、今も続いているこの迫害をより多くの人に知ってもらい、こうした犯罪行為を阻止するために、さらに多くの人が立ち上がることを願っていると述べた。

　「強制的な臓器摘出は必ず止めなければならない。これは人を商品として売買する行為」

　スコットランドから訪れた若い女性2人、アシュナさんとエイミーさんは、ロンドンを短期旅行中に迫害の実態を伝える拠点の前を通りかかり、展示パネルをじっくり読み、学習者と話を交わした。

　中共が、労働教養所や刑務所において、学習者を含む良心の囚人から大量に生体臓器収奪をし、商業移植に利用していると知ると、アシュナさんは信じられない様子で、「これはあまりにも残酷です。本人が知らず、同意もしていない状況で、どうして臓器を摘出できるのでしょうか。これは人を搾取し、人間を金儲けの道具に変えている行為です」と語った。

　女性2人は、このような犯罪行為が自発的な臓器提供制度を損なうことを懸念している。エイミーさんは「もし人々が、臓器提供の登録が悪用されるのではないかと恐れるようになれば、多くの人が提供をためらうようになります。それは社会にとって非常に悪い影響です」と述べた。

　また、法輪功が提唱する「真・善・忍」の原則を知り、2人はすぐに賛同を示した。「誰もが誠実で、善良で、思いやりの心を持つべきです」と言った。そして署名した後、当日の見聞をソーシャルメディアで共有して、より多くの人に迫害の実態を知ってもらいたいと述べた。

　若い世代の覚醒、4人の中国人留学生が自ら進んで迫害の実態を尋ねる

　人権デーの活動中、中国からの留学生4人が自ら学習者の迫害を伝える拠点に立ち寄った。4人は展示パネルを何度も読み、「何をしているのですか？」「天安門焼身自殺事件はいったい何だったのですか？」と学習者に声をかけた。

　4人は幼少期から中共の宣伝による情報を受けて育ち、法輪功に関しては中共メディアの宣伝情報しか知らなかったという。しかし海外に来てから、より多様な情報源に触れ、「天安門焼身自殺は捏造だ」という話も耳にするようになり、この機会に法輪功迫害の真実について聞きたいと話した。

　寒風の中の灯火が、人々の心に正義をともす

　12月10日の夜、学習者はロンドンの中共大使館前でろうそくを灯し、信仰を堅持したために命を落とした学習者を追悼した。「人権デー」と名付けられたこの日に、ロンドンの街頭では鮮やかな対比が生まれていた。一方には行き交う多くの人々、もう一方には寒風の中で静かに立ち、中国で起きている残酷な迫害を平和に語り続ける学習者の姿があった。

　20数年にわたり、英国の学習者は平和的な方法で迫害の実態を伝え続け、数え切れないほど多くの人々が初めて迫害の実態を知った。今年の人権デーには、国や背景の異なる通行人が自ら耳を傾け、支持を表明した。それは素朴でありながら揺るぎない事実を伝えている。迫害は止められなければならず、信仰の自由は必ず尊重されなければならない。