　【明慧日本2025年12月29日】最近、黒竜江省ハルビン市呼蘭区の法輪功学習者・尹洪偉さんと娘・尹麗さんが、約1年間にわたり拘束された後、ハルビン市道外区裁判所によりそれぞれ4年6カ月と1年の不当判決を受けたことが明らかになった。父親である尹洪偉さんはすでに控訴している。尹洪偉さんの妻・周春玲さんは現在、黒竜江省女子刑務所に拘禁されている。

　一家が連行される

　2024年12月19日朝、尹洪偉さんが自宅から出勤しようとしたところ、マンションの下で多数の警官に包囲され連行された。尹洪偉さんの頭は黒い袋で被せられた。警官は尹洪偉さんの所持品から自宅の鍵を奪い取り、尹洪偉さんの家に押し入って、娘の尹麗さん（24）を連行した。警官は尹洪偉さん宅から現金、キャッシュカード、身分証、パソコンなど大量の私財を押収した。

　それだけでなく、警官はさらに上階に住む尹洪偉さんの両親の家にも押し入り、家宅捜索を行った。ベッドサイドの収納から法輪功書籍1冊を発見すると、80歳近い尹洪偉さんの父親を連行した（同日中に解放された）。尹洪偉さんの母親が散歩から戻り、階下の息子の家に行くと、部屋中がめちゃくちゃになっているのを見て、初めて夫と息子、孫娘が全員連行されたことを知った。息子の家から立ち去ろうとしたところ、警官が再び捜索に押し入った。尹洪偉さんの母親は恐怖で心臓発作を起こしソファに倒れた。

　尹洪偉さんの妻・周春玲さんは2023年11月、道外区仁里街派出所と呼蘭区国内安全保衛部門（法輪功迫害の実行機関。以下、国保）の警官によって連行された。2024年4月22日、周春玲さんは道外区裁判所により不当に3年の判決を宣告され、現在黒竜江省女子刑務所に拘禁されている。（詳細は『10年間の冤罪を受けたハルビン市の周春玲さん　再び不当判決』を参照）

　呼蘭区公安局の国保の警官は周春玲さんを連行した後、夫の尹洪偉さんを連行する隙を伺い、尹洪偉さんの職場に何度も調査に行ったり、自宅のドアを叩いて嫌がらせをしたりし、密かに尾行を続けた。そして2024年12月19日、警官は尹さん親子を連行した。

　尹さん親子はハルビン市拘置所に送られ拘禁された。2025年1月末、旧正月を前に、尹洪偉さんと娘はハルビン市道外区検察庁により逮捕状が発付された。

　裁判と不当判決

　2025年6月19日、尹さん親子は道外区裁判所で裁判にかけられた。2人の人権弁護士が法律に基づき、それぞれ無罪を主張した。

　弁護の中で、弁護士は尹洪偉さんに連行の時の状況を説明するよう求めた。その後、弁護士は事件の発生経緯について疑問を呈した。案件記録によれば、警官が尹洪偉さん宅を家宅捜索した際、尹洪偉さんが法輪功学習者であることを発見し、尹洪偉さんと娘を連行したという。これは尹さん親子が連行された経緯と全く一致しない。弁護士は事件発生の合法性を詳細に分析した。『刑事訴訟法』第110条によれば、刑事事件の立件は事実が先行し、その後捜査決定がなされるべきである。しかし、呼蘭区国保の警官は明らかに連行が先で証拠を後付けしており、しかも、案件は虚構の情節に基づくもので、捜査官による事件捏造の疑いがある。検察官と裁判官はこれに対し反論できず、この日の裁判は終了した。

　2025年8月14日、道外区裁判所は再び尹さん親子を裁判にかけた。2人の弁護士が弁護を行う中、裁判官は繰り返し発言を中断させた。尹洪偉さんが自己弁護の陳述を始めた際も、わずか一言二言で裁判官に中断された。裁判官の理不尽な妨害に対し、1人の弁護士は弁護を最後まで述べ続け、「2025年2月にハルビンでアジア冬季競技大会が開催されるにあたり、当局は「安定維持」を名目に、事前に作成したリストに基づき、2024年12月に異論を唱える者や法輪功学習者を対象に大規模な連行を行った。尹さん親子はその犠牲者である」と厳しく指摘した。

　善良な人々を迫害する黒幕がこの弁護士によって暴かれたため、裁判官は恐れと怒りに駆られ、この率直な意見を述べる弁護士を法廷から無理やり追い出した。この裁判はその後終結した。

　道外区裁判所は当初、近く第三回裁判を開く予定だったが、何らかの理由で計画を中止し、代わりに尹さん親子にそれぞれ4年6カ月と1年の判決を言い渡し、この案件を早々に終結させた。

　現在、尹さん親子は依然としてハルビン市拘置所に拘束されている。尹洪偉さんはすでに控訴している。