　【明慧日本2025年12月29日】（明慧ネット・河北省報道）北京市延慶区延慶鎮上水磨村出身の法輪功学習者・郎東月さん（女性）は、信仰を理由に深刻な迫害を受け、長年にわたり住居を追われ流浪生活を余儀なくされていた。2021年12月14日、彼女は河北省張家口市懐来県で地元警官に不当に連行され、その後、不当な拘禁と罪の捏造を受けた。2023年3月8日、張家口市宣化区裁判所は彼女に対して不当な開廷審理を行い、懲役9年および罰金1万5000元（約33万円）の不当判決を言い渡した。

　判決後、郎東月さんの家族は2年以上もの間、彼女の所在を知らされなかった。2025年10月になり、弁護士が介入してようやく、河北省石家荘女子刑務所は郎さんが同刑務所に拘禁されていることを認めた。しかし、弁護士が面会を求めた際、刑務所側は「本人が面会を拒否している」という理由で手配を拒絶した。

　2025年12月9日は刑務所規定の面会日だった。当日午前、家族は郎東月さんとの面会を求めたが、再び同じ理由で拒否された。家族が強く要望し、午後になって再度刑務所へ赴き粘り強く交渉した結果、刑務所側はビデオ通話による短時間の面会のみを許可した。画面越しに見た郎さんの姿は、顔色がどす黒く、身体は極度に痩せ細っており、家族は大きな衝撃を受けるとともに、刑務所内での虐待を疑っていた。刑務所側は「来月の面会手配を検討する」と述べるにとどまった。

　郎東月さんの夫・王連義さんも、かつて度重なる不当な拘禁と迫害を受け、長期にわたる精神的重圧の結果、2022年4月25日、無実の罪を着せられたまま、無念のうちにこの世を去った。

　個人の背景とこれまでの境遇

　郎東月さんは、幼少期から喘息や重い皮膚病を患い、長期間農作業ができず、治療の甲斐もない状態だった。しかし、1998年6月に法輪功の修煉を始めてから体調は急速に回復し、医療費もかからなくなった。

　ところが、中国共産党による法輪功への弾圧が始まって以降、彼女は計5回連行され、北京女子労働教養所で4回、遼寧馬三家労働教養所で1回だった。累計10年にも及ぶ労働教養処分を受けた。北京の労働教養人員送致処や新安労働教養所では、殴打、電気ショック「ヤモリの壁這い」と呼ばれる拷問などを受けた。また、電気ショック、強制的な薬物注入、性的虐待などの拷問を受け、歯をこじ開けられて抜かれるなどの被害にもあった。遼寧省の馬三家労働教養所では、殴打、吊り下げ、電気ショック、「大掛け（手足を広げて吊るす）」などの拷問を受けた。

　北京市女子労働教養所では、電気ショック、殴打、歯ブラシで陰部をこするなどの拷問を受けた。かつて薬物中毒の受刑者に胸部を激しく殴打され窒息寸前になったことや、ベッドに押さえつけられハエ叩きの柄で陰部を激しく突かれたり、下腹部を殴打されたりしたことで下半身が赤く腫れ上がり、長期間歩行不能になったこともあります。また、衣服を全て剥ぎ取られ、拳や棒で殴る蹴るの暴行を受けた上、歯ブラシを陰道に突き刺すという性的虐待も受けた。

　最近の状況

　2021年12月14日、郎東月さんは懐来県の借家で、法的根拠も示されぬまま警官に強制連行された。寒い冬にもかかわらず上着を着ることも許されなかった。その後、不当に刑事拘留され張家口留置所に収監、案件は懐来県検察院から宣化検察院へと移送された。

　2023年3月8日、宣化区裁判所での不当な裁判において、郎さんは法廷で「良い人になることは間違いではありません。私は犯罪を犯していません」と主張した。弁護士も事実関係の不明瞭さと証拠不足を指摘したが、裁判所は懲役9年の不当判決を下し、二審でも原判決が維持された。

　現在、郎東月さんは河北省石家荘女子刑務所に収監されており、第14監獄区を経て第13監獄区でさらなる迫害を受けている。第13監獄区は残忍な手段で知られ、これまで多くの法輪功学習者（以下、学習者）が重傷を負い、死に至るケースも発生している。

　例えば、承徳市の学習者・趙宝麗さんは、同刑務所第13監獄区で瀕死の状態になるまで迫害され、顔は殴打で変形し、身体は骨と皮ばかりに痩せ細り、出所時には家族さえも見分けがつかないほどだった。

　河北省女子刑務所における学習者への迫害行為

　河北省女子刑務所（河北省石家荘鹿泉市石銅路）には、多くの学習者が不当に拘禁されている。特に第14、第13監獄区は学習者への迫害が集中しているエリアである。第14監獄区は「移行監区（通称：悪魔の監区）」と呼ばれ、学習者は通常まずここに収容され迫害を受ける。

　秦皇島市撫寧県の李桂彬さんは、2019年7月に秦皇島市昌黎県裁判所で不当に懲役4年の判決を受け、2021年5月に石家荘の河北女子刑務所に拘禁されたが、2023年4月16日に迫害により80歳で亡くなった。

　遵化市の王瑞伶さん（72歳）は、懲役8年の不当判決を受け、2021年4月15日に女子刑務所に拘禁された。口をこじ開けられての薬物注入、髪を掴んで壁に打ち付ける、冷水を浴びせるなどの拷問を受け、一時は精神に異常をきたし危篤状態に陥り、左目を失明させられた。

　郎東月さんが受けた迫害の詳細については、明慧ネットの記事『北京の農村学習者に懲役9年の不当判決』をご参照ください。